同族経営とは|メリット・デメリットや成功する2代目社長の条件
同族経営とは、特定の家族や親族が会社の株式と経営権を握り、強い影響力を持って運営する企業形態のことです。
「ファミリービジネス」「ファミリー企業」「オーナー系企業」「家族経営」や「同族企業」とも呼ばれます。
同族経営は、日本の企業において非常に一般的な形態です。実際、日本の中小企業の約90%以上が同族経営であり、上場企業でも約50%が同族経営の形態をとっています。
同族経営企業は、地域の雇用を守り、景気に左右されない「我慢強い投資」を続けることで、日本経済を支えています。
同族経営ならではの3つのメリットを紹介します。
最大のメリットは、短期的な利益や株主の顔色に囚われず、次世代を見据えた投資ができる点です。
一般的な上場企業の場合、四半期ごとの業績や株価を常に意識しなければなりません。一方、同族経営の企業は、創業家が長期的に会社を支配しているため、10年後、20年後を見据えた投資判断が可能です。
次に、迅速な意思決定とトップダウンの機動力が挙げられます。
資本と経営が分離している一般企業の場合、重要な決定をする際には、株主総会や取締役会での承認が必要になり、意思決定に時間がかかります。
一方、同族経営の企業では、経営者が株主でもあるため、市場環境が急激に変化した時や、緊急の対応が必要な時に、迅速に判断を下せます。
また、企業理念が組織全体に深く浸透しやすいのもメリットです。「家業」としての誇りが、社員の間にも強い一体感を生み出します。経営者と社員の距離が近いため、組織の一体感や求心力が強くなりやすいのも同族経営の特徴です。
一方で、特有のデメリットも存在します。これらのデメリットが「同族経営の企業はやばい」と揶揄される要因ともなっています。
同族経営で最も問題になりやすいのが、会社を「個人の持ち物」と混同してしまうことです。具体的には、経費の私的利用や、ワンマン社長による暴走した経営判断などが挙げられます。
また、家族・親族間の確執が、そのまま経営に影響するリスクがあります。最悪の場合、会社の分裂や倒産につながることもあります。
同族経営の企業では、家族・親族が優遇される場合が多く、外部から優秀な人材を登用しても定着しにくいという問題もあります。後継者もほぼ家族・親族から選ばれるため、優秀な社員が会社を離れてしまったり、社員全体の士気が下がったりすることも少なくありません。
同族経営の企業には、税制上の特別規定が設けられており、一般企業と比べて税負担が重くなる場合があることもデメリットでしょう。
同族経営を成功に導くためには、「属人的な経営」から「組織的な仕組み経営」への脱却、
透明性の高い評価制度とガバナンスの構築、客観的なデータに基づく意思決定の徹底、公私混同を断つ「財務の透明化」と「適正な資産管理」が必要です。
同族経営には、長期的な視点での経営や迅速な意思決定といった大きなメリットがあります。一方で、公私混同や後継者問題、お家騒動といったリスクも抱えています。
特に2代目社長は、先代からの「売上至上主義」の考え方を引き継いでしまうことで、知らず知らずのうちに会社を苦しめる経営判断をしてしまいがちです。
しかし、これらの問題の多くは「財務」の視点を持つことで解決できます。
会社にお金を残す仕組みを作り、客観的なデータに基づいた経営判断を行う。公私混同を排除し、透明性の高い財務管理を実践する。こうした「財務中心の経営」こそが、この先100年続く会社を作る土台となるのです。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。

