透明資産経営|なぜ、忙しい部署ほど助けを求められない空気になるのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー誰かが、限界まで抱え込んでいるのに、なぜ、声が上がらないのでしょうか
思い浮かべてみてください。あなたの会社の、ある部署が、明らかに、手一杯になっている光景を。
仕事が、あふれている。社員は、残業続きで、疲弊している。誰が見ても、人手が、足りていない。──ところが、その部署から、「助けてほしい」「手が回りません」という声は、なぜか、上がってこない。社員たちは、限界まで、抱え込みながら、それでも、黙って、なんとか、こなそうとしている。そして、ある日、その部署の誰かが、心身を壊すか、突然、辞めていく。あなたは、そのとき、初めて、事の深刻さに、気づくのです。「なぜ、もっと早く、言ってくれなかったのか」と。
助けが、必要なはずなのに、助けを、求められない。この、追い詰められているのに、声を上げられない空気こそ、今日、お話ししたいことです。そして、この空気の正体を知ることは、あなたの会社で、静かに進む疲弊を、防ぐ鍵になります。
ー「助けを求める」ことが、「弱さ」や「無能」と、みなされる空気
なぜ、忙しい部署ほど、助けを、求められないのか。
ここに、この連載だからこそお伝えしたい、空気の仕組みがあります。多くの職場では、「助けを求める」ことが、「自分の力不足」「無能さの露呈」と、みなされる空気が、流れている、ということです。
考えてみてください。助けを求める、ということは、「自分だけでは、できません」と、認めることです。もし、その職場に、「できないと言うのは、恥だ」「弱音を吐くのは、無能だ」という空気が、流れていたら、どうなるでしょうか。社員は、どれほど、追い詰められても、「助けてほしい」と、言えなくなります。助けを求めた瞬間に、評価が下がり、無能の烙印を、押されるかもしれない、と恐れるからです。だから、限界まで、一人で、抱え込む。この空気の中では、助けを求めることが、損になる。だから、誰も、声を上げないのです。
普通の経営者なら、「困ったら、言ってくればいい。言わないのは、社員の問題だ」と考えるでしょう。しかし、透明資産の視点では、社員が助けを求められないのは、社員の問題ではなく、助けを求めることが、安全でない空気の、問題です。人は、助けを求めても、責められない、むしろ、早く言ってくれてよかった、と受け止められる空気の中でしか、安心して、声を上げられません。忙しい部署ほど助けを求められないのは、その職場に、「できないと言うことは、許されない」という、張り詰めた空気が、流れているサインなのです。そして、この空気は、社員を、限界まで、追い詰め、ある日、突然の崩壊を、招くのです。
ー助けを求められない空気が、生む、3つの危機
助けを、求められない空気は、組織に、どんな危機を生むのか。三つお伝えします。
ひとつ目の危機は、「突然の、崩壊」です。限界まで、抱え込んだ社員は、ある日、突然、心身を壊すか、辞めていきます。じわじわ、ではなく、ある日、いきなり。周りが、気づいたときには、もう、手遅れ。声を上げられない空気が、予兆のない崩壊を、招くのです。
ふたつ目の危機は、「助け合いの、消失」です。助けを求めることが、恥とされる空気の中では、助け合いそのものが、生まれません。困っていても、言えない。だから、誰も、助けられない。組織が、互いに、孤立した個人の、集まりに、なっていくのです。
みっつ目の危機は、「問題の、隠蔽」です。「できません」と言えない空気は、仕事の遅れや、抱えている問題を、隠すことに、つながります。手が回らないのに、「大丈夫です」と、無理をする。その結果、締め切りに間に合わない、品質が落ちる、といった問題が、ぎりぎりまで、表面化しないのです。
ー助けを求められるのは、それが安全だと感じられる空気
社員が、助けを求められるか、抱え込むかを分けるのは、仕事量の多さではなく、助けを求めることが、安全だと、感じられる空気があるかどうかです。
「助けてほしい」と言うことが、責められず、歓迎される空気があるか。「できない」と認めることが、恥ではなく、当たり前のこととして、受け止められる空気があるか。忙しい部署が声を上げられないのは、助けを求めることが、安全でない空気のサインです。助けを求めることが安全だと感じられる空気を整えてはじめて、社員は、限界の前に、声を、上げられるようになります。
ー「助けて」を、歓迎する空気をつくる
では、経営者は、何を変えればいいのか。社員に、「困ったら言え」と、言うだけでは、足りません。「助けて」を、心から、歓迎する空気を、つくることです。
まず、社員が、助けを求めてきたとき、決して、責めず、「早く言ってくれて、よかった」と、受け止める。助けを求めることが、安全だと、実感させる。次に、社長や、上司自身が、「これは、手伝ってほしい」「一人では、難しい」と、助けを求める姿を、見せる。上が、弱さを見せれば、下も、安心して、見せられます。そして、助け合った社員を、はっきりと、称える。──こうして助けを歓迎する空気をつくり始めたあなたは、社員が、限界まで抱え込む前に、声を上げられる、安全な組織を、育て始めているのです。
ーあなたの会社では、「助けて」と、言えるでしょうか
最後に、お伝えしたいことがあります。組織が、突然の崩壊を防げるかどうかは、社員の忍耐力ではなく、社員が、限界の前に、「助けて」と言える空気が、あるかどうかで、決まるということです。
思い浮かべてみてください。今、あなたの会社で、手一杯になっている社員や、部署は、ないでしょうか。その人たちは、「助けてほしい」と、声を、上げられているでしょうか。それとも、言えない空気の中で、限界まで、一人で、抱え込んでいないでしょうか。もし、後者かもしれないと感じたなら、それは、あなたが、動くべき合図です。
このコラムを読み終えたあなたは、次に、忙しそうな社員を見たとき、これまでとは違う思いを、抱くはずです。この人は、助けを、求められているだろうか、と。そして、「助けて」を歓迎する空気を、自らつくりにいく自分の姿が、もう浮かんでいるのではないでしょうか。助けを求めることが、安全だと感じられる空気をつくる。それが、突然の崩壊を防ぐ、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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