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【感性を磨く】経営の「スピード出し過ぎ注意」

SPECIAL

「一流ビジネス」感性構築コンサルタント

茶人(ちゃびと)

代表 

究極のおもてなし「茶会」をベースに、一流ビジネスに必須の「感性」を磨く指導で定評。各ビジネスの感性の根幹となる起源に迫り、本物の上質、付加価値、空間、感覚…など、高級・ハイクラス化をはかるときの様々なビジネス要素を指導。

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自転車でひた走るような経営は、ちょっとしたミスで大きな損失を受けることになります。自転車で時速100kmを出すと、小石につまずいただけで大けが間違い無し。そんな経営スタイルになっていませんか?

こんにちは、茶人・小早川宗護です。私は茶道裏千家の師範として30名の直弟子を指導しつつ、最もハイレベルな茶会、茶事をビジネスとして展開しております。

以前弊社のコンサルティングクライアントさんから、とある疑問をぶつけられました。
「今月はたったあれだけで終わりですか?」
惜しいかな、私が取った行動の意味の大きさが、まったく理解出来ていないご様子でした。

私の場合は茶の世界を中心とし、その横で茶人としての物の見方を信頼してコンサルティングの依頼を下さるかたがおられます。そのクライアントさんも、私の茶人としての物の見方を信頼してご依頼下さいました。

長年にわたりずっと自転車操業が続いており、何とかそこから脱却したいと言うことで弊社にコンサルティングのご依頼を下さったクライアントさん。しかしいざコンサルティングを開始すると、さっそく自転車操業に慣れすぎた悪い癖が出てきてしまい、私の指導内容に疑問を抱きはじめたのです。それを何よりも象徴したのが、先ほど紹介した「今月はたったあれだけで終わりですか?」と言う一言でした。

自転車操業が長く続くと目の前の売上や利益を追いかけることが全てになってしまい、座して待つ、と言うことが出来なくなってしまいます。また、全体の戦略をじっくり見つめ、今後どうしていくべきかを思案する時間が失われてしまいます。そして何と言っても、人がとった行動の意味を熟考する前に自分が行動を先走らせてしまうので、人の考えを理解する余裕を失ってしまうのです。

この記事をお読みの皆さんは、「読む=考える」と言う事を実践しておられると思います。しかしながら、もし迷いに迷って行き着いたのがこの記事であれば、「迷う」のではなく「考える」「待つ」ことを実践して頂きたいと思います。

「考える」と言うのは、言葉を変えるならば「看破する」と言うことに繋がります。「看破する」と言うのは「見抜く」「見通す」と言うこと。つまり、考えることに上手に時間を費やす事により、これから自分が何をしていくべきか、今まで自分がどのような恩を受けてきたかなどをしっかり見つめ直し、自分の未来を創造していくのです。それが出来るようにならなくては、自転車操業から脱することは未来永劫あり得ないでしょう。

「たったあれだけで終わり」と評されてしまった私の仕事も、少し考えれば誰でもその意味の大きさに気付くことが出来ます。その「たったあれだけ」であっても、勘の良い人ならば瞬時に「あの程度の顧問料であそこまで」と言うことに気付いて下さります。それが出来るのは大概、しっかりと「待つ」「見る」「考える」ことが出来る人。結局コンサルタントを活かすも殺すも、依頼したクライアントさんご自身の考え方に大きく依る、と言うことですね。

経営においてスピードは命です。しかしながらそのスピードも、時にはスピードを緩めたり、もしくは立ち止まることを忘れたら気付けば多くの人に不義理を働き、無礼な真似をしてしまうこともしばしば。武田信玄の「風林火山」ではありませんが、動くときはスピーディーに動き、時には息を潜めてじっと伺い、攻めるときは徹底的に攻め、考えるときはじっくりと考えると言う、これらのメリハリが無ければ良い経営者とは言えないでしょう。

100m走世界一のウサイン・ボルトでも競技の全力疾走中、何かにつまずいて転んだら大けが間違い無しです。F1レースのアイルトン・セナはマシンのブレーキが壊れ、止まれなくなって事故死しました。つまずいて大けが、なんてことが無い経営を心掛けて下さい。大けがをすると言う事は、多くの従業員や取引先などの関係者にも悪影響しか及ぼしません。

結局そのクライアントさんに「待つこと、こらえること、考えることを覚えて頂きたいのです。だから敢えて、あの形なのです。」と申しますと、そのクライアントさんは胸中を見抜かれたと言う思いからか、大変納得して下さいました。今では私が出す、シンプルだけど非常に重い宿題を粛々とこなしつつ、徐々に自転車操業から脱しつつあります。

スピードだけが全てだと思う経営のままでは、一流にはなれません。

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