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展示会で自社ブースに有望見込客のみを吸引する方法

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

展示会は主催者が集客した来場者を見込客にしたい、と思うのが普通なのでは?」

前回のコラム「展示会で優良見込客を集める方法」を読んだ読者の方から「高い金を払っているのに、なぜ自社が主体的に集客する必要があるのか?」という疑問をもたれた方からメールを頂戴しました。

恐らく、展示会を「狩猟の場」として捉えるのではなく「農耕プロセスの場」として捉えることです」という主張に対しての違和感だと思います。

確かに「狩猟の場」として捉えるのではなく…という表現は適切でなく、「狩猟の場」として捉える“だけ“でなく…と表現すべきでした。つまり、「狩猟の場」としても利用するし、「農耕プロセスの場」としても活用する。

あらゆるチャンスを持った見込客は一人も逃さない…という執着心が大切だということです。

気になるのは「高い金を払っているのに…」という発想を持った時点で、もう主体性がなくなっているということです。

一般消費者が、美容室や食事に行って「高い金を払っているのに、たいしたことがない…」と言うのとは、訳が違います。

このケースだって、せっかく共有する時間なのだから…と客側であっても店員さんと良好なコミュニケーションを築けば、満足度は変わるはずです。

 

大切なことは、投資をしたらリターンがあるのはアタリマエ…と短絡的に考えず、「どうしたらこの投資から有益なリターンを得ることが出来るのか…」と、リターンを取りに行く責任はあくまでも自社であるという自覚を持つことなのです。

展示会への出展は、そういった観点から見ても、意外にも短絡的な思考回路になりやすく、往々にして本来得られるリターンを自ら棒にふっているケースが見られるから注意が必要なのです。その最たるものが「デザイン会社への依頼」です。

ブース設計、展示会場で配布するチラシやカタログ、ノベルティなどなど会場で「顔」となる媒体をすべてデザイン会社に丸投げにするなんてことは論外ですが…

展示会来場者の心理的な考察のないデザイン会社との打ち合わせが多いために、現場を見ると一捻りも二捻りもが足りないデザイン・構成になっているケースが後を絶ちません。

デザイン会社は、「キレイな見せ方」をするプロであって、「商談をつくり出すプロ」ではないのですから、当然と言えば当然なのです。

そもそも論で考えれば、大手企業のイメージ戦略は別として、中小企業が展示会に出展する目的は「商談の場をつくり出す」ことです。

短期的な受注活動を目指す商談から、スグには商談にならなくても数ヶ月後、数年後に商談をつくり出す中長期的な視点まで、いずれにせよ「受注に結びつく一連の活動」の中に組み込まれているはずです。

そこに小綺麗に見せることの視点だけ持ち込まれても、ありがた迷惑なのです。

もちろん、中にはマーケティングや営業センスのある優秀なデザイン会社もありますが、そこに白羽の矢を立てることは容易でありません。

そんな偶然に期待するのなら、自らが展示会での営業ロジックを設計し、デザイン会社と密な連携の上で“商談の場をつくり出す”ことに焦点を当てたデザイン戦略を打ち出すことが大切です。

その際に大切なことは「お互いのポジションを明確にする」ことです。

デザイン会社は、見せるプロです。
 そこは、思い切って任せるべきです。

色味や写真の配置がどうたらこうたら…とそこまで首を突っ込む必要はありません。

もちろん、好き嫌いはありますし、デザイン会社がコンセプトを理解してきれていなければ、どんどん提言すべきです。

そう、コチラ側が責任を負うべきポジションは「当社の商品やサービスのコンセプトを正確に伝えること」さらに「どういった顧客がどのような便益を感じ、当社商品を利用しているのか…」という、購買プロセスに至る過程で、キーとなる「キーワード」や「便益を直感的に感じる“絵”」を明確に伝えることなのです。

これは、一例ですが、藤冨がお手伝いしているクライアントさんからブース設計のご相談を頂いたときのことです。

普通、あまり考えること無くブースの全面には「会社名」が表示されています。

展示会場を見渡しても多くのブースの前面には、常識的に会社名が表示されています。

展示会ブース|提案前

でも、購買心理プロセスから見て「会社名」が最初に目に入る重要性はありますでしょうか?認知度の高いブランド価値のある企業であれば必要かも知れませんが、普通で考えれば重要性は低いはずです。

目的を「商談の場をつくりだすこと」であれば、思い切って前面表示からは排除すべきです。

認知度の高くない企業が、認知度の高くない商品を売り込む場合は、有望見込客になりうる通行人に対して「えっ? 何コレ?」と気づかせることが第一義のテーマになるはずです。

展示会ブース|提案後

 

上記の写真のように、ターゲット顧客が見たら「ビビッとくるような」メッセージを打ち出し、非ターゲットには無視されるようなメッセージを作り込むのです。

そうしないと「くずの名刺」ばかりが集まり、「金につながるハズの名刺」がこぼれ落ちてしまうことになります。

これは、AIDMA(アイドマ)の法則と呼ばれる「購買心理プロセス」を見れば一目瞭然です。

 

※  AIDMA
商品を認知し、行動(サンプル請求や購買など)に至までの心理プロセス。
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)の段階を経て、購入に至る。従って、私(我が社)と関係のある話だ…という“注意”をまず惹き付けないといけない。

 

この理論を古いとか、間違っていると言う人もいますが、それらの人達は、理解不足かトンチンカンな自己主張をしているに過ぎません。

AISAS(エーサス)の法則など、新しい購買行動に即している心理プロセスは、まともな見解だと思っていますが、どちらが正しくてどちらが間違っているか…という議論はそもそも不毛です。

※ AISAS
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)

 

こういった法則は、何かの営業戦術を実行に移すときのプランニングで、漏れなく必要要素を組み込むために使うものなのです。

理論を知ったかぶりするより、使いこなせるか否かが大事なのです。

ブースの前面で、見込客を呼び込む為の的確な「注意」を促すメッセージが表現できているのか?

ブースに入った通行客が、パネルやカタログ・チラシなどを見て、関心を抱き興味がそそられ、もっと知りたい…という欲求へとスムーズに心理的に遷移※することができているか?

※遷移(せんい):移り変わること。

これらの要素をデザインのなかに織り込むが大事なのです。

御社は、展示会出展の際に「商談の場を作ること」に焦点をあて、デザイン会社に適切な指示を出し、有効なリターンを得ることに心血を注いでいますでしょうか?

 

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