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成長企業と停滞企業で差が出るわかりやすい違い

SPECIAL

キラーサービス(特別対応の標準化)コンサルタント

株式会社キラーサービス研究所

代表取締役 

経営革新コンサルタント。イレギュラー対応を標準化することで、ライバル不在で儲かる、「特別ビジネス」をつくりあげる専門家。倒産状態に陥った企業の経営再建から、成長企業の新規事業立ち上げまで、様々なステージにある数多くの企業を支援。イレギュラー対応を仕組みで廻して独自の市場をつくりだす画期的手法に、多くの経営者から絶大な評価を集める注目のコンサルタント。

「いやあ、今年はいろいろと面白いことになりそうですねえ〜」── 美容業を営むF社長の顔はイキイキしています。同社で今年立ち上げる新しいプロジェクトを検討する議論を進める中で、同社が次のステージに進む道筋が見えてきました。

成長を続ける企業では必ずプロジェクトが複数走っています。ここでいうプロジェクトというのは「大きな受注案件」のことではありません。ここがよく勘違いされるところなのですが、プロジェクトというのは受注案件をこなすことではなく、「事業を強くするための取り組み」のことを指します。

具体的には、新規市場や新分野の開拓だったり、新商品・サービスの開発だったり、新しいマーケティング施策の導入だったり、クレーム撲滅活動だったり…。そういった「いま受けている受注こなすこと」以外に取り組む新しい挑戦のことをプロジェクトというわけです。

そういった、事業を強くするための取り組みが成長企業においては必ず複数走っているものですが、そのようにプロジェクトを絶えず走らせている会社にはある特徴があります。

その特徴こそが、いわば成長企業と停滞企業を分ける分水領とも言えるわけですが、その特徴とは「経営幹部が新しいことにチャレンジする余裕を持っている」ということです。

ここでいう余裕とは「体の余裕」と「心の余裕」の両方を指します。

まず「体の余裕」とは、言い換えると時間の余裕とも言えますが、自由に動ける時間が確保されているということです。つまり、社長や経営幹部が日々の受注をこなすためのオペレーションにガチガチに組み込まれておらず、身の自由が保たれている状態です。

社長が職人社長的に日々のオペレーションに組み込まれてしまっているのは論外ですが、経営幹部が通常オペレーションに組み込まれてしまって日夜「作業」をしているところというのは、中小企業においては珍しくないのではないでしょうか。

社長からしたら高給取りである自社の経営幹部が作業ばっかりやっていてはたまったものではないのですが、仕事が仕組みで回せておらず属人化しているためなかなかその下の社員が育たず、役員が日常業務を手放せない状態となっている。そんなところも多いことでしょう。

社長が事業を成長させるために何か新しい企画を考えても、肝心の推進役たる経営幹部が忙しくてパンパンのため、新しいプロジェクトを立ち上げることができず、「いつか落ち着いたらやろう…」と言って先送りしてしまう。しかし、仕事を仕組みで回して行かない限り「落ち着く」その時は永遠にやってこないので、事業の停滞がずっと続くわけです。

そして、上記のような状態であればほぼ間違いなく自社の経営幹部は「心の余裕」も持てていないはずです。ここでいう「心の余裕」とは新しい試みにチャレンジしようと思える気概や心の遊びのことを指します。

経営幹部は日々の仕事で一杯一杯のため、体だけでなく気持ち的にも新しいことを考える余裕がありません。「それどころじゃない」というマインドです。このような心の状態が長く続くと当然ながら彼らの視野は狭くなり、心も硬直していきます。

自分たちには無理

リスクが高い

失敗したらどうする!

社長は現場の大変さをわかっていない

本来会社の成長を牽引する役目を担っているはずの経営幹部が、このように考えてとにかくいまやっていることを維持しようとする。そうして会社全体、組織全体が硬直化していくのです。

このような硬直した組織文化を打破する方法はシンプルです。それは、これから本当の意味で経営者となってもらいたい幹部に重要プロジェクトを任せることです。

もちろんこれは中途半端にやらせてはいけません。そのプロジェクトの責任者として、何(どんなゴール)をいつまでに達成するのか、そしてそれはどんな方法と手順でやるのか、それをしっかり考えさせ、本人にコミットさせるのです。

その過程で当人が抱えている日常業務の「作業」ももちろん手放してもらいます。そうやって、「自分は経営幹部であり、日々の業務ではなく事業戦略を立案・実行するんだ」との意識を持たせるのです。

最初は失敗を恐れて、無難な提案しか持ってこないかもしれません。そこは社長がつっぱねます。もっと根本的なものを考えろと。それが戦略です。チマチマやってはいけません。

普段から日常のオペレーションをこなすことしかやっていない社員は極端に失敗を嫌います。なぜならオペレーションは基本的には失敗は許されないからです。しかし、事業戦略の打ち手となるとそれは話が別です。すべてが上手くいくなんてことはありません。特に今の時代はそうです。まずやってみることが大事です。経営幹部は柔軟な発想と心の余裕が必要なのです。

成長企業となるために、経営幹部に柔軟な発想でどんどんプロジェクトを任せていきましょう。それが教育です。座学ではありません。経営幹部が常に「戦略的打ち手」を実行している。そのような状態になれば、事業は必ず伸びていきます。

 

 

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