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逆効果のアドバイス

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社内独立店開コンサルタント

株式会社ストアブレインコンサルティング

代表取締役 

経営コンサルタント。アパレル、小売、飲食チェーン指導などに強みを持ち、店長再生から店舗最盛へとつなげていく独自の「社内独立店開」手法を指導する専門家。
自らは店舗を持たない「販売・運営」に特化した経営スタイルに、多くの異業種経営者、店長が注目。路面店から百貨店、都心型SC、郊外型ショッピングモール…など、多様なチャネルで成果を上げ、店舗の強みを引き出す天才と称されている。

「コンサルタント」というと、怪しい仕事のイメージがあるかもしれません。ニュースで流れてくる「コンサルタント」は結構な確率であくどいことをやって捕まったりしています(やめてほしいですね)。コンサルタントが身近にいない人は、そもそも彼らは何をやっているのか?という疑問もあるでしょう。

コンサルタントの仕事はさまざまですが、一言でいえば「顧客の問題解決」を行う人です。自身の経験や知識をノウハウとして、お困りごとを持つ顧客に指導、助言をすることで問題解決に導く。分野はさまざまですが、全社的な戦略づくりをはじめ、売上アップ、人事制度構築、商品開発、節税、資金繰り、補助金… と多様なコンサルタントが存在します。

さて、コンサルタントで問題解決できるのであれば、皆が使えばお困りごとはなくなります。ですが、そもそもコンサルタントを知らない、あるいは冒頭のように怪しい奴らなので使わない、やたら高くて頼めない、という理由で使わない人が世の中の大半でしょう。

かく言う私も、アパレル小売会社をメインにしていたころはまったくと言っていいほど信用していませんでした。とりあえずイメージが良くない、成果を得られる保証もない、そのうえ異様に高い。何だか先生然として感じも悪い。業界経験のない人が一体何を教えるのか… と思っていました。

そんな私がコンサルタントを仕事にしているのですから、何とも不思議な感じです。で、色々と経験してくると、なるほどそういうことか…と徐々に仕事の本質がわかってきます。結局、知識やノウハウを教えただけで会社が良くなることはほとんどないのです。

どんなに知識やノウハウを伝えても、実際に動くのは顧客です。コンサルタントは顧客を動かすのが仕事でもあります。つまり、知識やノウハウだけで問題解決ができるわけではなく、関係性ができていなければ顧客が納得せず、自ら動かず、状況は何も変わらないのです。むしろ悪くなることすらあります。

ではどうすればいいのか。私は仕事を進める際、基本的にはカウンセリング→ティーチング→コーチング→コンサルティングの順番で行います。お困りごとを抱えた経営者はほとんどの方の心の状態は乱れています。この状態でいきなり解決策を伝えても何も頭に入りません。まあ、カウンセリングと言っても、傾聴し、共感することで気持ちの整理を手伝うくらいです。

その後ティーチングを行います。これも大そうなことではなく、ヒアリングしながら不足している基礎的な知識を伝え、お互いの対話レベルを合わせます。内面の気持ちと知識を整えたうえで、現状および目標を把握します。こうしないと、現状は思いついたことをバラバラに、目標は単なる思いつきになりがちで、時間を無駄に使ってしまいます。

その後、目標達成に向け自らが主体的に行動できるようにコーチングを行います。ですが、ここまでこなくても問題解決する場合が多いのが実際です。これまでの思考整理で「気づき」が生まれ、皆さん自分なりの答えを見つけられるのです(もちろん、修正や補足は必要です)。

つまるところ、顧客からの相談に対し、最初から「正解(と自分が思っていること)」を伝えるのはナンセンスなのです。ここに先生型コンサル、専門家が好まれない理由があります。ほとんど何も聞かず、自分が教えたいことを一方的に伝える。印象も悪ければ問題も解決しない…。

これはコンサルタントだけではなく、社長が社員に対するコミュニケーションでも、また顧客へのセールスでも同様です。的外れなアドバイスはお互いにとって時間の無駄です。言われた方は逆に動きたくなくなります。私も自戒の念を込め、気を引き締めていきたいと思います。

 

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