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有望見込客を取りこぼさない、展示会での知恵

  波及営業 藤冨 雅則 SPECIAL
藤冨 雅則 SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー 代表取締役 藤冨 雅則

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタントの実務コラム。

PAK25_tokyobigsiteaozora500-thumb-764x500-3019「今回のゴールは<工場見学参加券>にしようと思うのですが、どう思います?」
 私の口癖でもある「ゴール設計」は、何をするにしてもついて回るせいか、クライアントさんからは、今回のゴールは…という言葉がよく出てくるようになります。

ここで言うゴールは最終ゴール…つまり契約ではありません。何かの仕掛けをしたときに、見込客に起こして欲しい「中間目標(ゴール)」のことです。

商談からクロージングを仕掛けて契約書に捺印してもらうゴールよりも、商談で「まずは無料でテストしてみましょう」という方が、営業マン的にも商談相手的にも心理的抵抗が軽減されます。

また、スグに契約書にハンコを押すよりも、自社の課題を解決するための勉強家やセミナーへの参加申込手続きの方が、心理的抵抗感は軽減されます。

このように営業プロセスの中で、最終ゴールである「契約」に直接たどり着く以外に、どのような「ゴール(中間目標)」を立てていったら、有望見込客を取りこぼさないで済むか…という動線を予め用意しておくことは、売上拡大チャンスを拡げて行くうえで重要な発想となります。

このような考え方は、だいぶ一般的になってきているので多くの方が「そんなことは分かっているよ」と思われがちですが…

コンサルティング現場にいくと、「知っているのと、出来ているのは違うな…」と痛感させられることが多いのが現実なのです。

とくに展示会でのゴール設計を、明確にプロセス化している会社は、ほとんど見た事がありません。

展示会で接触 → 次回のアポを電話やメール(ゴールはアポ) → 商談 → 成約

これが通常の流れではないでしょうか?

展示会の営業体制の連載をスタートさせたときも書きましたが…

「展示会って色んな人と話すから“誰とどんな話したっけ?”ってなっちゃうんです。勘違いしていたら恥ずかしいから、記憶が曖昧な人は追っかけもしないですね…」と言う営業担当者が意外にも多いのが実情なのです。

次回のアポを取る時の優先度も、営業マンの感覚頼りです。
 営業センスのよいトップセールスであれば、もちろん感覚に頼っても良いのですが…全ての営業マンのセンスに委ねるほど、上位均質なセンスをもった営業マンがいるは思えません。センスにバラツキがあると考える方が普通です。

だとすると、個人の営業センスに頼らない「仕組み」をつくる必要があります。
 いきなり電話やメールのアポイントのゴールを「商談」にもっていくのは、件数的には非現実であることが多いはずです。

展開会場に訪れたすべての来場者を相手にするのは、時間的、マンパワー的には全然足りないケースが大半だからです。

であれば、展示会に訪れた人で、見込度の高い人が進む「ゴール」、見込度が低いまたは長期商談になるような人向けの「ゴール」をそれぞれ予め決めておき、こちらから的確なアクションを起こさなくても、有望見込客が自然と抽出できる仕掛けづくりが必要となります。

冒頭に出た<工場見学参加券>は、まさにこの発想です。同社の顧客の9割は、取引前に「工場見学に来ている…」という事実がありました。

それは何故ですか?と 営業部長に聞くと、生産工程を見る事で安定供給ができるのか…をチェックしているのでしょう。という話が出て来たのです。

見せたら決まるのですか? という問いには、工場見学まで来てくれれば、ほぼ100%決まる…というので、では「工場見学に行きたい…と思われるような参加券付きのチラシ」を作れば良いのでは…アイディアに行き着いたわけです。

ただ、このようなゴールの設定は、常に「受け手の心理」を計算することが大切です。

「工場見学」というは、顧客が貴重な時間を作ってわざわざ行かなければなりません。初めての会社にいくわけですから、心理的にも行動的にもハードルが高い事は簡単に想像できます。

どうしても欲しい…でも大丈夫か? という心理状態になった人が工場見学にくるのはわかります。でも、そこまで購買意欲が高まってはいないけど、見込度は高い…という人は、反応しにくいんのではないか…と憶測を立てることができるはずです。

となると、心理的、行動的にも負担の少ないゴールを新たに立て直す必要があります。サンプル品を見れば、その精度にお客様は驚く…展示会場でそれを配ることが出来れば、社内に持ち帰って詳細検討の上、工場見学もあるだろうが、コスト的にも製造現場のリソース的にも、それは非現実的。

どうしたものか…と考えあぐねていた営業部長が次に出したアイディアが秀逸でした。

【サンプル請求】のチラシを作って、着払い伝票の宅配便伝票をその場で来場者に書いてもらおう!というのです。意思決定者が複数からむような商品ですから、会場に来た一人だけでは決めきれません。

だから持ち帰りたいのですが、台数は出せない。でも、本気で社内に持ち帰りたい…と思う人は、伝票に書く手間くらいは割いてくれるわけです。

これで有望見込客のリストが自動的に出来上がる「営業プロセスの設計」が出来上がりました。結果は、まだ集計途中ですが、途中段階でも前回出展時の270%増はいっている…とご報告を頂きました。

どうすれば、有望見込客を一人も取りこぼさない仕組みができるのか。出展コストが高額で、一人当たりの集客コストが高い展示会であれば、尚更こうした発想が必要になります。

御社では、展示会来場者への次なるアクションを営業任せにせず、仕組みで囲い込む作戦をしっかりと設計していますか?

 

【営業革新コラム】社運を賭けた商品を、どう売っていくか
藤冨 雅則

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー代表取締役

藤冨 雅則

執筆者のWebサイトはこちら http://www.j-ioc.com

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