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顧客リスト1件の価値を知る方法

  社内独立店開 西江力 SPECIAL
西江力 SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング 代表取締役 西江力

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。 自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

あなたの店には顧客リスト、顧客名簿はありますか?

この質問に対し、「いや、私の店は小さいし、お客様の情報も集めにくいので特に必要ないでしょう…」と考えている経営者、店長はすぐに考えを改めてください。 

私に言わせれば、小さな店舗ほど、顧客情報をしっかりと集める必要があります。特に、一度でも店舗を利用したお客様の情報は今後貴重な財産となります。それをもとにお客様と密な関係をつくりあげなければならないのです。この先、今までよりももっと顧客との関係性を深く濃くしないと絶対に生き残れません。 

これまでにさんざん言われていることですが、今後はお客様が確実に減っていきます。人口減少はその大きな要因の一つであり、それに加えて今や人生100年時代と言われるほどの超高齢化社会となりつつあります。 

そうなると高齢者の方々は自分が想像するよりも長く生きる可能性が高く、さらにお金を使わなくなります。その代わりに若年層が消費活動を活発におこなえばいいのですが、もともと低欲望な傾向に加え、年金など社会保障の将来的な不安も重なり、積極的にはお金を使いたがっていません。それと相反するように市場ではモノやサービスがあふれ、多様化し、自店と競合する相手は増えています。 

つまり今後は新規のお客様を獲得することが非常に困難になるということです。ということは、既存のお客様の価値が相対的に高くなり、そのリピート率を上げることが最重要課題となってくるのは火を見るよりも明らかです。

この点、やはり顧客リストがないことにはまったく話にならないのです。リピート率を上げるには、今、自店にはどういうお客様がいるのか、が把握できないと手の打ちようがありません。ですから、どんな店でも顧客リストを持つ必要があるのです。

こう言うと必ず「私の店は集められない…」「どうやって集めれば…」という店舗が出てきます。確かに店舗によっては集めることが難しいことも考えられますが、近年ではIT技術の進展により、様々な手が打てます。またITを使わずとも知恵と工夫により顧客リストを集めることは可能です。

まず一番基本的な顧客情報の収集方法は、紙のアンケートに住所氏名欄を設け、記入していただく方法です。古典的ですが今でも十分使える方法です。飲食店などで良くテーブルに置いてあるのを見かけますね。ただ、ほとんどの飲食店は置いているだけで、スタッフからは何の説明もないことが多く、かなりもったいないと感じます。特典を付けたうえで、なおかつスタッフから記入のお声掛けをするだけで回収数はアップします。

その他の方法ではメルマガやLINE@、Facebookやインスタグラムを使った顧客情報の収集です。この場合は、顧客の詳しいデータが手に入るというよりは、メールアドレスやLINE IDなどの軽めの情報になります(お客様が情報を公開している場合はその限りではありません)。しかしこちらからアプローチできるツールですので活用するメリットは非常に大きいといえます。

基本的にお客様は、自分が好きな店には自分のことを知ってほしいと思っています。アンケートやメルマガ、LINE@などでリストが集まらないのは、収集のやり方はもとより、お客様から自店が支持されていないということもありえます。その場合はまず自店の運営をまず見直さなければなりません。その状態で無理やりリストを集めても「ザル状態」で何の効果もないでしょう。

ちなみに顧客情報1件を金額にするといくらくらいになるのでしょうか。「これが正しい算出方法」というものはありませんが、妥当なのは顧客生涯価値を基準に算出する方法でしょう。顧客生涯価値とは、ざっくり言うとお客様がその店舗の顧客であった期間中にどれくらいの利益をもたらしたかというものです。

これもさまざまな算出方法があります。基本的には粗利や営業利益をベースに考えればよいでしょう。例えば、店舗の平均利用年数が5年、平均年間利用回数が10回、1回あたり粗利が1万円であったとすれば、

5×10×1万円=50万円(粗利ベース) 

となり、その店舗の平均顧客生涯価値は50万円、顧客情報1件あたりの金額も同様となります(かなり簡易計算です)。これまた簡易計算ですが、店舗にリストが100件あるとすれば、顧客リストの資産価値は5000万円ということになります。 

しかも工夫次第でその価値はもっと上がります。一人一人に対するアプローチを細かく分けることで来店頻度や客単価が容易に向上するからです。顧客リストには無限の可能性があると言ってもいいでしょう。 

その逆で、リストも何もなければ、常にチラシをばらまいたり、広告を掲載することでしか集客ができません。効果はあるかもしれませんが、その時限りの行き当たりばったりとなり、積み重ねることが困難です。チラシなどの集客方法は、顧客に対する施策と並行してやることで効果が最大限に発揮されるのです。

顧客リストは店舗ビジネスの核となります。その積み重ねこそが店舗の資産であり、生命線なのです。これはどのような店舗でも当てはまる原理原則となります。経営者の皆さんはこのことを忘れず肝に銘じていただきたいと思います。

 

今週の店舗最盛への道
西江力

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング代表取締役

西江力

執筆者のWebサイトはこちら http://strbrain.jp/

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