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補助金の功罪

SPECIAL

社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

近年、コロナ禍の影響もあり、補助金市場が盛り上がっています。「市場」と何だか変な言い方になりましたが、実際に市場とも言うべき規模、登場人物の多さが見られます。ちなみに、中小企業対策費として令和3年度補正予算では3兆9593億円が計上されています(すべてが補助金ではありません)。

私も補助金のご相談を承る機会が増え、多くの経営者と面談させていただきました。個人的な感想を言えば、補助金は功罪相半ばする施策であると思っています。外部環境の変化に伴う、不可抗力的な危機を乗り越えるためには、公的資金(税金)である程度の補助は必要になるでしょう。

一方で、利権がらみの出来レースを始め、補助金目当ての経営者、それに群がるエセコンサルなど好ましくない登場人物が生み出されます。大義を考えればある程度許容すべきですが、真面目にやっている方からすれば何ともモヤモヤする状況だと思います(まあ、この問題は補助金だけではないですね)。

さて、今回は上記のような大所高所から問題を指摘するのではなく、より実務に沿った部分でのお話をしたいと思います。

補助金については、そのほとんどで経営計画等の提出が求められます。ただ、出したからと言って全員が補助金をもらえるわけではなく、専門家による(厳正な)審査のうえ、採択の可否が決定されます。

で、この経営計画ですが、ある程度フォーマットが決まっています。審査項目や加点項目も公開されており、とりあえずの「型」は誰でも知ることができます。そして専門家は提出された経営計画を項目に沿って採点(偏らないように数名で)し、「これは大丈夫」とお墨付きを与えられた計画が採択される流れです。

個人的には、この一連の流れが「受験」と被ります。税金を使った施策なので仕方がない部分はあると思いますが、実現性を高めるための「根拠」を求めるあまり、型やロジックで描かれた、きれいな「正解」が合格となる仕組みです。経営者側は補助金のため、本来やりたいことでもないのに、事実を捻じ曲げ「型」どおりに計画をつくってしまう。 

私が一番危惧するのは、補助金にこだわるあまり、事業のアイデアが死に、発想の自由度が妨げられてしまうことです。「みんながいいといったアイデア」の事業としての価値には疑問符が付きます。要は誰でも発想できる(理解できる)最大公約数的なアイデアなのです。顧客がお金を払いたくなるサービスではないし、既存事業のプラスにもならない。まさにお金を得るためだけの机上の空論。絵に描いた餅。

全部が全部そうだとは言いませんが、補助金申請における多くの経営計画には「お化粧」が施してあります。それでも、これまで一度も計画も作ったことがない経営者にとっては、非常にいい機会だと思います。反面、せっかく作った計画書は、大半が引き出しかPCの奥深くに眠っており、当然計画通りにもいかず、結局投入された公的資金は「ムダ金」となります。

経営者の皆さん。補助金に惑わされず、まずは自社独自の経営計画をつくりましょう。そのうえで初めて、補助金が活用できるかどうかを確認するべきです。この順番を間違うと、補助金がために事業を行い、最悪、依存症となってしまう補助金ゾンビになりかねません。信頼できるパートナーとともに、クオリティタイムの中で計画をつくりあげましょう。

 

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