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中小企業にとっての成長分野の見つけ方

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

「我が社の既存事業も何時まで持つか… 次の成長戦略として、高齢化社会に対応した新規事業として立ち上げようと思っています」

先日、板金業を四十数年営む会社の新商品アイディアに触れてきました。

まだモノレベルには落とし込まれておらず、構想のみ。

また、特に老人マーケットに対する想いもなく、商品アイディアも単なる思いつきのご様子。

なので、試作品を作たりとコストをかけはじめる前に「老人マーケットは止めた方が良いです」とピシッリと言いました。

と言うのも、資本力や人的な余裕無い中小企業の場合、原則として成長マーケットには参入しない方が無難だからです。

ましてやマーケットニーズやマーケットが抱えている構造的問題が見えておらず、単なる思いつきでの営業トライは、破滅行為です。

儲かるかも…なんて単純な思いつきは、銭を失う典型例。

これは、過去の失敗例を紐解けば火を見るよりも明らかです。

新規事業を成功させるには、まずは以前のコラム「新規事業でしくじらない絶対条件とは(https://www.jcpo.jp/archives/16099)」にも書いた通り、シナジーを利かすこと。

そして、そのシナジーが働く分野の中でも、成長分野とは真逆の方向を一度振り返ってみることがビジネスチャンスを発掘するコツとなります。

冒頭のケースをあれば、少子高齢化の時代であれば、幼児、育児、子供マーケットを見つめている…といった具合です。

優秀な企業や人材。

血の気盛んな勢いのある企業や人材などは、成長市場に群がってきます。

成長市場は、単に競争が激しいだけでなく、手強い相手と戦わざるを得ません。知力・体力・財力を十二分に備え、総力戦で向かい打たなければ、自軍に多大な損害を与えてしまうことになりかねません。

逆に縮小マーケットは、優秀な企業や人材、勢いのある企業や人材は、退場していくこともあります。

つまり縮小マーケットは、競争環境が甘くなるケースが多い。

そうなれば、羊の群れのなかに、オオカミとして存在することが出来るわけです。

楽勝で勝てる分野を探し、自社の兵力・財力をムダに疲弊させないことは「殿(経営者)」がやるべき重要な仕事の一つです。

著書の名前と正確な表現は失念してしまいましたが、日本マクドナルドの創始者である藤田田氏は、こんなことを言っていました。

「外食産業は、パパママストアばかり。そこに東大卒の私がいけば、赤子の首をひねるようなものだ。だから私は外食産業に進出したのだ」と。

ご存知の通り、日本マクドナルドは短期に成長し、藤田田氏が生きている間はずっと売上高1位とトップ企業として君臨し続けていました。

氏が死去した後は、同じく東大卒で外食産業に進出した小川 賢太郎氏率いる「すき家」のゼンショーが活発なM&A戦略によりトップに躍り出ました。

別に学歴云々という話をしているわけではありません。

楽勝で勝てる市場で戦うことの分かりやすい一例を示したにすぎません。

孫子の兵法でも「自軍と敵軍の兵力を見極め、勝てる時にしか戦わない。負け戦は決してしない。出来る事なら、戦わずして勝つにはどうするかを考える」のが基本と教えています。

御社は、新規事業参入において、楽勝で勝てる戦いの場所を徹底して見極めていますでしょうか?

 

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