オンラインで優れたコンサルティングを活用する!

業務自動化を成功させるポイント

SPECIAL

業務自動化コンサルタント

株式会社みらいアーチ・コンサルティング

代表取締役 

IT・業務設計を含めた経営的な観点から施策・戦略を自動的、且つ継続的に推進させる「業務自動化」の第一人者。「業務自動化」をITツールの側面からだけでなく、10年以上にわたり30社以上への経営コンサルティング経験から編み出した、大きく生産性を向上させる「仕組み」として組織にインストールし、定着させていくことで定評。

■業務自動化とは一体何か?

業務自動化導入のコンサルティングやセミナーに興味を持たれた社長から「業務自動化って何の自動化ですか?」という質問を受けることがあります。

確かに業務自動化という言葉、最近チラホラと色々なところで見かけます。しかし、「何を」、「どのように」自動化するのかということについて、はっきりとした定義があるわけではありません。

試しに、業務自動化でGoogle検索してみるとRPARobotics Process Automation)を活用したパソコン上の単純作業の自動化や、AIロボットを活用した製造装置の自動化が検索に引っかかってきます。概ね、ITAIといった情報テクノロジーを活用して人間が行っている業務の一部を代替していくことを業務自動化と呼んでいることが分かります。

このようなテクノロジーを活用した業務自動化は、令和時代において確かにとても重要です。なぜなら、令和時代は、働き盛りである生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が今からたった40年間で約6割にまで減少していくからです。ですから、業務自動化を実現して、今と同じ人数で、もしくは今よりも少ない人数で、今と同じか今以上の成果を上げられるようにすることが求められています。つまり、業務自動化をして、1人あたりの労働生産性を圧倒的に高めることが必要なのです。

しかし、「何を」、「どのように」自動化すれば、会社の労働生産性を高めることが出来るのでしょうか?

この質問に、はっきりとした回答を提示している所は殆どありません。この曖昧さは、「業務自動化とは何か?」という定義がはっきりと提示されていないことが原因なのです。

■社長から見た業務自動化とは何か?

「業務自動化とは何か?」を考えるときの大切な視点は、「何のための業務自動化なのか?」を考えることです。

会社にとって効果のある業務自動化とは、「会社全体」の労働生産性を高めることが目的でなくてはなりません。まず、ここを履き違えるとせっかくの投資が無駄に終わってしまいます。

例えば、ある会社の営業事務の担当者Aさんのパソコンの単純作業をRPAによって自動化した場合を考えてみましょう。確かにRPAを使って自動化することによって、Aさんの作業の大部分が自動化できたとしましょう。

しかし、営業拠点の統廃合が起こり、業務の集約化によって、Aさんの営業事務の仕事が無くなってしまい、Aさんは総務部に異動になったとしたら、いかがでしょうか?

この場合、残念なことにAさんのパソコン作業の自動化への投資は無駄になってしまいます・・・

このように、業務自動化を何も考えないで進めると部分最適化されてしまい、投資が無駄になってしまう恐れが常にあります。

業務自動化を考えるときには、会社全体の全体最適の視点から、「何を」、「どのように」自動化するべきなのかを検討することが重要です。 

この時に、中堅・中小企業にとって、間違いが少ないのが、社長から見た業務自動化とは一体何なのかということから、検討を始めることです。

社長視点になってみると、新規事業や売上アップの増収施策の推進に対して、10回の指示を出さなくてはいけなかったものが、1回とか2回の指示で取り組みが推進するようになることも業務自動化と捉えることができます。また、業務の標準化のような業務改善が、自主的に進むというのも社長から見れば業務自動化なのです。

このように、社長視点での業務自動化とは、必ずしもITAIを活用したものである必要はありません。そして、社長視点での業務自動化は、短期的に会社全体の収益性を高めていく近道でもあるのです。

更に、社長視点での増収施策や業務改善の推進力が高まってはじめて、ITAIを活用した業務自動化をより効果的に、無駄が少なく、現実のものとすることが可能になります。

全体最適を促すような本当に効果のある業務自動化を実現しようするときには、この「視点」を誤らないこと、そして、正しい「順番」で実現していくことが極めて重要となります。

2019/6/7

コラムの更新をお知らせします!

コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。