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社内プロジェクトは、なぜ成果を出せないのか。経営計画書は、なぜ活用されないのか。そこに共通する根本原因とは?

  年商10億事業構築 矢田祐二 SPECIAL
矢田祐二 SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング 代表取締役 矢田祐二

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

当コンサルタント開催セミナーがあります。

「数か月前に幹部会をつくって、私抜きで議論をしてもらっています。」
業務効率化サービスを広く展開するS社長からのご相談です。
年商10億に向けた事業モデルは出来、次はその展開を支えるための組織づくりに移る段階です。管理者にも一つステージを上がってほしいという思いが有ります。

矢田はお聞きしました。「いかがですか?」

社長は、耳を強く触りながら答えます。
「上がってくる報告や議事録を見ると、不満ですね。思ったほどの成果はなく、期待したほどの盛り上がりも有りません。」

このような幹部会や委員会というプロジェクトが上手くいかない理由は一つしかありません。それを確認させていただくことになります。


多くの社長が、何かしらのきっかけを得て、経営計画書というものに手を付けます。
経営者団体の合宿に参加した。
融資を受けるために作成した。
税理士さんの力を借りて作成した。

そして、その多くの経営計画書は、それ以降日の目を見ないことになります。
期首に社員を集め発表したが、今では誰も会議には持ってきません。銀行に提出したものを、社長自身もそれ以来開いていません。

経営計画書を作成した会社の9割は、それを活用出来ていません。
その結果、社員の不信感をかえって強くします。彼らは、口には出しませんが「経営計画書は、どうなったのか?」と思っています。

そして、もっと不幸なことが起きます。
「経営計画書をつくっても何も変わらない」、「経営計画書は役に立たない」と、経営計画書そのものの評価までが下がっているのです。これほど嘆かわしいことはありません。

なぜ、経営計画書を作成した会社の9割が、その活用で失敗しているのか。
その答えは明白です。
経営計画書を作成したその9割の会社は、間違った経営計画書を作成しているからです。

経営計画書は、大きくは二部で構成されます。
一部は、「設計」です。

経営計画書の一部は、「儲かる事業の設計書」となります。
どのような事業を行うのか。どんな課題を持った人をターゲットとするのか。何を特色とするのか。集客はどうするのか。価格政策はどうするのか。
これらの全てが書かれています。
社長として「こうすれば儲かる」という事業の設計や方針を載せます。社長は、この設計書を『創り』込む過程で、その構想を練り上げることができます。

そして、この設計されたものを実際に『造る』ために、多くの人に協力を依頼します。管理者も社員も、この設計書を読めば、自分たちが何をつくるのかが解ります。明確なイメージが持てるのです。
どう戦えばよいのか、そして、どれぐらいの規模とスピードなのか、イメージが持てます。そして、この事業の社会的な意義の大きさにやる気も起きます。

経営計画書の二部は、「儲かる事業をつくる計画書」となります。
どこから手を付けるのか。誰がどの役目を担うのか。いつまでに、どれぐらいの資金を投入するのか。実際に「造る」ための書となります。

経営計画書は、必ず二部で構成されます。
一部は「設計書」、二部は「計画書」です。「創る」と「造る」です。

これを英語で表現すると良く解ります。
「Design」と「Project」となります。

経営計画書を、「Management plan」と訳すると全く間違ったものになります。
Management :管理 plan:計画
正確に訳すれば、Business design & project となります。

ビルディングを設計する段階は、「創る」であり、「Design」です。
どんな企画のビルにするのか。どんなデザインにするのか。そして、どんな構造にするのか。そのビルディングが儲かるかどうかは、この「創る」段階で大方決定します。

そして、それをゼネコンに発注します。ゼネコンは、預かった設計図を実際に造るために、計画を立てます。多くの業者を集め、プロジェクトを進めます。そして、その過程を管理します。定期的に会議を開き、進捗の確認をします。予算と実績の差を視ています。
それにより、創られたものが、現実のものとして造られることになります。

そのビルディングが、実際に儲かるかどうかは、「創る」段階で決定しています。
その創りが悪いと、いくらゼネコンが良い施工をしても儲かることはありません。創りが良ければ、例えゼネコンの施工が悪くても、儲けることはできます。

社長の役目は、「創る」ことです。
管理者や社員の役目は、「造る」ことです。
「創り」が良ければ、管理者や社員の出来が多少悪くても、儲けることができます。逆に「創り」が悪ければ、管理者や社員がいくら優秀でも、儲けることはできません。

社長の役目が、大変な理由がここにあります。
創るには、答えがありません。社長が決めたことだけが答えです。その社長の質の良い答えで、儲けが倍増します。会社の成長のスピードは大きくなり、その会社と言うプロジェクトに参加した管理者や社員が潤います。

ナンバー2以下の管理者やすべての社員には、答えがあります。プロジェクトにも、ゼネコンにも、明確な造るものがあります。何に全力を向かわせるのか、社長が決めて、命じる必要があります。それにより、プロジェクトに命を吹き込みます。

社長は、経営計画書の一部に儲かる事業の構想を書き表します。
そして、経営計画書の二部において、それを実現するための計画を載せます。
一部でしっかりその構想が描かれること。そして、二部でしっかりプロジェクトの計画が出来ていること。
それにより、社長が描いた通りに儲かる事業を造り上げることができます。

正しい経営計画書は、必ずDesignとProjectの二部構成になります。
正しい経営計画書は、活用されることになります。管理者や社員に納得感と判断軸を与えることになります。その実現の精度とスピードも高まります。また、異変をいち早く発見できます。

社長は、正しい経営計画書の作り方を身に付ける必要があります。道具として使いこなす必要があります。
正しい経営計画書を身に付けた時に、大きなビジネスをつくることができます。より沢山の管理者や社員、協力者に、動いてもらうことができます。複数の会社を経営することもできます。

社長が、小さな家を望むなら必要はありません。その場その時に、口頭で指示を出せばよいのです。しかし、望むものが大きなビルディングなら、正しい経営計画書が必要となります。正しい経営計画書無しに、大きなビジネスも大きな組織も、そして、大きな儲けもあり得ないのです。

間違った経営計画書では、それの代用にはなりえません。
経営者の想いを多く綴ったもの。それでは、どう儲ければよいのかが解りません。
実行予算や収支計画だけではいけません。儲かる事業の設計があって、これらは初めて活きてきます。

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多くの企業が、「委員会」を立ち上げています。
多くの社長が、「幹部会」という場に期待を寄せています。

このプロジェクト方式は、非常に使い勝手が良いものです。分業され現状稼働している組織を壊すことはありません。役職を越え、優秀な社員を活用することもできます。短期間にある特定の成果を得ることができます。そして、それに参加した人に参画意識と成長の機会を与えることになります。

このプロジェクト方式は、上手に取り入れることができると、大きな成果を得ることができます。

しかし、このプロジェクト方式という手法も、その原則を抑えていないと全くツマラナイモノとなります。それは、大きく二つあります。

一つは、「明確な目標があること」。
どんなチーム、どんなプロジェクトにも、明確な目標が必要です。
自分たちは何を成し遂げるのか。
・秋のフェアを企画する。見込客を〇社集める。
・新サービスの仕様を検討し、社長に提案する。
達成するもののイメージが明確に描けることが、まず絶対の条件です。

そして二つ目は、「計画があること」となります。
その目標達成のためのプロセスが、計画書となっています。いつまでに、誰が、何をするのか。その計画の進捗を確実なものにするために、定期的に会議を開きます。会議では、進捗と次の予定の確認がされます。また、起きる課題の解決がされます。

この明確な目標と計画が、絶対にプロジェクトには必要です。

冒頭のS社の幹部会には、明確な目標がありませんでした。
毎回集まると、お互いの感じている会社や部門の課題を発表します。そして、その解決のための意見交換を行います。そして、解散します。その繰り返しです。

彼らには、自分たちで何を解決するのかという決定権はありません。それを社長に提案するという発想もまだ持てていません。
そのため、「集まって課題を共有する」だけのプロジェクトになっていました。
目標が無ければ、計画もできません。会議をする理由もありません。

S社長は、そのプロジェクトに目標を与えました。
明確な目標が、幹部達にやる気と行動を起こさせました。通常業務の間に集まり、議論を重ねます。計画書には、役割分担と期限が載っています。社長へは、定期的な報告と意思決定を求める提案が来ます。

「彼らには、申し訳ないことをした。」S社長は上機嫌です。
「プロジェクトというものの使い方を、掴むことができました。これはいいですね。」

明確な完成形のイメージとそのためのプロセスが、チームには必要です。
プロジェクトにも、会社にも必要です。
それが有って初めて、プロジェクトも会社も、適性に機能することができます。
それが有り、初めてその力を忌憚なく発揮してくれます。チームとして、有機的に変化し、相乗効果を発揮します。

多くの企業では、それが無いために、多くの人が彷徨っています。
停滞は、明確な目標が無い、または、理解できていない時に訪れます。

社員は、明確な「造る」ものが見えるとすごい力を発揮します。
社長は、「創る」のが役目です。
その役割分担をしたのが、組織です。

我々は、その責任を果たすことを求められています。

 

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年商10億円への経営視点
矢田祐二

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング代表取締役

矢田祐二

執筆者のWebサイトはこちら http://www.yssc.jp/

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