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社内に必要なのは「社長の分身」ではなく「社長へのご意見番」

SPECIAL

成長支援部づくりコンサルタント

ヒーズ株式会社

代表取締役 

会社の大元となる「総務」を革新すれば、すべての事業部に影響を与え、顧客志向になり、驚くほど業績が伸びる。経営者が着手すべき、「成長支援部づくり」を指導。

社内に必要なのは「社長の分身」ではなく「社長へのご意見番」

「『社長の分身』を作りましょう」

このような趣旨のメールを最近受け取りました。

お忙しい社長であれば「社内に自分の分身がいたら、もっと仕事が楽になるのに」と思われているかもしれませんね。

しかしながら、私は「自分の分身なんて社内に要らない」です。なぜなら、私のように面倒くさいやつが社内にいたら、もっと仕事が面倒くさくなるからです(笑)!

一方で、仕事に関してちょっと迷った際、「これ、どう思う?」と質問した時に、しっかりと自分は「私はこう思います!」と意見が言える人は欲しいと思います。つまり、自分と同じ思考回路で同じ答えを言う人ではなく、自分と違う思考回路でオリジナルの答えを言える人なら欲しいと感じます。

自分の意見に何でも賛成するYESマンは要りませんが、価値観や考え方が違っても同じ結論になるなら、それはそれで意味があります。また、仮に自分とは違う意見を言われても、市場のニーズが多様化している中、「なるほど、そういう見方もあるのかなぁ」という新たな気づきになります。

したがって、自分のコピーである分身は欲しいと思いませんが、自分とは違うが自身の意見を言える相談相手は欲しいという訳です。

弊社は仕事として「社長専任の社外チーム」を編成し、孤軍奮闘される社長の相談相手という役目を担っています。その際、よく言われるのが「客観的な視点から意見を言ってくれるのがありがたい」ということ。

先日も先代社長からいろいろ指摘を受けて「どうしてこんなことを言われるのだろう」とちょっと落ち込んでいた社長さんに、「第三者の立場から見ると、すごく良いアイデアだったので、先代は少し戸惑われているように感じます」「会長としての考えというより、父親としての意見が出ているかもしれません」と申し上げました。

すると、その社長さんは「もしかすると、そうかもしれませんね」と捉え方を少し変えることで、またやる気が出てきました。

社内では社員はどうしても社長に忖度するので、社長の考え方や意見に真っ向から反対する人は少ないのが現状です。このため、我々のような外部の人と定期的に打合せするというのも解決策の一つです。

しかしながら、社外の人の場合、社内にいる社員さんに比べると、「ちょっと意見を聞きたい時にすぐ打合せできる」という点では物理的に時間的にも、自ずと限界があるのは事実です。

やはり、孤軍奮闘中の社長にとっては「自分とは違うが自身の意見をしっかりと言える相談相手が社内にいる」ことがより理想に近いのではないでしょうか。

そこで、弊社では新たに「社長の相談相手を社内に作りたい」という方向けに新しい人材育成プログラム「考トレ」を始めました。

社長の相談相手になるためには会社の状況についてある程度把握しているのはもちろんのこと、「お金」「マーケティング」「マネジメント」という会社経営の基本について、最低限必要な知識やノウハウを身につけておくことが求められます。

いわば、相談相手にになるための土台の部分。土台がしっかりしていないのに、自分の意見を言っても、残念ながら話が噛み合いません。そこで、OJTでもなく、従来の幹部社員研修とも違う形で、「お金」「マーケティング」「マネジメント」の基本が学べる内容になっています。

先行きの読めない複雑な世の中で会社を持続的に成長させていくには、「共通の土台の上で多様な意見を取り込んで方向性を決める」というプロセスが欠かせません。その際、求められるのは社長の分身やYESマンではなく、しっかりと自分の意見を社長にも言える社員の存在です。


なお、「考トレ」の概要は「こちら」をご参照ください。

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