社長と社員の視点をそろえる方法

  独自の人材育成の仕組みづくり 吉野創 SPECIAL
吉野創 SPECIAL

独自の人材育成の仕組みづくりコンサルティング

株式会社トゥルーチームコンサルティング 代表取締役 吉野創

社内に本物のチームをつくり、「人材育成の拡大再生産」を実現させるコンサルタント。単なる形だけの組織ではなく、中小企業にとって最も大切な、社長と社員の「同志関係」づくりを基本とした、人材育成の仕組みづくりを指導。

当コンサルタント開催セミナーがあります。


IMG_5734「どうして社員は何回言ってもわからないのでしょうか__」

先日の経営セミナーで、後日に個別相談頂いた社長からのご相談です。

「無駄な仕事のやり方をして、結局残業や休日出勤を繰り返している」
 「顧客の立場に立って考えるように言っているのに、自分本位なミスをする」
 「今から次月案件を準備しておけといくら言っても蓋を開けたら目標未達」…
社長からすれば、「なぜ同じミスを繰り返す?」という気持ちでやりきれない、というお悩みです。

社長の頭の中身はなかなか社員に伝わらないものですが、しかし、一方で社員の方では「なぜ、急に方針転換をするのか?」「なぜ、売りにくいのに競合よりも価格を高くしているのか?」「こんな無理を通そうとする、社長は現場を見てくれない__」などという思いを抱えていたりします。

様々な経営相談を受ける中で、一番多いのが人の問題ですが、その中でも「社長と社員の視点の違い」から発生する「ベクトルのずれ」が引き起こす問題が多いと感じます。

社長と社員ではそもそもの立場が違いますから、それは普遍的にある問題なのですが、しかし、それが放置され、ズレが拡大していく場合は業績悪化要因となってしまうのも事実。兆しを感じたら、早めに手を打たねばなりません。

ベクトルが揃わないという状態は、社長が「こっちに走れ」と言っているのに、違う方向に走ったり、歩いたり、止まったり、戻ったり、という社員が多くの社員を巻き込んで、いわば「逆ベクトル」を作り出します。

「逆ベクトル」とは、例えば、社長が決めた方針、戦略が現場で正しく実行されない、質と量の不足、スピードが遅い、といったケースを指します。

その場合、現場では競合に負け続けシェアを奪われたり、顧客先で重大なクレームを頻発し、売り上げを失い、経営が悪化、会社の雰囲気も後ろ向きになる、といった危機的状況を引き起こします。

こんな「逆ベクトル」の結果は社長としては、「言う通りにやらないからこうなるんだ!」と泣きたいところだと思います。

ここまでひどくはないとしても、最近、なんとなく社内に活気がない、議論が減った、会議での発言がない、意見が出てこなくなった・・・と感じる場合は、危険信号です

では、どのように解決していけばよいのでしょうか?

 

【2つの視点軸から対策を考える】

社長と社員の立場の違いを2つの視点軸で表現すると、

*未来視点と過去経験視点
 *全体最適視点と現場最適視点

ということができます。この2つの軸で考えた時、社長と社員は対極に位置する存在と言っても良いでしょう。マトリクスで表現すると4パターンです。

 

A:未来視点・全体最適視点・・・社長はここ
 B:未来視点・現場最適視点
 C:過去経験視点・全体最適視点
 D:過去経験視点・現場最適視点・・・社員の多くはここ

こう分けると、D→Aに一足飛びに社員が変化させようと思うのですが、それは無理があります。そこでまず、D→B、D→Cに動くよう、刺激を与えることが必要になってきます。

 

【過去経験視点から未来に目を向ける】

社員は仕事をしながら実績を積み、スキルや知識を積み重ね、顧客との人間関係を構築しています。それは会社の財産であることに間違いはありません。しかし、その過去の経験にこだわりすぎて、新しい仕事にケチをつけたり、自分の守備範囲以外のことに無関心になり、成長の必要性を他人事のように思っているケースです。

これには、会社とともに、自分の未来のビジョンをイメージしてもらうことが大切です。(未来のビジョンを実は社長自身も明確にしていないこともあるのですが・・・これはまた別の機会に。)

ともかく、今の業績が悪化し、経営の懸念から社員に檄を飛ばすだけに陥ってはいけません。社長は常に未来に目を向け、希望を語る事を忘れてはなりません。希望ある未来に対して、「自分もさらに成長しなければならないな〜」と社員が思うようになれば未来に目が向き、成長のムード、環境ができる可能性があります。

未来を語ることもなく、そのイメージも共有できていないなら、それは目隠しをして「とにかく、走れ!」と言っているようなもの。社員は未来に向けて思い切り走れるはずはありませんし、自分の体を鍛え、強くしようとも思わないですよね?

そもそも、我々は、何のために仕事をし、何を目指しているのか?日本や世界の環境がどう変化する、市場はどのように変わっていく、その中で顧客に提供するわが社の価値とは何か?その時のわが社の姿とはこうだ、だからこんな変化、成長をして欲しいのだ・・・このような、「未来のビジョン」を話し、共有していく努力を継続します。(対話、ミーティング、合宿など、様々な機会を使います)

最終的に、それが社員の人生、明るい未来と連結しているものだというイメージを持つことができれば、社員の仕事に対する姿勢は質的に変化していきます。

 

【現場最適視点から、全体最適視点に目を向ける】

仕事に対して真面目であればあるほど、今、ここでの心配事、問題処理で、ともかく頭がいっぱいになってしまうのが多くの社員の傾向。放置しておくと、他の社員のことや、他部署のことは考えられず自分の仕事や部署の仕事がしやすいようにと意見を通そうとする傾向が強くなりがちです。

例えばメーカーの場合、営業部においては顧客の要望を満たすために商品のバリエーションや個別対応を求めると、製造部でのラインの増設、人員の調整、スキルの教育など、対応作業が一気に増え、ミスロスや他のラインへの影響が出てしまう、などといった状況になり得ます。売れなくても、責任の所在がうやむやになったりすると部署間の関わりは悪化してしまいます。

こんな時に大切になるのは、自社の現状を客観的に見る視点です。

それは「計数から見た自社の姿」、シビアな数字の現実です。

売り上げ、粗利益、利益率、人件費に対する生産性は落ちていないか、業界平均と比較してどうかという視点で現状を把握しつつ、期首に決めた目標利益をクリアしているか?といった計数目標の共有が重要です。

「自社は試算表を毎月公開している」という会社でも、社員に計数のことを聞いてみると全く理解していないというケースが多いのは、「見てはいるけど意味やメッセージは受け取っていない」ということです。計数知識が未熟な場合、ただ見せているだけでは社員は理解しません。・・・こんな場合、私は「もし、会社が自分の家だったら」という例えでお伝えすることがあります。すると社員の理解度が全く変わってきます。

目標と実績の比較をしながら、計数という共通の物差しで着地利益をクリアするという目的のもと、部署のリーダー同士が議論する習慣が育つのです。これは、会社の利益目標という共通目標が決まっているからこそできることです。

このような、2つの視点軸からの改善方法を取り組んでいくことが有効です。

貴社では、これら2つのアプローチを「仕組み」として自動化し、社内に定着させていますか?もう一度点検してみましょう。


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【人が育つ環境づくり】 人材育成の拡大再生産を起こす経営視点
吉野創

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株式会社トゥルーチームコンサルティング代表取締役

吉野創

執筆者のWebサイトはこちら http://true-team.com/

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