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社長の仕事をダイエットして、ボトルネックの壁を乗り越える

  成長支援部づくり 岩井徹朗 SPECIAL
岩井徹朗 SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社 代表取締役 岩井徹朗

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

社長の仕事をダイエットして、ボトルネックの壁を乗り越える

「人に依頼する資料を作っている時間で、プレゼンの資料ができちゃうんですよね」

ある会社で、社長の仕事をどのようにしてダイエットしていくかという内容で打合せしている時、社長から思わず出た一言。実はこのセリフ、社長に仕事が集中している会社ではよく耳にします。

取引先に出す資料を作る際、何を、どこまで、書くかによって、会社の売上に大きく影響してくる場合があります。そして、社長が優秀であればあるほど、商品の全体像が分かっているのが社長だけであることも少なくないため、大事な資料はすべて社長が作るという状況が生まれています。

もちろん、創業当初であれば、ある程度仕方ありません。けれども、創業から3年、5年経っても、いまだに大事な資料を作れるのは社長だけという状況は問題です。その際、当の本人である社長がおっしゃるのは、冒頭のセリフのように、時間的な効率性を勘案すれば、人に任せるよりも自分でやった方が早いし、より良いものができるということです。

特に最新の技術的な要素が入っている商品の場合、その技術の本質や可能性を深いレベルで分かっているのは社長だけであることがよくあります。そして、社長からすれば、社員に教えても、難しくて理解してもらえないので、イラつくということも少なくありません。

しかし、どんなに手の早い社長でも1時間で作成できる資料の枚数は限られています。このため、資料の提出先が10社、20社と増えていった場合、社長は朝から晩まで休む間もなく、働いているのに、社員はそんな社長の姿を横目で見ながら、資料ができるのを所在なげに待っているといった状況に陥ります。

もちろん、いきなり社員が社長のレベルに追い付くのは無理です。けれども、商品の提案書であれば、たとえ相手先が違っても、共通する内容の部分があります。そして、提案書の構成であれば、序論-本論-結論といったように、いくつかの組合せからできているはずです。

日本の家電がいま一つ振るわない理由の一つとして、モジュール(部品)の発達があります。つまり、昔は日本が職人の技術力でテレビや掃除機など、高性能・高機能な商品を製造していたのに対して、現在では職人技を凝縮としたようなモジュールがいろいろできてきたので、それを複数組み合わせることで、誰でも、すぐに、しかも安価に高性能・高機能な商品ができるようになっています。

もしかすると、職人が作ったものと、単純なモジュールの組合わせで作ったものとでは微妙な差があるかもしれません。しかし、今はスピードが重視され、かつ消費者の嗜好も多様化している時代。微妙な違いを出すために研究開発を続けるよりも、早めに市場に出して、すぐに改善を重ねた方が結果的に売れる商品になります。

これと同じように、提出する資料についても、社長の職人技にいつまでも頼るのではなく、現在使っている資料を内容・項目毎に分類してモジュール化する→モジュール化した資料を組合せて、初期バージョンを作る→初期バージョンを精査して、各モジュールを改良する→改良したモジュールを組合せて、バージョンをアップするという手順を踏むことで、現時点では社長の頭の中にしかない知識やノウハウが、会社としての知識やノウハウに進化していきます

社長に仕事が集中していると、会社の成長の観点からは、社長がボトルネックになります。社長としては、社内で一番頑張っているのに、自分がボトルネックになってしまうのはなんとも我慢ならないことだと思います。

人に自分の仕事を教える時、最初のうちは時間もかかるし、面倒くさいので、途中で嫌になるのは誰でも同じです。その時期を乗り越えて、社長がボトルネックとなる状況を回避するのか、やはり、社長がボトルネックとなる状況に留まるのか。

先憂後楽。より上のレベルを目指す社長さんには、ぜひ自分の仕事を計画的にダイエットして、ボトルネックの壁を乗り越えてほしいと思います。

 

【総務の革新】成長支援部づくりで業績を伸ばす経営視点
岩井徹朗

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社代表取締役

岩井徹朗

執筆者のWebサイトはこちら http://www.basis01.com/

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