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温故知新の新サービス開発戦略

SPECIAL

マインドシェアNo.1ブランドコンサルタント

株式会社アトリオン

代表取締役 

国連が提唱する「持続可能な開発目標」SDGsのフレームワークを活用し、顧客にも社員からも永く愛される「マインドシェアNo.1ブランド」確立のための社内体制を構築する。会社の哲学、商品・サービスの優位性を明確にし、社員の意欲を引き出して、顧客のファン化を後押しするスペシャリスト。顧客と社員の双方の満足を循環させるES-CSチェーンを土台に、競合との圧倒的な差別化をはかり、会社のステージを上げたい企業から絶大な支持を集めている。

先日、仕事がらみのお話しの後の雑談で、SDGsの話題に及んだ時のこと。「確かに昔はそうだったよなぁ」とある方が言いました。何が「そうだったか」というと、容器のリサイクルについてです。

年がばれますが、子供の頃の牛乳と言えば、牛乳屋さんが毎朝届けてくれるガラス瓶入りのものだった記憶があります。朝まだ暗いうちに牛乳屋さんがカチャカチャ言わせて牛乳瓶を配る風景は、三丁目の夕日のような古き良き日本の情景と重なります。ペットボトルなど登場する以前の、今よりのんびりしていた時代のことです。

「醤油も豆腐も、家からビンや鍋をもって店に買いに行った」とその方。つまり醤油や豆腐の製造者は容器までは提供しておらず、それらは家庭の責任で用意していた、と。

SDGsや環境意識の高まりのなかで、従来の容器のリサイクルという範疇を超えた、さらにエコな容器の循環をはかる動きが登場しています。ペットボトルを回収して再生して原料に戻し、それをまたペットボトルに成型したり、Tシャツなどの服に生まれ変わらせたりするのは、いまや普通の話し。

それとは別にあるベンチャー企業が循環型の容器活用システムを開発し、アメリカやヨーロッパで普及し始めました。日本でも一部始まっているとか。

再利用可能な容器を各メーカーがかっこよくデザインして、それに飲料やお菓子や洗剤などを充填して販売。中身を使い終わった消費者が容器を返却すると、洗浄してメーカーに返却し、また充填して消費者に販売するという循環型のサイクルをつくるというものです。

使い終わった容器はゴミにならないので、環境に良いし、何よりごみ捨ての手間が省けて主婦も嬉しい。ゴミの分別が厳しくなってから、ペットボトルもアルミ缶もガラス瓶も、こうした容器に入った商品を購入するたび、捨てる手間が脳裏をよぎって若干面倒な気分になりました。

容器を洗浄するときの水はどうなるのとか、本当にそれはエコなのか、とかいろいろ議論はあるとは思うのですが、ここで言いたいのは別のこと。すなわち「温故知新」で新しい事業の切り口を見つけるのは、結構有効なやり方ではないかということです。

牛乳瓶という資源が貴重だったころは、回収して洗浄して再利用するのが最も合理的な方法でした。ところがペットボトルという便利な容器が登場して、消費者側に容器を扱う主導権が移りました。捨てるもよし、リサイクルに回すもよしとなったのです。

そして、地球資源が永遠ではないという事実が明るみにでると、リサイクルよりさらに環境負荷が軽そうな、回収、洗浄、循環というシステムが登場した。そして、この新しいシステムを俯瞰してみると、なんと三丁目の夕日の時代の牛乳瓶循環システムと本質は同じ、ということに気づくわけです。

といってもすべてが同じではありません。容器を循環させるのは、牛乳販売店やメーカーではなく、第三者のベンチャー企業。そして容器には耐久性に加えて、デザイン性という付加価値が添えられ、循環型社会に貢献するという社会的意義も加わって、消費者に新しい満足感を提供するものになっています。

本質は同じ、でも、これからの消費者が喜ぶような付加価値が加わっている。この構造は、容器だけではなく別の事柄にも応用できるのではないかと思います。

つまり貴社や貴社が属する業界に昔はあった良き習慣、システムが、時代の趨勢に合わせて消えて行ってしまっていたとしたら、もう一度、新しい角度から光を当ててみるのをよいのではということです。

容器の循環システムは実は、容器に対する責任が、いったんは企業から消費者に移り、さらに再び消費者から企業に戻った結果、たどりついた温故知新であったとも言えます。かつての牛乳瓶回収システムと異なるのは、そこに第三者であるベンチャー企業が介在して、複数のメーカーの回収・洗浄・再利用業務を一括代行しているということです。

それを言えば、今や町中を自転車で走り回る出前サービスも同じこと。第三者が介在して、事業者と消費者のどちらが担ってもいい役割を、中間で一括して引き受け、ビジネスにしています。

SDGsの時代に登場した温故知新+第三者の一括代行サービス。このパターンに沿って類似の事例を探してみると、新しいビジネスの芽が発見できそうです。ぜひ一緒に考えましょう。

 

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