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VOL3. どうして10年なのか?

  10年顧客化・CRM 齋藤孝太 SPECIAL
齋藤孝太 SPECIAL

10年顧客化・CRMコンサルタント

株式会社 SIS 代表取締役 齋藤孝太

初来店の時から、10年顧客に育っていってもらうための社内体制をどうつくるか…。再来店してもらい、熱烈なリピーターに育つ確率…を5%、10%、確実に引き上げる仕組みづくりを指導。

Fotolia_80234795_L10年顧客が増える企業は「10年を意識する意味を理解している」。
たどり着けない企業は「なぜ10年を意識する必要があるのか理解が薄い」

10年顧客戦略では、文字通り10年間を一つの区切りとして大事にしているのですが、どうして1年ではなく、3年ではなく10年なんだろう?と疑問を持った方も多いでしょう。

VOL3ではそれについてお話します。大きく3つの理由があります。

まず1つ目の理由は、お客様のライフステージの変化です。人は20年経つとライフステージが大きく変わっている場合が多いです。

 

・同じ人でも自分が20歳の時と40歳の時では好きなブランドが変わっていることが多いでしょう。私は大学生から27~28歳までマルイさんによく行っていましたが最近は殆ど行かないですね…。

・子供を持つ女性の場合30歳(子供3歳:幼稚園前)と50歳(子供23歳:社会人)では子育てにかかる時間が大きく変わり、自由になる時間が増えてライフスタイルが変わります。私の母親は45歳を前に仕事をはじめて、行動範囲が広がり、洋服のブランドも変わっていきました。

・男性の場合、35歳と55歳では仕事の役割・地位、年収も変わる場合が多いですよね。自動車、時計といったステイタスを表すブランド、商品を購入するお店は変わることが多いでしょう。

 

お店がいくら努力しても、お客様のライフステージが大きく変わるので、20年通い続けてもらうことは難しい現実があります。ただ、10年であればライフステージに変化はありつつも、お店の対応・努力でお客様に通い続けてもらえる可能性があります。

ライフステージの変化に伴う引っ越しもお店離れの原因になります。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、一生涯の内で引っ越しをする回数は、男性が4.5回、女性が4回とのこと。

ということは、平均年齢から逆算すると、平均20年に1度くらいは引っ越しをすることになります。引っ越しをせずに同じ場所にいる20年の中に、10年間お店に通ってもらうことは可能ではないでしょうか。

 

続いて2つ目の理由は、お店の「現場感覚」です。

10年顧客と似た言葉に「生涯顧客」という言葉がありますが、一部の高単価商品(自動車・ジュエリー・バイク・高級時計・高級ホテル・高級ブランド等)を扱っているお店を除くと、経験上、お店の現場の皆さんが現実味を感じてくれない、実現をイメージいただけないことが多かったです。

例えば、20代中心のブランドを扱っているアパレルショップでは、生涯顧客は合わないですよね…。基本的には40代のお客様が着られる商品がないですから。ただ10年であれば、10年顧客であれば、お店の現場感覚から納得してもらえます。10年通っているお客様が実際にいて、思い浮かぶからです。

実は、高単価商品であっても、やはり生涯顧客という言葉から、現場の皆さんからファンタジーと捉えられてしまうこともありました。お客様満足(CS)の捉えられ方と少し似ています。「理想的にはそうだよね…」という感じです。現実とは距離がある形で捉えられてしまうのです。

ただ10年顧客であれば現実的です。ファンタジーとして捉えることもありません。実際に高単価商品のお店では、10年間通っているお客様が一定数いるからです。

多くのビジネス、多くの企業では、10年顧客、10年顧客化は、理想的でありながら現実的なイメージを現場に持ってもらえます。さまざまな事業・ブランドを展開しているグループ企業でも、グループ統一で10年顧客化を顧客・販売戦略の中心に据えることも可能です。

 

最後の3つ目の理由は、「大手チェーンの対抗策」です。

大手チェーンと比べて規模が小さい企業では、広告宣伝・お店の規模で見劣りするために、売上アップのために、同じお客様に何年もずっと通ってもらう必要があります。そこで10年という大手チェーンでは設定しない長い時間を一区切りとした顧客・販売戦略を進めることが大事です。

10年顧客化を進めて企業では、大手チェーンとの差別化に成功し、実績がアップした事実をいくつも目のあたりにしてきました。3年間で顧客数が50%増えた企業もありました。7年後に売上が倍増したお店もありました。

大手チェーンの顧客・販売戦略は、月・四半期・半期・1年で考えられており、会計単位(1年)を跨いで考えることは稀です。実際に顧客分析を詳細に実施している大手チェーンさんに「10年通い続けているお客様は何人ぐらい、いますか」と聞いたことがあるのですが「数えたこと、ありませんね」ということでした。10年という時間軸で考えていないのです。

また、大手チェーンと比べて規模が小さい企業は、実際、同じお客様に何年のずっとお店に通ってもらうことが得意なことが多いです。10年間通っている馴染みのお客様がよくいます。

ある地元のショップさんでは、10年顧客の8名は一人当たり10年間合計で1000万円を超える売上をもたらしてくれていました。年間100万円です。すごい金額ですよね…。

そんなお客様を増やしていくことが唯一、大手チェーンと比べて規模が小さい企業がこれから成長していく鍵になります。規模と価格という大手チェーンが優位な点を意識しすぎて、思考停止に陥って動けなくなる…。そうならないようにすることが大事です。自分達だからできること・得意なこと、大手チェーンが継続できないこと・苦手なことを大事にする必要があります。

 

「10年顧客戦略」はその一つの答えです。

10年顧客戦略の導入を考えている経営者(事業責任者)の皆さん、従業員に10年顧客のお話をする時に、ぜひ今回紹介した3つの理由を参考に、お話ください。

1年ではなく、3年ではなくなぜ10年なのか、その理由を理解いただけます。

【10年顧客づくり】お客様育成を進める店舗ビジネス経営者の視点
齋藤孝太

10年顧客化・CRMコンサルタント

株式会社 SIS代表取締役

齋藤孝太

執筆者のWebサイトはこちら http://www.sisys.jp/index.html

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