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目新しいサービスが出てきたら、背後にあるパターンを読み解いてみる

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

10年くらい前から外国人のインバウンド需要に期待した「医療観光」が流行ったことがありました。高度な日本の医療を受けて致命的な病気を早期に発見するという結構シリアスな要素と、日本のディープな観光を楽しむという明るい要素を組み合わせた富裕層向けの観光パッケージ。当初は「そんなのありか?」と思ったのですが、少なくない数の医療機関が全国各地で展開していたのを見ると、「大いにあり」というビジネスであったようです。

同じパターンがコロナ禍のワクチン接種にも登場、というニュースが最近の新聞に掲載されていました。ワクチン接種と観光を組み合わせたワクチン観光パッケージ。もちろん日本ではなく地続きで国境が接する大陸の話しですが、ワクチンが潤沢にあれば不可能ではない話です。

経緯は、コロナ対策で大量に輸入したワクチンが余ってしまった。これを何とかしたいというときに、気づいたのが周辺諸国でのワクチン不足。単純に考えれば、ワクチンを再販するとか寄付するとかいう発想になるのですが、弱ってしまった国内観光を活性化させたいという願望と結びついて、「ワクチン接種観光」が登場した、ということらしいのです。

日本人的なモラルがふと頭をもたげると、「それ、人の弱みに付け込んだ悪しき商売ではない?」とストップがかかってしまうところ。「いやいや、そうじゃないですよ。だってワクチン、余ってるんですから」という当事者の声が聞こえてくるような気がします。

考えてみると、ワクチン接種と、そろそろ外に出て思いっきり羽を伸ばしたい願望は、両方とも現時点において非常にニーズが高い。砂漠で水を売るかのごとく、需要はわっと湧き出てくるはずです。

医療観光ビジネス、ワクチン接種ビジネス、その構造を紐解くと、通常は別の箱に入れて検討される2つのニーズをワンパッケージにしたものであることがわかります。医療やワクチン接種といった特殊なサービスを、旅行という、より一般的なサービスと組み合わせたものになっています。そして、両方のサービスともに、誰もが「お金を払って購入するもの」という認識を持っています。だから組み合わせたときに利益を生み出しやすい。

同じようなフレームワークで新しい商材は考えられないでしょうか。

考えやすいのは、自社の商品・サービス+社会課題の解決、そうです、今はやりのSDGsの視点です。

ワクチン観光パッケージは、【旅行商品(自社サービス)】+【集団免疫の獲得(社会課題)】というフレームに落とし込むことができます。これを、たとえば、飲食店に適用したら、【地元の魚介類を使った飲食提供(自社サービス)】+【海岸のごみ拾い(社会課題)】で、「海の豊かさを守るための意識づけイベント」などできそうです。

ただ単なるごみ拾いでは、お金を払っていただけないので、そこにゲーム的な要素を加えるなどして「お金を払ってもらえる」工夫をする必要があります。とすると、自社だけでは難しいのでイベント会社とコラボ…のような発想が出てきます。パートナーシップを旨とするSDGs的な展開です。

新しいサービスが生まれるたび、その背後にあるパターンを見つけて、他に適用できないか考えるのは楽しい作業です。多くはIT活用によるビジネスモデルの変革や、収益化のための広告モデルの採用といったところに落とし込まれがちですが、そうでない革新的なパターンも見つけたい。

自社の商材に何かをプラスすると、その両者の合計以上の新しさが創出できる。その発見を仲間や社員を巻き込んでやっていけば、人の創造性を引き出す相乗効果も見込めます。ビジネスはクリエイティブです。ぜひ一緒に考えていきましょう。

 

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