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戦略的「情報発信(アウトプット)」を理解するために―短絡的な手段ではないことをあらためて確認―

SPECIAL

地方メディアの高度有効活用コンサルタント

株式会社メディアコネクション

代表取締役 

広告分野における地方メディアの高度有効活用を専門とするコンサルタント。東京在住中のマーケティングビジネス経営の経験と地方企業への経営革新支援ノウハウの融合させた、独自の「儲かるための広告戦略」を開発。自らも成功実践事例として、地方メディアを舞台に展開。

真面目な日本人には、インプットには熱心であるにもかかわらず、アウトプットにはほとんど気持ちが向いていないし取り組んでもいない、という人が多いようです。

つまり、インプット過多であり、もう少しアウトプットにエネルギーを振り向けないともったいない、という現状があるのです。

このインプットしたものをアウトプットに振り向ける、という行為に関して、少し詳しく考察してみたいと思います。

 

インプットに対してアウトプットが足りない、と主張する私ですが、ここで、少し見当違いのアウトプットというものが存在することに気がつきました。

これは私が推奨するアウトプットとは別物になりますので、その点を解説することによって、本当に取り組んでいただきたいアウトプットというものを、より顕在化させてみたいと思います。

 

以前こういうことがありました。私の母は長い間、私の出身地である田舎の町で「茶道」を教えていました。高校生を始めとして若い生徒さんを集めて、確か「裏千家」の「茶道」を教えていたのです。そんな中、ある若い奥さんが生徒さんになったそうです。

ところが、その奥さんは、まだ何年か教えるか教えないうちに、自分の家で茶道教室を始めたのだそうです。

 

私流に言えば、インプットした茶道の流儀をさっそくアウトプットし始めたことになります。一見、私のお勧めするアウトプットを実践しているようにも見えます。

しかし、こういったものには「技量」という一応の目安があります。

したがって、そこがある水準に到達していない場合には、そんな段階でアウトプットするはいかがなものか、ということになるのです。

 

母は、そういう意味では彼女の技量も把握していましたので、その教えられる方から教える方への変わり身の早さにいささかあきれていました。

その奥さんは、母の目から見て、まだ到底人に教えられるレベルではなかったようです。

にもかかわらず、「茶道教室」というアウトプットを始めてしまった・・・・

 

また、以前こういうことがありました。私がまだ税理士業に入って間もない頃、いろいろなことを吸収したくて、商工会主催のセミナーなどにはよく参加していました。

その頃、何回か講演を聞いた講師の中には、それまで自分が手掛けた事業がうまくいったために、そのノウハウをまとめて、セミナー講師やメディアタレントのようになって、全国で講演活動をしている人たちがいました。

 

なるほど、それなりに成功した人たちでしたので、そのときは、なにかと参考になったと思います。

しかし、今では彼らから聞いた話というのは、ほとんど記憶にありません。

しかも、気になるのはあれから10年、20年経って、彼らの事業というのは今でもうまくいっていいるのでしょうか。わざわざ追求したことはありませんが、その後ビッグになっていれば私にもわかるはずですから、どうもそうはなっていないようです。

 

つまり、アウトプットといっても、それを「お金」に換えるほどの内容だったのかどうか、ということです。

私は、ビジネスを通じてインプットしたものをどんどんアウトプットしていくべき、という考え方の方ではありますが、早い段階で講師や先生として、それを「お金」に換えていくというのは、あまり賛成できません。

 

似たような文脈で、昔「マネーの虎」というテレビ番組があったことを思い出します。

この番組を覚えておられるでしょうか。いろいろな新規ビジネスのアイディアを持った起業を希望する人に、出資するかどうかを、テレビ番組の中で判定するというものです。判定し出資するのは、それまで事業で成功を収めた経営者たちで、出資を求める起業希望者に極めて辛口の批評を行ない、振り落としていくという構成になっていました。

 

私が注目するのは、このとき「成功者」として、判定する側に座っていた経営者たちです。

彼らは、ああやってメジャーなテレビ番組に出演することで、自分や自分の事業をアウトプットしていたことになります。

事業成功者として出資するわけですから、あのようにテレビに出演して、自分は「他者の考えた事業の成功確率を判定する資格がある」と思っていたのでしょう。

 

しかし、さらに注目すべきは、その「成功者」であったはずの彼らのほとんどが、その後自分の事業に失敗しているということです。

後年、別のテレビ番組ですっかり落ちぶれ果てた「成功者」であったはずの「もと経営者」の姿を見てびっくりしたことがありました。事業がうまくいかなくなったのは、その彼だけではなく「マネーの虎」に出ていた多くの経営者が、「成功者」としての地位を守り抜くことができていなかったのです。

 

つまり、あのときマスメディアに登場し、自らの事業の成功をアピールしていた経営者たちは、ある意味「情報発信(アウトプット)」をしていたことになります。しかし、それが長く事業にプラスに働くことはありませんでした。

それは、あの「情報発信(アウトプット)」というのは一過性のもので、別に戦略的なものではなかったからにほかなりません。

 

先述の、それなりに成功した経営者たちの講師業にしろ、「マネーの虎」の経営者たちのメディア登場にしろ、私の考える「情報発信(アウトプット)」とは似て非なるものということになります。一番の違いは何でしょうか。

それは、もろに「お金」が絡んでいるということになります。

講師業はそのまま収入になりますし、「マネーの虎」もきっちりとお金に絡んだ構成になっています。

 

私の勧める「情報発信(アウトプット)」は、販売促進策の要素を多分に含んでいますので、もちろん「お金」に関係がないわけではありませんが、もろに接点を持つものではありません。

「情報発信(アウトプット)」というのは、あくまでも、少し高い視点から俯瞰的に観て、かつ戦略的に取り組むべきものなのです。

 

今回、スキルもそんなに伴わないにもかかわらずお教室を始めてしまったお茶の先生、そこそこの事業成功をベースに講師業に乗り出した経営者、金銭的な背景を根拠にマスメディアに登場した経営者、形こそ違えそれぞれに「情報発信(アウトプット)」を行なっていることになります。しかし、このような「情報発信(アウトプット)」は、私の申し上げている戦略的な「情報発信(アウトプット)」からは程遠いものだと言いたいのです。

 

戦略的な「情報発信(アウトプット)」は、すぐに金銭的なメリットを得られるというものではありません。

しかし、着実に企業イメージを上げ、長いスパンで業績向上に貢献していく戦略になります。

似て非なる「情報発信(アウトプット)」との違いをよく吟味してみることで、本当の戦略的な「「情報発信(アウトプット)」に取り組んでいただきたいと思います。

 

 

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