トップ > コラム > 商品リニューアルにおける「売れるデザイン戦略」とは

商品リニューアルにおける「売れるデザイン戦略」とは

  商品リニューアル 古崎千穂 SPECIAL
古崎千穂 SPECIAL

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング 代表 古崎千穂

商品リニューアルに特化した専門コンサルタント。「商品リニューアルこそ、中小企業にとって真の経営戦略である」という信念のもと、商品の「蘇らせ」「再活性化」「新展開」…など、事業戦略にまで高める独自の手法に、多くの経営者から注目を集める第一人者。常にマーケティング目線によって描きだされるリニューアル戦略は、ユニークかつ唯一無二の価値を提供することで定評。1969 年生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

商品サービスにおいて、また周辺の販促ツールに関して、「売れるデザイン」と「売れないデザイン」があるのか、それともないのか。

これは、最近ご相談を受けた案件です。ある飲食業界に強い大手コンサルティング会社から「デザイン済」として提供された販促ツールで、まったく現場で使えなくて途方にくれている、とのことでした。お持ちになられたPOPやチラシは、文字を様々な大きさに変え、色をつけ強弱をつけ、商品情報を流し込んだだけのものでした。

こうしたツールは売上に貢献するばかりか、むしろ商品イメージを傷つけ、何も生み出しません。考え尽くされていないものは「デザイン」とは呼ばず「レイアウト」と呼びます。

このIT時代、だれもが簡単に、言葉や図柄を配置処理できるようになりました。よってレイアウトレベルのものを「デザイン」とうたって仕事をされている方がとても増えています。シンプルに定義すれば、デザインとは本来「商品価値を上げる」ものです。無味乾燥の「モノ」に、デザインを施すことで、その商品が「気になる」「いいね、と思う」「好きになる」「欲しくなる」または「使いやすくなる」「ずっと好きでいる」「愛着がわく」という価値を生み出してゆきます。それがデザインです。

先ず、自社がデザインの価値を正しく認識しているかどうか。そこからスタートしなければなりません。「最近はデザインもネットで頼めば、安くて早くて良いよ」とおっしゃる経営者の方が時々おられます。考えて欲しいのは、ファストフードとおなじように、そうしたデザインには必ずその理由があります。自社の価値を上げているのか、下げているのか。その視点を持って点検してください。実は、こうしたことがジャッジできない、苦手だというご相談も案外多く、コンサルティングの中でお導きしております。

上記のようなデザインの前提をクリアした上で、商品戦略においてパッケージから販促ツールにいたるまで「売れるデザイン」と「売れないデザイン」があるのかないのか・・・。デザインに関しては著名な方々がそれぞれの定義をお持ちです。

例えばクリエイティブ部門からみれば当然「ある」とお答えになるでしょうし、マーケティング部門では「売れるデザインなどはない。仕組みで売るんだ」とおっしゃるのではないでしょうか。

また、男性目線、女性目線を研究されているプロフェッショナルから見たら「男性に選ばれるデザインと女性に選ばれるデザインがある」という表現にもなります。ある経営者からみれば「デザインに売れる売れないはない。自分が売れると思ったら売れるんだ」という言い回しで表現される方も。

お客様はどうでしょうか。一般的に、人は「目に見えるカタチになったときに初めて好き、嫌い、欲しい」と感じるものです。事前にヒアリングしても「こういうデザインが欲しい」と答えられるのは、ごく一握りの人です。ニーズをさぐる、といってもデザインにおいては難しい面があります。

90年代半ば、わたくしは年賀状印刷トップメーカーの企画会社におりました。その会社では膨大な顧客受注データから毎年売れ筋商品の分析をしておりました。年賀状は「絵柄」と「雅趣文字」の2つのパーツからなるシンプルな商品です。デザインこそが勝負です。特徴的なことは、売上ベスト5はほぼ毎年不動であり「みんなが好き」というデザインがある。その逆の「好かれないデザイン」というものもある、そう皮膚感覚で体得していきました。

一方、一見売れているデザイン(数字的にも根拠がある)にも注意が必要です。例えば、前職の洋菓子メーカーでは、トップ層から「ショコラのパッケージはこの絵でデザインして」と、モチーフが与えられる場合がありました。好みでありマーケティング的な根拠はありません。デザイン部門が苦労して処理しつつ「どうみても売れない」という商品が出来上がることもありましたが、それでも店舗がなんとか売ってしまう。会社の勢いと幸運が働けば、結果「良く売れた!」という数字的な事実だけが残るケースもあります。みんなに「好き」と言ってもらい売れ筋のトレンド商品も蓋を開けてみれば真っ赤っか、、、ということもよくある話です。

素直に考えてみれば、事業経営に正解がないように、デザインにおいても「正解はない」というのが現場におけるわたくしの実感です。「デザインも考え方次第」「数字だけではその本質がわからない」ゆえに、ビジネスの現場において「これが売れるデザインです!」と断言することは非常に難しい。世の中に出回っているデザイン戦略においては、ある局面から「断言」し、それぞれの考え方を喧伝しているのではないでしょうか。

教科書通りにはゆかないビジネスの現場において、わたくしども商品リニューアルで着眼するのは、お客様の視点で「嫌われる要素はとりのぞいてゆく」ということです。その時には商品テストも必要です。直近の、人が支持しているもの、していないものの傾向=トレンドをみていくことも必要。その上で、経営者が「どうしてもこれで行きたい」と想いを強められ見切り発車することも時としてあります。

つまるところ、泥臭く、作り手側は必死に「お客様が欲しいデザイン」をお客様目線になって作ってテストして、世に送り出し、検証改善する。どのような道を進んだとしても、数字的な裏付けを基本とし、できることをすべてやる。結果を検証し、売れなかったらリニューアルしていく。売れれば更に改良し強い商品にしていく。

商品リニューアルにおける売れるデザイン戦略は、

  • 商品価値を上げるデザインを施す
  • お客様に嫌われる要素を減らしリニューアル
  • 商品テスト、リリース、検証、改善

という3ステップを繰り返すことで、それができるようにお導きしていきます。デザインも日々変容であり完成形はありません。

ビジネスを俯瞰し、コンセプトを再設定し「自社流・売れるデザインの法則」を作り上げる。一般論ではない、御社オリジナルの商品戦略を策定していくことが要請されています。

 

当コンサルタント開催セミナーがあります。

【社長直轄】商品リニューアルの着眼点
古崎千穂

商品リニューアルコンサルタント

りぼんコンサルティング代表

古崎千穂

執筆者のWebサイトはこちら https://rbnc.jp/

当社の関連商品を販売しています。
月刊誌(無料)登録フォーム

×