「それはダメ」を言ってしまったら、結局何も変わらない。 | 日本コンサルティング推進機構

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「それはダメ」を言ってしまったら、結局何も変わらない。

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、あるところでお会いした社長と世間話をひとしきりした後、業界の規制の話になりました。社長いわく「うちの業界は規制が厳しくて、何をやってもダメ」と。「でも、若い人たちのなかにはこんな取り組みをしている人もいますよ」と言っても、聞く耳を持たず「ダメダメ」と仰る。

あまり「ダメダメ」言われると、こちらも話す意欲を失って会話はフェードアウト。「まぁとにかくよろしくお願いします」と要領を得ない挨拶で別れました。

業界経験の長い人のなかに時々、何を言っても「それはダメ」「あれはダメ」と仰る方がいます。「で、あなたは何をなさるのですか?」と尋ねると、答えが返ってこない。

今週号の日経ビジネスに面白い記事が載っていました。ピンチをチャンスにするためには4つの技術があると。その筆頭が長期的なビジョンを持つということ、です。目先の状況に動揺することなく、目指すところに視点を合わせて、今できることから考える。

逆にピンチをチャンスにできないパターンは、目の前の状況に動揺して何もできなくなること。慌てふためいて、現実に絶望して、自信を失い、何かをしようというモチベーションや、自分が何事かを成し遂げられるという意識もなくなってしまう。

そう考えると、危機を乗り越えられるかどうかは、心の持ちようにかかってくるということになります。先述の社長の例では「規制があるからダメダメ」というのではなく、どうなっている状態が望ましいかを展望し、そこから今できることを考えるという方式の方が理にかなっています。押してダメなら、引いてみな、です。 

そこでまた思い出したのが、「若者、馬鹿者、よそ者」のお話し。行き詰まった状況を打破して新しい展望を開くためには、経験のない若者、空気が読めない馬鹿者、その土地や業界のことをよく知らないよそ者の力が必要、と。 

つまり、その世界で「あたりまえ」のことに疑問を持ち、偏見や先入観のない視点で現状の問題点や改善すべき点を臆面もなく指摘できる人の方が、突破力があるということです。

もちろん、先入観がないだけに的外れな発言で先住民を怒らせる場面もあるわけですが、そこは大きな心で許容した方がよさそうです。なぜなら、現状の袋小路を突破して望ましい未来を追求するというゴールは共有しているからです。

同時に、若者、馬鹿者、よそ者の側にも謙虚さが必要です。その無防備な発言はいつ地雷を踏むかわからない、にも関わらず、先住民たちは笑って許してくれているからです。

以前、ある大企業の重役が「若手社員の力を引き出すにはどうすればよいか」という議論のなかで、「古株は若手にもっとチャンスを与えよ」と言った後、「同時に若手は謙虚になることを覚えないといけない」と付け足していたのを思い出しました。

年齢が違っても、そこは人と人との関係なのです。フラットな関係とは、ため口をたたいていいということではなく、若手は古株の経験と知恵に敬意を表し、古株は若手の新しい発想と知識に敬意を表するといった具合の相互リスペクトがあることを指すのでしょう。

さて、冒頭の社長ですが、「ダメダメ」という言葉の裏には、自分を超える発想を、若者、馬鹿者、よそ者が出してくることが怖かったのかもしれません。だからそんな事態になる前にダメダメ攻撃でブロックをした。その心の内が理解できれば、ダメダメの壁を突破する方法も見えてくるかもしれません。 

人の心は複雑ですが、基本はリスペクトです。そしてラポールが生まれ、本音の話ができる。社長と社員、社員同士、そして社員とお客様の間にも同じ原理が働きます。そしてこの人と人との関係がうまく回り始めると、お金も回りはじめる、これは私の持論です。

人とお金のサイクルを回すために、ぜひ一緒に考えましょう。

 

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