透明資産経営|なぜ、顧客第一と唱えながら社員を後回しにする会社は、結局、顧客も失うのか?
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
ー「お客様第一」を掲げる裏で、社員を、どう扱っているでしょうか
思い浮かべてみてください。あなたの会社が、掲げている、「お客様第一」という言葉を。
お客様のために、尽くす。お客様の満足を、最優先する。──立派な、姿勢です。あなたも、本気で、そう思っている。だから、社員にも、「お客様を、第一に考えろ」と、求める。ところが、その「お客様第一」を、掲げる、その裏で、社員のことは、どう、扱っているでしょうか。
お客様のためだからと、社員に、無理を強いる。お客様には、丁寧なのに、社員には、ぞんざい。お客様の要望は、何でも聞くのに、社員の声には、耳を貸さない。──もし、そうだとしたら、少し、立ち止まってください。「お客様第一」を唱えながら、社員を、後回しにする会社は、皮肉にも、最終的に、お客様も、失っていくのです。この、お客様第一が、お客様離れを招く逆説こそ、今日、お話ししたいことです。
ーお客様に向けられる空気は、社員に向けられている空気の、写し鏡
なぜ、社員を後回しにすると、お客様も、失うのか。
ここに、この連載だからこそお伝えしたい、空気の連鎖があります。お客様に向けられる空気は、社員が、日頃、会社から向けられている空気の、写し鏡だ、ということです。
考えてみてください。お客様に、心のこもった、温かい対応をするのは、誰でしょうか。社員です。では、その社員が、会社から、大切にされず、後回しにされ、冷たく扱われていたら、どうなるでしょうか。心を、すり減らし、余裕を失った社員が、お客様にだけ、温かく、接することが、できるでしょうか。──できません。会社から、冷たい空気を、向けられている社員は、その冷たさを、無意識に、お客様にも、向けてしまう。社員が浴びている空気は、そのまま、社員を通じて、お客様へと、流れ出るのです。「お客様第一」を、いくら、掲げても、社員が、大切にされていなければ、その空気は、お客様には、届きません。
普通の経営者なら、「お客様第一を、徹底すれば、お客様は、満足する」と考えるでしょう。しかし、透明資産の視点では、お客様に良い空気を届けられるかどうかは、その空気を、実際にお客様に届ける、社員が、どんな空気の中にいるかで、決まります。社員を、後回しにし、冷たく扱う会社では、社員が、良い空気を、持てない。持っていない空気は、お客様にも、届けられない。「お客様第一」と唱えながら社員を後回しにする会社がお客様を失うのは、社員という、お客様への空気の運び手を、枯らしてしまうからなのです。本当にお客様を大切にしたいなら、まず、社員を、大切にしなければならないのです。
ー社員を後回しにする空気が、お客様に、届いてしまう、3つの経路
社員を後回しにする空気は、どのように、お客様へと、流れ出るのか。三つの経路をお伝えします。
ひとつ目の経路は、「余裕の、なさ」です。会社から、無理を強いられ、大切にされない社員は、心の余裕を、失います。余裕のない社員は、お客様に、丁寧に、向き合えない。社員の、すり減った心が、お客様への、雑な対応として、にじみ出るのです。
ふたつ目の経路は、「不満の、にじみ出し」です。会社への不満を、抱えた社員は、その不満を、完全には、隠せません。ふとした表情や、対応の端々に、会社への、不満や、あきらめが、にじむ。お客様は、その、どんよりした空気を、敏感に、感じ取るのです。
みっつ目の経路は、「忠誠心の、喪失」です。大切にされない社員は、会社への、忠誠心を、失います。「この会社のために、頑張ろう」という気持ちが、消える。すると、お客様のために、一歩踏み込む、という熱も、失われる。社員を後回しにする空気が、お客様への熱を、奪うのです。
ーお客様を大切にする空気は、社員を大切にする空気から生まれる
会社が、お客様をつなぎとめられるか、失うかを分けるのは、「お客様第一」という掛け声ではなく、社員を大切にする空気が、あるかどうかです。
「お客様第一」を掲げる裏で、社員を、後回しにしていないか。お客様に向ける敬意と、同じ敬意を、社員にも、向けられているか。お客様を失うのは、社員を後回しにする空気が、社員を通じて、お客様にも、伝わっているサインです。社員を大切にする空気を育ててはじめて、その温かい空気が、社員を通じて、お客様へと、流れ出します。
ー「お客様第一」の前に、「社員第一」を置く
では、経営者は、何を変えればいいのか。「お客様第一」を、下ろすことではありません。その前に、「社員を大切にする」ことを、置くことです。
まず、「お客様のため」を理由に、社員に、無理を強いていないかを、省みる。お客様を大切にするために、まず、その担い手である、社員を、大切にする。次に、お客様に向ける敬意と、丁寧さを、社員にも、同じように、向ける。社員の声にも、耳を傾ける。そして、社員が、満たされ、余裕を持って、働ける空気を、整える。──こうして社員を大切にし始めたあなたは、社員を通じて、お客様へと届く空気を、温かいものへと、変え始めているのです。社員を大切にすることは、遠回りに見えて、お客様を大切にする、最短の道なのです。
ーあなたの「お客様第一」は、社員を通っていますか
最後に、お伝えしたいことがあります。お客様を本当に大切にできるかどうかは、「お客様第一」という掛け声ではなく、その空気を届ける社員を、大切にできているかどうかで、決まるということです。
思い返してみてください。あなたの会社は、「お客様第一」を掲げる、その裏で、社員を、後回しにしていないでしょうか。お客様には、丁寧なのに、社員には、ぞんざいに、なっていないでしょうか。そして、その社員が、冷えた空気を、お客様に、届けてしまっていないでしょうか。もし、思い当たるなら、それが、お客様が離れていく理由かもしれません。
このコラムを読み終えたあなたは、次に「お客様第一」と唱えようとしたその瞬間、ふと、気づくはずです。その前に、社員を、大切にしているだろうか、と。そして、お客様への敬意と同じ敬意を、社員にも向ける自分の姿が、もう浮かんでいるのではないでしょうか。「お客様第一」の前に、社員を大切にする。それが、結局、お客様を大切にする、最も確実で、最も静かな一手なのです。
ー勝田耕司
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