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製造業とロボットビジネスの違いとは?

SPECIAL

メーカー専門の技術戦略コンサルタント

株式会社 ものづくり戦略研究所

代表取締役 

メーカー専門の技術戦略コンサルタント。装置を見るだけで、性能から不具合、余力まで判る事から、「装置のお医者さん」と称される。経営トップ層と設計・生産の現場を繋いで、儲かるものづくり、売れる製品開発を指導。

RAPIRO

ロボットビジネスは、製造業ではない?

通産省のホームページを見ると、ロボットは、「 製造業・ものづくり 」の分野ではなく、「 人間工学・情報処理 」の分野に入っています。

製造業の経営戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略・・・も、必要ですが、今のロボットビジネスで要求されている事は、企画を形にする「 ものづくり戦略 」です。

「 こんなロボットがあったら良いなぁ・・・。 」と夢見る事は出来ても、それを形にして、ビジネスとして成立させなければ単なる趣味です。ロボットを動かすくらいなら、キットでも出来ます。

 ロボットの開発が困難を生じる理由

ネットワーク、アプリケーションの開発なら、パソコンが有れば出来ます。電子工作なら、ちょっとした回路とソフトが有れば遊べます。

ロボットは、多くの高い技術が融合されたものですが、難しいのは技術だけではありません。それらをまとめる事が出来る、リーダーの存在です。

今までの製造業は、マネージメントを勉強したリーダーが、教科書通りの工程管理で形が出来ました。スペシャリストと呼ばれる専門職数人の工程を管理すれば仕事になりました。

今、求められているのは、複数の分野にまたがる専門家をマネージメントできるリーダー。ジェネラリストと呼ばれる人の存在です。

ロボット市場に求められている企業

ロボットに関心のある企業さんと話をしていると、ある工程の企業が圧倒的に少ないのが判ります。

それは、

商品として、形にする。

という、企業です。

形あるものを作るには、それだけの予算も必要です。
高度な技術を求めれば、さらに予算が必要になります。

そして、白紙から設計できる技術者が減ってきた今になって、商品企画から製造までのマネージメントを求められているのですから、経営者側も技術者側も困難を生じるのは当然です。

ロボットビジネスに参入するには、今までの製造業と異なる文化が必要になります。

同一性を求める日本文化から、違いや多様性を認める事が出来る企業文化、社会文化を構築していく事が必要です。

今、参入できる企業は、共創文化を持ち、ジェネラリストが存在するチャレンジ企業です。

保守的な企業、お友達組織や派閥文化を持つ企業は、空中分解しますから、もう少し、市場が体系付けられてからの参入をお勧めします。

付加価値の違い

製造業に求められている付加価値は、

課題や問題点を解決する。 という、負の価値。

でしたが、ロボットビジネスの場合は、

企画を形にする。     という、正の価値。

「 無くても良いけど、なんか良いよね。 」という、感動が付加価値になります。

成長市場が存在している今、それを逃す手はありません。市場の勢いを追い風にして、事業を躍進して頂きたいと思います。

 

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