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第73号:「経営計画」は、「計画経営」をするための道具である

SPECIAL

1人粗利最大化事業づくりコンサルタント

株式会社ポリフォニアコンサルティング

代表取締役 

経営の最重要指標である「1人粗利」を極限まで高める手法の指導に特化した専門コンサルタント。徹底的に“数字”で先導する事業/組織設計による、1人粗利が「増えるべくして増える仕組み」を導入指導する専門機関。事業活動、組織活動をダイレクトに数字に接続していく「BLACKメソッド」を独自開発し、“勘やセンス”ではなく“科学と論理”による再現可能な1人粗利最大化構造を体系化。氏が関わった経営者からは「本当に1人粗利とお金が増えた」「実務感が半端ではない」「勇気ある意思決定ができるようになり経営が楽になった」「あくせくしないゆとりある経営を手に入れた」と絶大な反響が寄せられている。

「シライ先生、経営計画が必要だということで、これまでも専門家から指導を受けてきましたが……」そうお話しされるのは、加工業を営むS社長です。S社長は続けます。

「計画は作っているのですが、ここ数年はあまり大きな変化がありませんね。計画値通りに行けば、今頃もっと良くなっているはずですが……」

経営計画を作ること自体は素晴らしいことです。しかし、作ったもののその通りに行かない、頓挫してしまうという経験が多いのもまた事実です。

そこには「計画の作り方」や「実行力」の問題もあるでしょう。あるいは、自社努力ではどうにもならない外部環境の変化もあります。

不確実な中で物事を計画しても、なかなかその通りにはいかない。そうした経験が増えてくると、やがて経営計画そのものを低く見積もったり、作る意義を見失ったりしかねません。

しかし、ここで押さえておかなければならないことがあります。それは、計画の作り方や実行力、外部環境以前に、より根本的な思考の行き違いが、計画を無効にしている可能性があるということです。

その行き違いとは、「計画経営」をしていないことです。

当然と言えば当然ですが、経営計画は、ある目標を実現していくための“道具”です。「経営計画を作ったけれど、上手くいかなかった」という場合、まず疑うべきは、計画そのものではなく、計画的な経営をしていたかどうかです。

では、計画的な経営とは何か。

それは、計画に基づいて今日一日を決める経営のことです。

計画という言葉が2つも出てきて、なんだ?と思われるかもしれません。しかしこれが計画的な経営の根幹です。

経営計画は1年以上の長期にわたるものです。それは社長が望む目標を実現していくために立てられるものです。

その計画の中で、「ここの段階でこうしたい、ああしたい」というのがあって、一つの計画になります。これが「決定」です。社長が会社の未来のありたい姿を決定した状態です。

この決定した状態になるように、全ての動きが統制されていくことになります。

しかし我々がコントロール可能な範囲というのは、そんな1年以上先までは及びません。長期計画で未来像を「決定」したとしても、直接コントロールしきれるものではありません。

コントロール可能範囲は、時間軸が短くなればなるほどその度合いが高まります。1年後の状態よりは半年後、半年後よりは1か月後の状態のほうが、コントロールしやすくなります。  

では計画の最小時間単位は何か?それは今日一日です。厳密に言えば、組織がコントロールできるのは「今日の行動」だけです。

ここに、経営計画が必要となる本質があります。

経営計画は、「現在の混沌の中から、”今日”どんな行動を選び実行することが、経営計画で”決定”した目標に近づくのか?」、という意思決定を行うために存在します。

現実は文字通り混沌としています。想定外の注文、クレーム、イレギュラー対応、急な会合、社員の離職……様々なことが起こります。やらなければならないことは山のようにある。

重要なのは、その中で「今日、自らの時間を何に使うことが、”決定”した中長期の目標に近づく一歩なのか」を考えた上で行動を決定できるかどうかです。

1人粗利を3千万円まで高めていくには、この「価値のある活動を見つけ出し、そこに注力する」という姿勢が、事業づくりにおいても組織づくりにおいても絶対的に必要です。

濁流のように押し寄せる現実の中で、今日一日の行動を正しく選択できなければ、たとえ一日を一生懸命頑張ったとしても、目指す方向と違う方向に努力していたのであれば、目標地点に到達することはありません。

そしてこれは、社長一人の問題ではありません。管理職や社員も同じです。彼らの前にも、今日、混沌とした現実が展開されています。

基準がなければ、彼らは目の前の出来事を自分の判断で処理します。そこに、”会社の中長期目標に日々近づいていく”という視点は入りません。それは彼らの問題ではありません。目指すべき目標と方針と長期計画が可視化されていないからです。

管理職や社員が、今日の行動を目標に照らして選択できなければ、社長は毎日、細かく指示を出し続けることになります。計画が可視化されていない会社は、「社長の勘」による経営から抜け出せません。計画がない会社ほど、社長が現場に縛り付けられるのは必然です。

重要なのは、経営計画を作ることではありません。計画経営をすることです。

どんな壮大な計画も、その役割は一つです。今日一日の行動を正しく決定するためです。そのために毎朝、しかるべき人材が、会社の経営計画を、自分の1日の行動を決定するために活用しているか?これが中長期の経営計画と今日が結びついている状態です。

組織にとっての「正しい行動」とは、「目標に近づくための社長の方針に沿った行動」です。それを混沌とした現実の中でも選択できるようにする道具が経営計画です。そして経営計画は、毎日の行動決定→実行→振り返りというサイクルの起点となるものです。

どんな立派な経営計画を作っても、その目的のために活用されなければ、無いのと同じです。

あなたの会社では今日、誰が自分の一日の行動を決めるために経営計画を開きましたか。今日の8時間をどう使うかを計画した社員は何人いますか。会社の数ヵ月、数年先の成果のために、仕組みやノウハウの積み上げを計画した人間は何人いますか。

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