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働き方改革に取り組むなら、徹底的にやる

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

働き方改革に取り組むなら、徹底的にやる

官僚の仕事の一つである国会での野党議員の質問対応。日英ともに議員は72時間前に質問内容を通告することになっています。

英国では時間通りに通告があるのに対して、日本では多くの場合、前日の夜遅くに通告されます。結果として英国では16時には仕事を終えるのに対して、日本の場合は泊まり勤務も珍しくなかったそうです。

これは、日英両国の財務省で勤めたご経験のある柴山和久さんが日経新聞に書かれていたコラムの一節にありました。(「日経新聞・人間発見」より)

いくら優秀な財務官僚といっても、72時間前に質問内容が提出される場合と前日の夜遅くに提出される場合とでは、対応できる範囲が異なります。

その影響として、役人の残業時間が増えるだけでなく、英国:国会での議論は中身の濃い見応えのあるものになる、日本:準備不足の大臣が立ち往生し、失言が出るのでは、国民にとって良い結果につながりません。

日本の場合、ルールが一応定められていても、本音と建前を上手く使い分けて、明文化されていないルールが主に運用されていることがあります。これは、会社の中でも同じです。

本気で残業時間の削減に取組むなら、単に、「残業をする時には上司への届出制とする」とか、「終業時間になったら、一斉に職場から退出させる」というだけでは生ぬるいです。

マネジメントが上手くできていない上司が、部下が抱えている仕事の量と質を正確につかんでいるとは限りません。また、会社から外に出させられても、まじめな社員ほど、会社の外で時間外労働に従事するだけです。

一方で、残業時間を減らすことで、一時的に売上が下がるかもしれません。そして、時間のかかる仕事を就業時間に沿っていったん中断することで、お客さんからのクレームが増えることだってあります。

それでも、その結果を経営者がすべて飲み込んで、仕事のやり方やあり方そのものを変革する覚悟があるかどうか。仕事のしわ寄せは一番弱いところに来ます。

先の国会答弁で言えば、国会でパフォーマンス合戦を繰り広げる政治家の先生ではなく、まじめに仕事に取組む役所の人たちに影響を及ぼします。提出期限を超えて出された質問は一切受け付けないといったように、自分たちで決めたルールを徹底する覚悟がないと、改革は中途半端に終わります。

会社では、やはり現場の最前線にいる社員に大きな影響が出てきます。以前とは違って、会社に対する忠誠心もどんどん希薄になっています。そして、社長が想像している以上に社員たちは、社長の一挙手一投足に目を凝らし、耳をそばだてています。

働き方改革をやるなら本気でやる。今すぐに理想の状態が実現できないのなら、明確な目標を定めて、期限を決めてやる。中途半端な改革はかえって会社を混乱させるだけです。

 

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