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儲かる仕組みのポイント

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

先日、名古屋市港区にある「レゴランド・ジャパン」へ視察に行きました。

レゴランドは、ブロック玩具「レゴ(LEGO)」をテーマにした屋外型レジャー施設。ご存知のように、今年4月に名古屋港の金城ふ頭で開業したものの集客に苦労。一因に「子供料金が高い」という顧客の声があり、対応するかたちで、開業2カ月を前に実質的な値下げに踏み切りました。

レゴランドを巡っては、入場料や園内の飲食物が割高との声が依然としてあります。システムに問題があり、一度入場したら外出できない仕組みなので、レゴランド周辺に集めた飲食店への導線が非常に厳しくなっています。

この飲食街については、周辺は工業地帯であり、車で少しゆくと工業団地や新興住宅地があり「地域顧客」マーケットがあるものの駐車場代は有料1,000円。顧客目線で考えれば「高い駐車場代を払ってまで食事には行かない」ということが、来店しない理由の一つと想像できます。現在、水族館を建てているところで、今後はホテル建設の予定もあるそう、集客を見込んだ展開の途中にあります。

平日の午前中、駐車場には南は宮崎、周辺の三重、名古屋がメイン、そして湘南ナンバーの車なども止まっていて、訪日客を含め来客者の姿はありました。実際、ランド自体の価値はとてもいいな、と肌で感じました。子供たちといっしょに作った小さな小さなレゴの世界が実物大、それ以上に大きくなって、物理空間を作っている。動いている。想い出を五感で追体験できる喜びがあり、子供たちはリアル化に興奮する。実際にレゴランドは世界8つの地域で支持されているそうです。レゴランド自体には商品価値アリと考えられます。

しかし「まったく顧客目線に立っていない」のが、不振の本質だと痛感しました。

お客様に対して「冷たい」。日本的発想ですが「サービス精神がない」のです。まず、レゴランドに行くまでの看板などによるサイン表示が少ないです。立体駐車場は「箱」としては美しい外装ですが、演出するポスターもPOPももちろんディスプレイも一切なし。駐車場からレゴランド入口までのアプローチも殺風景。横断幕や装飾などありません。細胞がシュワシュワっと沸騰するような高揚感、期待感が湧き上がらない。歩けば歩くほど、テンションが下降していくのです。

レゴランドの不振は、非常にシンプルです。不振はお客様を「無視」しているからです。USJや東京ディズニーランドと比較すれば簡単にわかることです。また、今のお客様は「体験マニア」が多く、非常に感覚が肥えています。お客様を忘れている「場所」をSNSでシェアしてくれるでしょうか。さまざまな事情が重なってバタバタしながら生まれたレゴランドだそうですが、そういうことはお客様にとってまったく関係のない事情です。

むしろ「あのアプローチは、もう2回目はないな。行っても楽しくないな」という刷り込みが発生し一度そのように感じてしまった感覚を消してゆくことは難しく、それをどこかで、誰かに吐き出したくなるのも人情です。つまり、ネガティブなクチコミが生まれる環境が整ってしまう、ということです。SNSがコミュニケーション手段の一つとなっている今、非常にリスキーな状況です。

ご自身のビジネスに置き換えて考えてみましょう。

商品サービスのリニューアルの現場において、例えばレストラン、洋菓子店、工務店・・・、どんな業種業態を問わず売上利益拡大するビジネスの共通点は「お客様の目線で考え尽くしている」という点です。

これは、言葉にしてしまうと、ほんとうに軽やかなことです。米国からマーケティング手法がやって来て、日本においてもそこを起源としたビジネスノウハウが蔓延している今「顧客目線」ほど手垢がついている言葉はありません。経営者の多くは「そんなことは当たり前じゃないか!」と怒りをあらわにされたり、笑顔で「うちは大丈夫です。いつもお客様ファーストですよ」と自信に満ちたご返答がほとんどです。人の受け取り方は一人一人違いますので、怒りも自信もどちらも間違ってはいない、と私は定義しています。

大事なことは「原因」と「結果」という原理原則の中で「売上利益が下降している」という事実です。ここに焦点を当てることが最優先課題です。

社長がやらなくても、例えば、数字を紐解く士業先生に依頼することで、数字的根拠から不振の要素はリスト化できるはずです。しかし、商品サービスについての先生方のありがたいアドバイスは参考程度にしてください。その理由は、御社の商品サービスリニューアルという実務において、年から年中考えているのは士業の先生方ではないからです。「〇〇の売上利益が落ちている」という数字を見ることはできても、実務フィールドが異なる商品やサービスについては圧倒的に情報不足です。むしろ個人のバイアスがかかっています。おそらく、そのことにさえ気づかない故のアドバイスです。冷静に「想像力の圏外」ととらえるべきです。

では、24時間365日商品サービスのことを考え、その向こう側のお客様のことを考えているのはだれか。もちろん、社長もそのお一人です。見過ごされがちなのが「現場スタッフ」たちです。パートアルバイト、社員、店長、マネジャー等々職域を超えて、現場にいる方の声こそ財産です。実際にお客様と接触されているスタッフはお客様が欲しているもの、不満に思っているものが「皮膚感覚」でわかっています。

わたくしの支援は「商品サービスの売上不振の原因は、例えば〇〇なのではないですか」というカードをいくつもお出しすることです。実務経験のなかで、誰よりも圧倒的に「商品サービス」について考え、その向こう側にいる「お客様」について日々考え、呼吸することと同じくらい、意識せずとも商品リニューアルについて考え、現場に出ているプロですから、方向性の道を照らすことができます。

商品サービスのリニューアルの現場では、例えば、レストランであれば「外装内装(器)にはお金をかけられない。今のリソースを活用し収益増を」というのがミッションであるケースが多いです。スクラップ&ビルド方式で、一から作り込めたらどんなに改善につながることか、、、。そんなことは誰でもわかっていることです。そして企業にパワーさえあればできることです。しかし、それができない状況にあって、問題をお感じになって相談にいらっしゃる経営者の方がほとんどです。

では、お金をかけたからうまくいくのか。冒頭に書いた「レゴランド」は、どうでしょうか。智慧と工夫がなければお客様は来ません。お客様を本気で喜ばせたい、という想いなくして商売は成立ない、という事例のひとつです。「儲ける」を考えることは当たり前です。それ以上のパワーをもって、経営者とそこに関わってくる人すべてが、情熱を奮い立たせなければ、ぜったいにお客様の琴線には触れることはない。いかがでしょうか。お客様に対して、本気で向かいあっておられますでしょうか。

世界観をつくることです。

御社が提供する商品サービスを手にした時「お客様が喜んでいる」世界を創る、ということです。主人公はだれか。会社でも経営者でもありません。主人公はお客様です。当然、単に「モノ」をつくる、ということではありません。物理的空間(質量、重さのある世界)と情報空間(ゼロワン、ネットの世界)の両方の世界を創造する、ということです。

レゴランドはそこをしっかりと構築できていなかった。レゴブロック自体、紙メディアの広告宣伝、パンフレット、ネットでのニュース、Webサイト、SNS、家庭に入り込むツール(衣食住)、電車などの交通手段、サイン、屋外装飾、自動販売機、入り口までのアプローチ、道路(路面)、周辺環境、周辺店舗、店内&店頭販促、売り場、トイレ、スタッフ、接客態度、声のトーン、ボディタッチ等々、その全てが世界観をつくりあげるものです。

この一つ一つのパーツを分解し改善するのが商品サービスリニューアルとお考えになっている方が多く、またそれぞれの部分に特化したコンサルタントの先生方が多くいます。しかし、実際には考え方が真逆です。軸になる世界なくして部分は最適化しません。森羅万象をつくりあげることです。御社独自の世界観をつくってゆく、その道以外はありません。

世界観をリニューアルする。これは、たいへん厳しい道ではあります。が、同時に想像の翼をひろげてゆく最も楽しい実践であり、強みや差別化、唯一無二化につながっていく非常に大事なプロセスです。コンサル先生が世界観をつくるのではありません。御社独自のオリジナルメイドです。御社の中のリソース、その源泉を掘って掘って、掘り当てることです。それが、ひいては自社に儲かる仕組みを植え付け、永続的に儲けを導く仕組みとなる「希望の一歩」となるのです。

 

【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

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