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SPECIAL

マインドポジション経営コンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

マインドポジション経営コンサルタント。社員と顧客の心に占める貴社の位置づけ―「マインドポジション」をアップし、業績向上を目指す仕組み構築のスペシャリスト。30年にわたる中小企業のブランディングと組織開発の経験を背景に、マインドポジション経営実践プログラムをオリジナル開発。時代に合わせて組織を刷新したい経営者や、2代目、3代目社長、社員の力を引き出して社内の体制を再構築したい経営者に高く評価されている。新しい切り口に基づく事業の見直しと組織の再開発を通して業績の2ケタ成長を実現するなど、持続可能な企業の成長に向けた力強い支援に定評。株式会社マインドポジション経営研究所代表取締役

「やはり、出てきましたね」と思いました。そして「考えた人、えらい」と思いました。それは、毎月、毎月、まじめに賃貸住宅の家賃を払い続けると、20年、30年後には自分のマイホームになっているという商品。新進のベンチャーが販売を始めています。

昔も今も変わらぬ「賃貸派」vs「持家派」という議論。日本人は「一国一城の主」志向が強いから、持ち家信仰が強い。欧米人は、家を資産と考え、住みながら丁寧にメンテナンスしながら、頃合いの良いタイミングで売り、次の家に移る。いや、家を持つなど束縛に等しい、身軽な人生を送るためには賃貸が一番いい……。

住む場所を所有するか借りるかという選択は、国民性と関連づけて語られるほど普遍的なテーマです。そして、それはほとんどの人が「どちらかを選択しなければならない」案件だと考えていました。

社会人になったばかりは会社が借り上げたワンルームマンションに住み、結婚したら、もう少し広い2LDKの賃貸に住み、子供が小学校に上がる前、郊外の分譲地に持ち家を建て、そこで一生を暮らす。こんな人生が日本人の定番だとしたら、多くの人が30代から40代くらいの間に賃貸から所有への「大転換」を経験することになります。

ところが、「賃貸と持家は二者択一ではありません」というサービスが現れたのです。「それがどうした?」と思われるかもしれませんが、これは結構一大事です。絶対に両立しないと思われていたものが、両立することになってしまったからです。

ところで、なぜこの2つは「両立しない」と思われていたのでしょうか?

素人ながらに推測すると、物の所有は固定的に決まっているという考えにあるのではと思います。賃貸住宅の所有権は大家さんにあるから、使わせてもらうにはレンタル料を払うのが当たり前。そのレンタル料は掛け捨て保険のように、毎月毎月大家さんの懐に入っていく、と。

その考えがあまりに強くて、「掛け捨て保険のようですけど、貯金です。お得でしょ?」と言われても、にわかには信じられないという事態になるわけです。

そういうつもりで見回してみれば、同じようなサービスは、自動車を含むその他の高額商品でも既に存在しています。毎月レンタル料を払っていくと、時満ちて、晴れて所有者の権利を獲得することができます。

割賦販売も一見、同じように見えます。たとえば100万円の楽器を買った。でも一時では払えないので、10ヶ月ローンにして1か月10万円ずつ払った。でも、不思議なことに、この場合、ローンを支払っている10か月の間、その楽器を「借りている」という感覚はありません。

人の感覚というのは、その大きな部分、思い込みでできています。会社の中で同じ環境で仕事をしていると、その思い込みが当たり前になってしまい、それを超えたところにある新しい世界に気づかないということになりがちなのです。

アイデア創出法の文献を紐解くと、「新しいアイデアは古いアイデアを結び付けることから生まれる」と書いてあります。そして、結び付けるアイデアは、関係が遠いものであるほど新しいものを生み出しやすい、とも言われています。

従来、二者択一、絶対両立しないと思われていたものを同時に実現しようとすると、新しいアイデアが生まれます。そのときにちょっとした考え方のコツがあります。

それは、例えば、時間軸を長くとるということや、従来の取引には存在していなかった第三者を関与させるということです。

冒頭の賃貸住宅がマイホームになるビジネスも、支払いのスタートから所有するまでの時間軸を長くとり、そこに投資家という第三者を関与させることで実現したビジネスモデルです。

貴社の事業の中で、どうしても両立しない2つのものがあったら、ラッキーと思ってください。そして、それが両立した状態をまず想像し、その実現のための方法を考えてみることをお薦めします。

ビジネスはクリエイティブだと思う瞬間です。ぜひ一緒に考えましょう。

 

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