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部分最適でなく、全体最適の観点から仕事の順番を決める

  成長支援部づくり 岩井徹朗 SPECIAL
岩井徹朗 SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社 代表取締役 岩井徹朗

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

全体最適を見て優先順位を決める

私の最初の転職先は銀行の設立準備会社。独立系でインターネット専業銀行を新しく作るという魅力に惹かれて16年ほど前に入社しました。

会社の最初の目標は銀行免許を取得して無事開業するということだったのですが、もう一つ、できるだけ早期に株式公開するという目標がありました。

当時は、まだ「設立後、最短1年で株式公開に成功!」というニュースが新聞紙上を賑わせていた時代。「A社の社員はストックオプションで3億円ぐらい儲かったらしい」というような噂が飛び交い、「自分たちも頑張れば一儲けできる」という下心もありました(笑)。

さて、私が入社した時は社員はまだ全員で18人の小所帯。まさにこれからいろいろと社内体制を整備していこうという状況でした。

そんなある日、IPO(株式公開)コンサルなる人が来社し、「今度の取締役会では、この議案を決議して下さい!」といきなり言われました。当時会社では株式公開の準備を進めるべくあるコンサルティング会社と契約を結んでいたのです。

そのコンサルタントの方曰く、「経理部と財務部は早急に分けて下さい」「内部監査は最低半年に1回実施を」「株式取扱規程にはこの項目が入っていますか?」・・・。確かにおっしゃることはご説ごもっとも。しかし、私の方は「ちょっとやるべき順番が違うんじゃないの?」と思ってしまいました。

当時はまだ社員数も少なく、社内規程も必要最小限のものだけがとりあえず揃えているという状態。私にしてみれば、まだアルファベットのA、B、Cしか知らない小学生に対して、塾の先生から「東大に入学したいのなら、明日までにこの長文を和訳しなさい!」といきなり言われているようなものでした。

これは、まさに、会社の目標が知らず知らずのうちに仕事の順番を狂わせている事例です。

株式公開というような目標でなくても、今期は売上高で10億円を目指す、社内の業務効率化のため、新しい社内システムを導入する、近々税務調査が入りそうだ、といったような時、本来やるべき順番を無視してとりあえず対応するということはよくあります。しかし、結果的に、付け刃的な対応はムダになることが多いです。

先のIPOコンサルから指示については上司とも相談の上、適当に受け流しました。この点、私の場合は上司が聡明な方だったので、助かりました。しかし、中には会社の現在の立ち位置や全体のバランスをよく考えずに、「なんで、俺の言うとおりにやらないんだ!」と怒り出す経営者もおられます。

部分的に見れば正しくても、会社全体から見ると明らかにやるべき「順番」が違うというケースは意外と多いです。部分最適ではなく、全体最適を見て指示を出すのは経営者の仕事。会社としてやるべき仕事の優先順位をしっかりと見極めましょう

【総務の革新】成長支援部づくりで業績を伸ばす経営視点
岩井徹朗

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社代表取締役

岩井徹朗

執筆者のWebサイトはこちら https://www.heeze.co.jp/

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