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DX推進のキモ いかに中間管理職を巻き込むか?

鈴木純二
SPECIAL

顧客接点強化による成長型IT導入コンサルタント

ベルケンシステムズ株式会社

代表取締役 

顧客接点の強化を軸に、業績に直結するIT導入を指導するスペシャリスト。世に無駄なIT投資が横行するのと一線を画し、顧客の利便性向上、新規取引先、深耕開拓、利用促進…などを主眼に置いた、実益のIT活用と投資戦略を、各会社ごとに組み立てることで定評。

鈴木純二

某経済新聞に「DXの壁は中間管理職の意識にある。およそ4割の中間管理職がDXに関わりたくないと思っている」との調査記事が出ました。記事によるとなんでも、日本ではプレイングマネージャーが多いことにより、通常業務で忙殺されていたり、短期的な成果を求められるためDXの様に長期課題に取り組む余裕が無い、といったことが要因となっている、との分析と考察でした。記事の結論としては、人事評価制度を変えるべきだ、という非常に遠大な示唆で終わっていましたが、これはあまりにも遠回り過ぎると思っています。

確かに、「現状を変えたくない、ただでさえ忙しいのにこれ以上DXなどという面倒なことに巻き込まないで欲しい」と考える人は一定数居ることでしょう。しかし、このような保守的(?)な人達であっても、自己実現本能は備えているものです。または保守的であるが故に、この本能は平均値よりも高いかもしれません。DX化をきちんと任されれば、自己実現の為にも着実に進めることができるポテンシャルを持っている人は相当数居るはずです。

問題は、このような中間管理職の社員に対して、いかにしてDX推進による目標と経営リソースを与えられるか?です。記事でも記載されていた通り、短期的な(もしくは通常の業務運用レベルの)目標をクリアしつつ、プラスアルファであるDXへの取組をミッションとして単純追加することは無理です。通常業務の負荷を目に見える形で軽くし、社長とその担当者の間の相互の合意の元にDX化のミッションを定めることで、きちんと進められるミドル層は相当数存在すると思います。冒頭の4割のミドルの内、半分でもこれができれば劇的にDX化が進むのは当然ことですね。

その為に問題なのが、どうやって通常業務負担を目に見える形で減らしてあげることができるか?だと思います。増員する、配置換えする、仕事を減らす…等々様々な方策があると思いますが、どれも会社として出血を覚悟しなければならない方法です。おそらく新聞記事で4割という数字が出た根本的な原因は、この「経営者が出血を覚悟できていない」からだと思うわけです。

現に、当社のお客様の中にも、システム化担当者の工数捻出をお願いすると、社長が「わかりました。工夫します。」と二つ返事をし、しかし、後で担当者に聞いてみると「社長から頑張るように言われた」とにわかには信じられない精神論的な対応をした形跡が見えることが良くあります。これでは担当者の方もやる気を失ってしまいますし、なによりもシステム化の仕事が物理的に進まなくなるので失敗を引き寄せている様なものです。

このように、システム化やDX推進による経営的な効果がよく見えていない社長が、実は経営リソースを割くことに関して覚悟ができていない、ということが多いのだと思います。本当にDX化を進めたいなら、まずは担当者のアサイン、そしてその担当者に経営リソースを数字でみえる程度割り当てる。これが社長に課されたことなのです。

是非参考にしていただいて、精神論ではないDX化に向けた一歩を踏み出して頂ければと思います。

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