IKEAやニトリがどうして繁盛するのか?(2) | 日本コンサルティング推進機構

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IKEAやニトリがどうして繁盛するのか?(2)

SPECIAL

住宅・工務店コンサルタント

株式会社 家づくりの玉手箱

代表取締役 

住宅・工務店コンサルタント 。規格住宅を高付加価値化させ、選ばれる工務店となる独自の展開手法「シンボルハウス戦略」を指導する第一人者。
営業マンとして自分が欲しいと思わない住まいをお客様にお勧めする仕事に疑問を持ち、ある工務店でどうしても家を建てたくて転職、鹿児島へ 。15年間で173棟の住まいづくりをすまい手目線で担当。そこから編み出された、選ばれる工務店となる具体戦略を、悩める中小住宅会社ごとに実務指導中。

ある方から「IKEAやニトリが繁盛するのは、工務店がダメダメだから」と厳しい一石を投じていただきました。 また、その方は「大塚家具は残念やった。本物になれたかもしれないのに…」ともおっしゃっていました。 会員制である代わりに本物の生活提案ができる企業を目指して欲しかったそうです。

これまで耐久消費財の代表格であり続けた『家具』ですが、現代ではどんどん短期消費化しているとも思えます。 生産や流通の見直しやグローバルにプレーヤー再編が進んでいるところは、若かりし頃に身を置いていたアパレル業界とも通じるものがあります。(当時の強敵レナウンも姿を消すことになってしまいました)

IKEAには繁盛する理由が他にもいろいろあります。個人的にも大変お世話になっているのでそう思うのです。 あの、迷路のような総延長の長いショールーム(生活シーンを提案する展示スペース)の順路は、テーマパークのようでなんとなくワクワクして楽しいものです。しかも順路が決まっていて一方通行なので、しっかり見ておこうという心理が働き続ける気がします。そしてもう2度と逢えないかもしれないと、カートに余計なものまで入れてしまうのです。 誠によく設計されているのです。

 

↑IKEAお馴染みの迷路のようなショールームの順路(わかりにくいですが近道もあります)

 

↑ショールームのディスプレイ(明るすぎず住んでいる家のような雰囲気があります)

 

↑ショールームのディスプレイ(ベッドの下の空間に座ってみる “体験” を上手に促します)

IKEAのショールーム

ショールームのディスプレイは、様々なアイテムを組み合わせて部屋感を演出しています。特に “建築屋さん” が弱い、キッチンやベッドルームの密度の高いディスプレイとその世界観は新鮮です。

会社の業務として完成物件の見学会や写真撮影のためのしつらえや、個人的な買い物として娘の部屋用の買い出しなどで福岡や東京周辺の店舗にはかなり通いましたが出かける度に新しいアイテムがあって、いつも脱線し長居してしまうのでした。

 

↑何気に外国っぽいディスプレイのアイデアがあちらこちらに

 

↑キッチンまわりも小物の組合せパターンも豊富で勉強になります(そして安い!)

 

毎回余計なものを相当量カートに入れてしまうのですが「え、そんなもん」というぐらいプライスが安いのです。

北欧っぽい綺麗な合板の製品などは、合板そのものの材料費より製品価格の方が安いのでは?というぐらいのものもあったりします。わりとDIYで作ってしまう私ですが、とても作る気にならないぐらいコスパがいいのです。おそらく大量生産や計画生産はもちろんのこと、端材は小物にしたりして無駄のないオペレーションで流通しているのだと思います。そうして「安い安い」と言いながら結果的に予算以上の支払いをすることになります。

 

↑ホームセンターで買う材料代より安い!圧倒的なプライス設定

 

↑フライパンだけでもこんなにあるとディスプレイ用備品を選ぶのに最高です

 

IKEAの商品倉庫

2階にあるショールームをぐるぐる廻って満載のカートを押しながら1階に降りていくと、高い天井を持つ巨大な商品倉庫にたどり着きます。大物は品番や倉庫内の在庫の置いてあるアドレスを控えておいて、ここでピックアップするのです。IKEAの商品の多くは組み立て式になっていて、大物もコンパクトな箱に入って在庫されています。なので、箱はコンパクトですが中身がぎっしりで見た目より重い箱ばっかりです。

 

↑こちらもお馴染みIKEAの商品倉庫(ここでまた相当うろうろすることに)

 

↑天井の高い商品倉庫の実際の景色

 

サービスの進化

初めて会社の業務でIKEAに買い出しに行く時は「なんで休みをつぶしてこんなことまで自分でやらないといけないのか」とブツブツ言いながら、鹿児島から最寄り(といっても福岡)のIKEAまで日帰りで往復したものです。帰りは色々な箱が満載で後ろが沈んでバックミラーも全然見えない状態でした。

ひとりで完成物件用のひと揃えを買い出しに来ていると、キチンと入れても大きなカートが2台満載になってしまい甚だ動きにくく「爆買い」な感じが恥ずかしかったものです。 途方に暮れて休憩していると同じような人がまあまあ居て、声をかけたりかけられたりしました。巨大な店舗には次々に色々な人が訪れてくるのです。何を買っているのか?何のために買っているのか?様々な事情が面白いのです。さながらNHKテレビの『ドキュメント72hour』みたいな体験です。

以前はオンラインストアもなく、とにかく自分で行って、選んで、買って、運んで組み立てないといけませんでした。最近ではオンライン通販はもとより商品倉庫内の商品ピックアップサービス、大量でも格安で定額の配送サービス、組み立てサーブスなど、知らない人とカート脇でブツブツ言っていた頃になんとかならないかと思っていたことが次々とレギュラーサービスに組み込まれ実現していっています。お客の不満を捉えて常に研究しているのでしょう。

「そりゃ売れるわ」率直な感想です。

 

↑これを発見した時は嬉しかったです

 

工務店経営者が意識すべきこと

IKEA売上げの一角を思った以上にプロユースが占めているようです。プロも一般の人と同じ店で同じ価格で物を買っているのも最近の傾向です。単に物の仕入れ価格に利益をのせて買ってもらう商慣習の範囲は確実に狭まっています。それ故に利益は明快な付加価値で稼がないとならなくなってきたということだと思います。

元々営業マンであった私ですが、そんなこんなで何回となくIKEAに通っているうちに、使える使えない、高い安いなど物の良し悪しが見えるようになってきました。また、何がしか生活を良くする欲求を持って足を運んでくる人たちを目の当たりにしていて多くの気づきがありました。

「なんで自分がそこまで…」と思って渋々始めたことでも ”ある視点” を持って取り組めば、見えない何かがその人だけにそっとヒントを教えてくれるのです。

 

あなたの会社では完成見学会の際にどのくらいしつらえをしていますか?その際に生活する楽しさを色々とシミュレーションしてみる事にトライしていますか?

 

 

 

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