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QCDへの誤ったこだわりが中小製造業をだめにする

SPECIAL

商品開発コンサルタント

株式会社シンプルテックプラン

代表取締役 

商品開発コンサルタント。特に開発部門を持たずに売れる商品開発を実現する、独自の「デベロップレス」体制づくりに定評。いま全国の中小メーカー企業の業績躍進の新手法として、多くの企業から指導依頼が集まる注目のコンサルタント。

「品質、コスト、納期(いわゆるQCD)に優れていること」

先日、開発型企業を目指す、ある経営者の方に「御社の製品がお客様から選ばれている理由を教えて下さい」とご質問した際のお答えです。

QCD神話。長く日本の製造業を支えてきたものです。しかし、このQCD神話が開発型を目指す場合に大きな障害になることがあります。今回は、そのことについてご説明したいと思います。

品質Quality、コストCost、納期DelivaryのQCDに優れていること。長く日本のモノづくりの競争力を支えてきました。安定した需要を背景に大企業が最終商品をお客様に提供し、中小の下請け企業が徹底して磨き上げられたQCDでその商品を支える。この構図が、日本の強さでした。

しかし、今、この安定した需要が崩れ始めています。一部のするどい経営者はこのことに気づき、大企業の下請け、OEMからの脱却を模索し始めています。
ところが、いざ自分で商品を開発しようとすると、製造現場のQCDへのこだわりが逆に障害になることがよく起こっています。QCDへの意識付けがしっかりしているほど、障害も大きくなっています。

従来の製造業のQCDの意識は、「高い製造品質を確保すること」、「徹底的にムダを排除し製造コストを極限まで下げること」、「求められたものを短納期で製造すること」になっているケースがほとんどです。これに対して、自社で新商品開発に乗り出した場合、最初はこれらすべてを悪化させます。初めから、既存製品と同レベルの高い製造品質や製造コストを確保することは不可能ですし、製造納期も長くなります。そのため、QCDの意識が高く、製造現場が強い会社では、自社開発に反対するか、もしくは、最初から高いレベルのQCDが確保できる開発を開発者に求めます。

しかし、このことが、自社開発をだめにしてしまいます。
開発では、QCDへの考え方が全く異なるからです。

例えばコストですが、開発で重視すべきなのは、「いかに売値を上げるか」です。製造コストよりも「売り」を高めることが重要です。いかに安く作るか、を優先してしまい、売りを犠牲にしてしまっては、売れない商品が出来上がってしまいます。少々製造コストが高くても、高く売れる商品を作った方が儲かります。そもそも新商品の製造コストをどんなに下げても、既存商品のコストの低さにはかないません。新商品の製造コストは、本質的に高くなります。高い売値でも売れることが、新商品で儲けるための生命線になります。

このように、従来の製造現場が重視してきたQCDと、開発において重視すべきQCDは異なります。優先順位が全く異なるのです。このことを意識せずに、開発に従来のQCDの優先順位を持ち込むと、売れない商品が出来上がり開発が失敗に終わってしまいます。
そして、最も不幸なことは、自社開発への最初の取り組みが失敗してしまうと、次への挑戦のエネルギーが永遠に失われてしまうことです。

そうならないために、開発型企業を目指して商品開発に乗り出すときには、従来のQCDへのこだわりを持ち込まないことが肝要です。

安く作るよりも、高く売る、開発型を目指すあなたは、発想の転換ができていますか?

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