社長がブランドものを持つ意味とは?

印象マネジメント「プライムイメージ」コンサルタント
株式会社プライムイメージ 代表取締役 山川碧子
印象マネジメント「プライムイメージ」のスペシャリスト。 社長個人はじめ、企業や事業部門を対象に、高度な印象マネジメント戦略を指導する専門コンサルタントとして活躍。主に、商品や物体、空間…を対象に行われるブランド戦略に対して、人物や服装、表情、所作…などに対しての、顧客が感じる印象に焦点を当てた、戦略的な施策指導を行うのが特徴。企業の業績向上に多大な貢献をしている。
「社長がブランドものを持つって、どうなんでしょうかーー」
ある経営者の方がコンサルティングの最後に、こんな質問をしてきました。同年代の方と比べても服装や立ち居振る舞いへの意識も大変高い方で、普段のスーツや鞄などにも相当なこだわりがあることを感じさせます。その方が、敢えて「ブランドもの持つ」ことを質問するとは、何があったのか?何を求めているのか?を考えずはいられませんでした。
今の時代、こだわりどころは人それぞれであり、一時よりもブランドものを持つステイタス性は確実に薄れていると感じます。私自身がアドバイスするときも、「エグゼクティブだからといって、ブランド品を持つ必要はない」「ブランド名よりも自分が気に入った質の良いものを持つことが大切」と、お伝えしています。
結局は、ご自身が気に入ったのであれば、ブランドものでも、それ以外でもまったく問題はない。一流と呼ばれるブランドものを持つことで何かしらの自信がもてるのであれば、それもOK。間違っても有名ブランドだからという理由で、気に入りもしない高価なものを買うのは「ムダ」です、ということです。
この経営者の方が聞きたかったのは、さらに一歩進んだ視点。
「年齢や立場を考えると質の良いものを持つようにしている。とくに鞄は質の良いものを探すと、結局、ブランドものになってしまう。ひと目でブランド名がわかる商品が多くて、それがトップにふさわしいブランドかわからない」とのことでした。
ブランドの「格」が経営者として、今の自分にふさわしいものかどうかーー。それを気にすること自体が、相当意識が高いのは間違いありません。伝統あるものを持てば安心かといえば、正直言って落着きすぎている。かといって若々しさを意識すると、軽すぎる気がする。自分が持つものとして、ふさわしいのかどうか、その判断に迷うとのことでした。
その一例として、仕事仲間が持っている鞄のブランド名が出ました。やはりそれはトレンド傾向が強いブランドであり、流行を追った若者が持っていてもおかしくないもの。果たして、それを年齢と経験を重ねた経営者が持っていていいものだろうか?と常々、疑問を感じていたという声に、私自身も納得しました。
まずは自分が気に入ったもの、これが大切です。そして、今の自分の立場にふさわしい「格」のものか。これも重要なポイントです。50代の社長がアメリカのカジュアルブランドを持ってオフィシャルな場に出るのはおすすめできません。そのギャップを狙っていくこともありですが、ちょっとこちらはワンランク上のテクニックです。
また、忘れてはいけないのは、確実にその方の持ち物をある判断材料にする個人や職種は確実に存在することです。ビジネス中心のアイテムならば、「好き」だけでなく、「見られている」その視点も必要になります。
ありがちですが、初対面の人に後から、「あのルイ・〇〇トンの社長」と説明されるのは、絶対にNG。これではブランドものを持っているのではなく、ブランドに“持たれている”ことの表れです。
社長がブランドものを持つ意味とは何か?――
安心、自信、象徴、格式、伝統、余裕、創造性etc・・・その意味はそれぞれ。
ですがブランドものは、社長が“持つもの”であり、決して“持たれて”はいけない。
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