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社長、「営業の属人化」…実は大問題なんですよ!?

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

一昨年まで、年4回以上通っていたベトナムに行けなくなって1年半以上が経ちました。昨日は、ふとベトナムで食べたフォーを思い出して、思わずネットで購入しようと思ったほど。(ケース単位で売られているものが大半だったので諦めましたが…)そんなベトナム関連のビジネスも国内では活気を取り戻してきました。過去に採用したベトナム人社員が頑張ってくれていて、仕事にも慣れてきたので追加で採用したいという会社が増えてきているのです。

当時、外国人採用は初めて…という会社も多かったのですが、この数年間、彼等の育成に成功した会社の特徴は、やはり何と言っても「コミュニケーション」。全く知らない土地で働く彼等にとって、一番初めに関わるのは社内の人達です。言葉やスキル以上に、心の通うコミュニケーションは非常に大切だな、と感じています。ある会社では、ベトナム人の教育担当をしている部長のベトナム語がものすごく上達していて驚きました!…愛を感じますね。

そして、次に大切なことは「教育」です。適切な指示と役割分担…どこまで任せるのか?次は何をするのか?といった分かりやすい指導がポイントになります。この時に問題になるのが、「仕事は見て覚えろ」とか、「先輩の技を盗んで覚えろ」的な発想のこれまで通りのOJTです。それは職人さんの世界の話でしょう?と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、ものづくりだけでなく、営業や接客の世界でも普通にあることです。ただでさえ言葉や文化の違いがあり、「言わなくてもわかるだろう」が全く通用しない中でこのやり方をやってしまっては、人は育ちません。

ただ、この「仕事が見える化できていない状態」というのは、外国人を採用した会社ならずとも、日本人社員を育成しようと思った時でも大いに問題となるのです。誰が何をどのようにどの順番で…が可視化できていない状態では、どこから何を教えれば良いかわからないからです。

例えば、営業の世界でよくあるのが「お客様に信頼される営業マンになる」です。それだけ言われても、何が良くて何が悪いのか?信頼されるとはどういうことなのか?は具体的に示さなければ伝わらないし、それがきちんと指導できる会社とそうでない会社では大きな開きができてきます。自社としてあるべき営業の姿や役割が明確にされていて、それに対して何をするのか?を言語化することはとても重要なのです。

以前ご指導した先の会社では、営業マンごとのサービスの質に違いがあったりせっかく入社しても早期の離職が多かったりしたことから、「営業の心得」を社内で作成することにしました。あいさつや身だしなみから始まって、商談の進め方やファイルの整理、見積りや請求書の作成、値上げ・値引きについての考え方、アフターフォローまでまとめました。これがあることで、新入社員が入った時でも、社内で移動があったり担当者の交代があったりした時でも非常にスムーズでしたし、何より、「あるべき姿」が見えると成長のスピードが大きく違ってくるからです。

また、見込客についても明確な定義を設けました。それまでの会議では「見込がどれくらいあるか?」はいつも話題にしていたのですが、その見込ランクの認識に個人差があることに気づき、そこも可視化することにしたのです。例えば…

■見込A

申込プラン決定済み、後は契約書に押印をいただくのみ

■見込B

決済者が口頭で契約OKしてくれた

■見込C

担当者レベルで口頭で契約OKしてくれた

■見込D

先方のニーズを確認して、こちらがご提案する商品でそれを満たせることについて相手も合意してくれている状態

■それ以外

見込み無し

 

といった具合です。この、見込み度合いも営業マンの“肌感覚”でやっている会社は非常に多いのです。特に経験の浅い営業マンは、「感じが良い人」や「よく話を聞いてくれる人」に好感を持ち、無意識に見込み度を高く持ってしまいがちです。決裁者と話ができているのか?どのようなプランで提案しているのか?導入の時期はいつ頃か?など、具体的な指導をする必要がありますし、その基準となる考え方が社内で共有されていることが非常に重要なのです。

ちなみに、営業が属人化した状態を放置していると、

①営業マンが長い時間かけて築きあげた人脈やノウハウが社内に残らない

②営業活動を分析して課題を抽出したり、改善策を考案・実行したりできない

③ノウハウが共有できないので新人教育に時間がかかる(早期退職につながる)

④営業マンが退職する時、既存顧客との引き継ぎが上手くいかずトラブルが発生しやすい

といったデメリットが生じます。「自分でやった方が早い」と言って部下に仕事を任せない人もいますが、その状態を放置したままにすることは、属人化に繋がるだけでなく、新人教育や社員の定着などの観点からもあまり好ましいこととは言えません。

営業社員が育たない、せっかく入っても辞めてしまって困るとお悩みの会社は、実は根幹となる「あるべき姿」や「心得」などが明確になっていないのかもしれません。教育を外部に任せたり社員に任せっきりにしてしまったりしている経営者の皆様、人が育つ社内体制づくり、人を惹きつける会社づくりの根幹について一緒に考えてみませんか?

人も事業も成長する仕組みづくりについてお伝えします。ぜひセミナーにご参加ください。

 

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