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AI技術部長 採用のスゝメ

SPECIAL

循環経済ビジネスコンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

循環経済ビジネスコンサルタント。カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

 「西田先生、確かにウチみたいな中小にとって、『AI技術部長』を採用できれば大きなメリットになりそうですね。」

 

 雨上がりの都心を並んで歩きながら私の提案を聞いていたクライアントの幹部社員が返してくれたコトバです。

 

 産学連携による技術開発に取り組んできたこの会社の弱点は、技術担当の幹部社員がいないことでした。製造現場の責任者と社長のいずれかが学校との連絡調整に当たってくれるのですが、技術の受け皿としての視点で動ける人間がいないことが様々な局面でハンディキャップとなっていたのでした。

 

 「是非技術部長を採用してほしい。」ここ数年、私の提案はずっと塩漬けになったまま。仮に技術部長を外部から招くとすると、少なくとも年間1千万円を超える人件費増につながるのですが、現状それを回収できる目途が立たなかったからです。

 

 ところがここへ来て、状況は大きく変わり始めています。言うまでもなく、生成AIの急速な進歩によってです。

 

 少し前までAIと言えば、チャットボットや画像生成といった「便利ツール」の延長線上で語られることが多かったように思います。しかし現在は、それとはかなり違う段階へと進み始めています。

 

 特に注目されているのが「AIエージェント」と呼ばれる仕組みです。これは単に質問に答えるだけではなく、与えられた目的に応じて情報を集め、整理し、一定の判断を行いながら業務を遂行するタイプのAIを意味します。

 

 例えば、技術開発案件について過去の議事録や研究資料を読み込み、「以前似たような実験でどのような課題が発生したか」を整理する。あるいは特許情報や論文データベースを参照しながら、「競合他社がどの方向へ開発を進めているのか」を分析する。さらには補助金制度の公募要領を読み込み、「自社に適合しそうな制度」を抽出する、といった作業も可能になりつつあります。

 

 これまでであれば、こうした業務には相応の知識を持つ技術系幹部社員が必要でした。しかも、技術だけ知っていれば良いわけではありません。研究者との会話が成立し、現場の課題も理解し、経営者の意図も読み取れる人材でなければ務まりません。中小企業にとって、そのような人材の確保は簡単ではありませんでした。

 

 なにせ大企業ですら、技術系幹部人材の採用には苦労している時代です。仮に採用できても、給与だけでなく、権限調整や組織文化との適合など、様々なハードルがあります。ところがAIは、そうした状況を大きく変えようとしています。

 

 今や、「AIにしかるべき知識を与えておき、バーチャルな幹部社員として働いてもらう」ことは全く可能な時代になりました。会議への出席や客先対応の部分でAIオペレータ(人間)が代行する部分は残りますが、こと技術開発に係る判断や情報の確認は、AIに任せることができる時代となったのです。

 

 もちろん、誤解してはいけない点もあります。AIは万能ではありません。与えられた情報に偏りがあれば、導き出される結論にも偏りが生じます。また、もっともらしい説明をしながら事実と異なる内容を提示する、いわゆる「ハルシネーション」と呼ばれる問題も依然として残っています。

 

 特に技術開発の現場では、「それっぽい説明」が最も危険だったりします。現場条件や製造設備の特性、あるいは長年蓄積された暗黙知の部分まで、AIが完全に理解できるとは限らないからです。

 

 加えて、社外秘情報や知財管理についても慎重な配慮が必要になります。便利だからと言って、重要な技術情報を無造作に外部AIへ入力するような運用は、当然ながらリスクを伴います。

 

 ですので実際には、「AIに全部任せる」というより、「AIを技術系幹部社員の補佐役、あるいは知識エンジンとして活用する」という発想のほうが現実的なのだろうと思います。

 

 ただ、それを差し引いてもインパクトは極めて大きいものがあります。例えば、これまで技術者不在だった中小企業が、AIを活用することで大学との共同研究に対応しやすくなる。あるいは営業担当者が、AIを通じて技術的な裏付けを持ちながら顧客提案を行えるようになる。場合によっては、これまで「難しそうだから」と諦めていた新市場への参入が現実味を帯びてくることすらあり得ます。

 

 これは単なる業務効率化ではありません。会社の「戦える領域」そのものを広げる可能性があるということです。中小企業経営において、本当に不足しているのは現場作業人員だけではありません。実は「考える人材」「構想できる人材」「技術と経営をつなげられる人材」が決定的に不足しているケースが少なくないのです。

 

 AIは、その不足部分を埋めるための現実的な選択肢になり始めています。そのような課題を勘案しても、人件費に比べれば大幅に安いコストで幹部人材を代替できるというのは、多くの中小企業にとって間違いなく福音になるものと思われます。

 

 ではどのようにその採用を考えれば良いのか、具体的なご相談はぜひ当社までお問い合わせください。

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