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第43話 「差別化」できているという勘違い

SPECIAL

カテゴリーキラーづくりコンサルタント

株式会社ミスターマーケティング

主に年商5億円~50億円規模の会社に対して、「カテゴリーキラーづくり」の指導を行っている専門コンサルタント。
 過去10年間で、300社を超える指導を行い、年商10億円はもとより、50億円、100億円を本気で実現していく実務の指導を行い、その手厚い指導と圧倒的な成果で、全国の経営者から絶賛されている。2名体制でコンサルティングを実施しているユニークな専門機関。


 

「うちは、よいサービスを提供しているのに、なかなか新規客が増えていきません。

どうしたらよいでしょうか」

 当社に来られた経営者のご相談でした。

 

※カテゴリーキラーとは、競合他社を圧倒する差別化された強い商品・サービス・事業のこと。


 

こちらの会社は、年商で100億円を超える食品事業を展開する傍らで、新規事業として、飲食店を経営されていました。冒頭のご相談は、その飲食店がうまく軌道にのせられずに苦戦しているということでした。

本業は、大手の受託系のお仕事が中心です。新規の飲食事業は、将来を見据えて、多店舗展開も視野にいれた取り組みでした。

既に、数店舗出店しているものの、どのお店も調子は振るわず、採算がとれるベースではありませんでした。

特に、最近出店したお店は、昼間のランチは、とても人気で人が集まっているのですが、夜の集客に苦戦していました。夜の売上が上がらないと、お店として経営していくことは難しいとのことでした。

そこで、この一番調子が悪かったお店を中心に、コンサルティングを行うことになりました。

経営者に差別化について尋ねると、

「うちは、メニューもサービスも本当に良いものを提供している、外装も内装もお金をかけてゆっくりと過ごしてもらえるものになっている。この周辺では、ここまでのレベルのお店はないので、差別化は、十分といえる店だと思っているのですが」

このように差別化は十分であると、ご本人は思っていたそうです。しかし、経営者の意見ではなく、受け手(お客様)にとって、どう見えているかが重要です。

既に、ランチのリピーターはついていましたから、お店の料理やサービスの評価は、確かにそれなりのレベルにありました。

問題は、なぜ夜の売上につながらないかと言うことですが、そもそも、夜の新規客が入店する流れがないというところに着目しました。

このような問題は、お店を利用する人の気持ちに寄り添って、検証しないと見えてきません。

このコラムをお読みのあなたは、夕飯で飲食店を利用する際に、どのような気分でお店を決めますか?

おそらく、何が食べたいか、お寿司か、焼き肉か、それとも居酒屋で一杯やるか、など、まずジャンルで決めていくという方は多いのではないでしょうか?そして、そのジャンルの中で、その時の状況によって、最適な選択をしていると思います。

飲食店の場合は、お店の立地という条件のもと、その周辺の住人や、労働者、サラリーマンなどがターゲットになります。

このお店は、住宅街でファミリー層を狙った設定をしていましたから、そのファミリーになった気分で、夜の飲食店を利用するシーンを推察していきます。

すると、いくつかの競合店が選択肢に出てきました。この競合環境の中で、このお店は選択肢に入るかを徹底検証してきます。

提供メニュー、値段やサービスなどを検証して、どのお店にどんな気分で選ぶか、ということを利用者にヒヤリングしたり、実際に利用したりして確認していくのです。

お客様の財布はひとつですから、多くの場合は、よりよい商品・サービスを選択するために、必ず競合同士を比較検討します。

その比較検討の際に、自社の商品・サービスが選ばれる存在になっているかということを、よくよく考えます。そのときに大切なことは、差別化ができているか、そして、その差別化に「インパクト」があるかということが、とても重要です

お客様は、なぜ、あなたの商品・サービスを選ぶべきか。

この点を深く考えていきます。この中で、競合と比較するというところがとても重要ですが、売上が思うように上がらないという多くの企業が、自社と比較されている競合のことをよく理解していません。

このような視点で見たときに、このお店は、夜のレストランとして、決定的な欠点が見えてきました。それは、お店がカフェ風だったことです。

ペットと同席できる素敵なウッドデッキなどがありましたから、近隣はもとより、遠方からもペットと一緒にゆっくりランチをできるお店として、たくさんの人が来店していました。カフェとして、魅力的な外装、内装をもち、コストパフォーマンスの高いサービスを提供していましたから、その比較では、周辺にそれ以上の魅力的なカフェは存在せず、差別化にインパクトがありました。

しかし、夜のレストランとして見たときに、何が売りなのか、まったく印象が弱く、差別化にインパクトがないお店になっていたのです。

この会社は、冒頭で紹介した通り、食品事業が母体で、強みを活かした食材の仕入れができました。

そこで、一番コストパフォーマンスが発揮できる食材を使ったメニューを、カテゴリーキラーとして打ち出して、看板やメニュー等で、大々的に打ち出していきました。

この看板メニューの決定にあたっては、差別化にインパクトをつけるために、いくつかの仮説をたてながら、周辺の競合店にはないものを打ち出していくことを検証していきました。

そして、どの競合店にもない、かつニーズの高い、インパクトが感じられるものを看板メニューにしたのです。

この取り組みの直後から、大きく流れが変わりました。

夜の時間帯に次々と新規客がくる流れができました。そして、売上はどんどん伸びていきました。結果としては、1年以上も赤字が続いていた店ですが、改善から2ヶ月もすると、しっかりと利益がでるようになり、お店を継続することが決定しました。

実は、この看板メニューは、ランチでも人気のメニューでした。食材仕入れの強みがあるので、コストパフォーマンスはよく、リピーターも多いメニューでした。

このようなメニューが最初からあったため、比較的早い段階で施策を実行することができましたが、もし看板メニューになるような商品が無ければ、それを生み出す取り組みから行う必要があります。その場合は、もう少し時間がかかるでしょう。

どんなご商売でも差別化は大切で、そのことを多くの経営者が理解しています。

しかし、いざご自身が新商品や新サービスを提供しようとした際に、その差別化について、あまり検証をせずに思い込みで突き進めてしまうケースが多く、そのようなケースは、失敗してしまう可能性を否めません。

やはり、利用者にとって、インパクトのある差別化になっているかを徹底検証することが大切です。どの競合と比較されており、どの点をどのように打ち出していけば、インパクトが出るか?この点を集中的に検討することが大切です。

そして、競合と比較する際のポイントは、直接的な競合はもとより、それ以外の競合も確認していく必要があります。

あくまで、お客様が選んでいる選択肢に入るものを競合として、その全体像の中から、自社の商品・サービスが本当に際立っているか、インパクトがあるか、この点についてよくよく検討していく必要があります。

よくあるのは、強い競合が出てきて、売上が下がっていく中で、あわてて競合と同じようなことをやりはじめてしまうパターンです。

あまり考えずに、このパターンに突き進むと、多くの場合よい結果になりません。

競合が本当に、強い相手であれば、あらためて勝てる視点をよくよく仮説検証していく必要があります。

 

あなたの商品・サービスの差別化には「インパクト」がありますか?

それは、お客様の視点に立ったとき、どのように見えていますか?

 

株式会社ミスターマーケティング

代表コンサルタント

村松 勝

 

【追伸】

当社セミナーでは、「差別化」にインパクトをつける方法について、具体的なプロセスをもとに丁寧に解説しています。自社商品・サービスに「インパクト」のある差別化をもたせたいという方のお役に立てます。まだご参加頂いていない経営者は、是非、当社セミナーをご活用ください。                            

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