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『家電』の後を追う『住宅産業』

SPECIAL

住宅・工務店コンサルタント

株式会社 家づくりの玉手箱

代表取締役 

住宅・工務店コンサルタント 。規格住宅を高付加価値化させ、選ばれる工務店となる独自の展開手法「シンボルハウス戦略」を指導する第一人者。
営業マンとして自分が欲しいと思わない住まいをお客様にお勧めする仕事に疑問を持ち、ある工務店でどうしても家を建てたくて転職、鹿児島へ 。15年間で173棟の住まいづくりをすまい手目線で担当。そこから編み出された、選ばれる工務店となる具体戦略を、悩める中小住宅会社ごとに実務指導中。

家電の選択に悩むお施主様たち

これから新築をというお客様から「新しい家に置きたい家電製品ってないですよねー」というお言葉はよくいただきました。

確かに最近買える国産の製品はデザイン的に妙な主張があったり、多機能感を醸し出すピカピカ発光するパネルがあったりして選びづらい印象については全く同感でした。そういった声を反映してプラン的に家電を隠したり見えにくい位置に配置したりすることもありました。また、一方ではあえて外国製のクラシックで単純な機能のものや、国産でも単身用のシンプルなものを選んでもらったりすることもありましたが、やがて買い替え時期がやってくることもあり実際には頭の痛い問題でもありました。

自宅に見学に来られる新築をご検討のお客様の中には「どんなのを置いたらいいか、見に来ましたー」というような方も少なからずいらっしゃいました。

しかし、見学し始めるといつの間にかそのテーマは忘れてしまう事が多いのでした。自宅の家電は「ほとんど普通ので一部ちょいこだわり」ぐらいの感じです。デザイン的にはそれほど見本になるようなものではありませんし、特に隠す置き方でもないので普通に見えています。が、いざその場所を見るころには皆さんスルーしてしまうのです。それは、随所に目線の抜けるところがあったり、他に妙に気を引く変な物が多かったりするからかもしれません。笑

 

↑最近の自宅のキッチン家電まわり(いろいろかたまっている割にはまわりに馴染んでいます)

 

家電量販店にて

というような事がよくありましたので、家電量販店にはちょくちょく新製品をリサーチに行ったりしていました。以前は「白物家電」※と言われた冷蔵庫や洗濯機は、もはや白いのを見つける方が大変なぐらい「色物家電」になっています。

※白物家電:白物家電とは 家庭内の家事の労力を減らしたり、あるいは生活に密着した家電製品の一般名称。生活家電や家事家電ともいわれる。普及し始めた当初は娯楽家電(黒物家電)に対し筐体の色が白いものが多かったことからこの名前で呼ばれるようになったようです。

このコラムのトップの画像は家電量販店に行った時のものです。ずらりと並ぶ「ドラム式洗濯機」が一瞬、建ち並んでいる最近の住宅のようにも見えます。

お客様が「新しい家に置きたい家電製品ないですよねー」と言われていたとおり、確かに選びづらい…店員さんは「皆さん価格とスペックで選ばれますから」と言われるのですが、これだけ似たり寄ったりだったら「価格とスペックで選ぶしかないやろ」とも思ってしまいます。

 

↑家電量販店の売り場では冷蔵庫もPOPだらけで、もはやメーカーもデザインもクソもない感じです。

 

 

白物家電のような住宅

最近の住宅にも、この傾向はあてはまるのではないかと思うのです。「白物家電」 とダブるところがあるのです。1950年代以降『三種の神器』と言われた【テレビ(白黒)・洗濯機・冷蔵庫】などの家電製品は広く普及して、もはや「コモディティ」※となっています。そんな「白物家電」と似て見えるということは、住宅も一部でコモディティ化している現れと言えると思います。

※コモディティ:経済学において、完全または実質的な代替可能性を持つ経済的価値またはサービス。誰がそれらを生産したのかに関係なく、市場はその商品価値を同等かほぼ同じとして扱うもの。元来、鉄鉱石、砂糖、米や小麦といった穀物などの原材料を指していたが現代ではコモディティ化と称し、根幹資源、農作物、鉱業生産品や化学品やコンピュータメモリなど大量生産された製品にも拡がってきている。

「誰がそれらを生産したのかに関係なく、市場はその商品価値を同等かほぼ同じとして扱うもの」

という表現は衝撃的です。これは、価格競争と著しい利幅の低下を意味します。同時にそれ相応の量産体制と原価低減ができなければ太刀打ちできない事も、日本の家電や半導体に携わる産業界が物語っています。どうしても現場で生産活動をしなくてはいけない住宅にかかわる事業では、こちらの世界には行きたくないですよね。

しかし、住宅において全てがコモディティ化することはないものと思います。なぜなら、住まいの質は色々な意味で満たされていないからです。まだまだ根本的なレベルです。にもかかわらず、注文住宅にまでコモディティ系のものが目立つ現状では家電同様「価格とスペックでしか選べなくなっている」ようにも見えます。

 

『小なれど一流』を目指すつくり手がなすべき戦略は「まだまだ多々あります」と、いつも申し上げています。 最近の住宅に見えてくる早すぎるコモディティ化の気配も、はっきりそう言える「所以」です。

 

御社では、自社の商品を何で選んでいただいていますか?お客様が感じ続けられる永続的な課題解決で選ばれていますか?

 

 

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