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新商品が売れない…とある会社の本当の理由。

SPECIAL

波及営業コンサルタント

有限会社 日本アイ・オー・シー

代表取締役 

取引先のネームバリューで次々に新規開拓を実現する「波及営業戦略」を体系化した辣腕コンサルタント。特に技術系のメーカー企業や、特殊な加工、取り扱い品、異色サービスなどを手掛けている企業の販売戦略の再設計、大きく売れるようにする仕組みづくりに定評。

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「営業マンが新商品を売らないのです…どうしたら売ってくれるしょうか?」

このご相談がきっかけになりプロジェクトを組んだときの事です。

新商品が社長の目算とおりに売れないのは、「営業力がないか」「商品力がないか」のどちらしかありません。

しかし、ご相談頂いた企業のケースでは「顧客ベネフィット」「競合状態(間接・直接)」「同社の強み」「時代性」を鑑みても充分イケると想定できました。

となると、営業に問題があるとしか思えません。

実際、これまでにも何例かの販売実績はありました。

顧客の評価もGOODです。

従って、あとはどう拡販していくか…というテーマだけなのですが…

突き詰めてみると、商品が売れない!という状況ではなく、営業マンが積極的に売っていなかっただけだったのです。

なぜ、営業マンは、新商品を積極的に営業しようとしないのでしょうか?

 

その背景は…

「どうして、今更こんな安い価格の商品を売らなくてはいけないのか…」
 「売上もかさばらないから、新商品を売ろうとすると予算達成も危うくなる…」

そもそも

「新商品を売ったら、これまでの主力商品を買う必要性が薄れるんじゃないか?」

この疑問が営業部隊の行動にブレーキをかけていたのです。

 

プロジェクトが開始する前も、この議論はあったそうです。

しかし、だれもが本質的なテーマに触れていませんでした。

「今でも、予算が達成できているから問題ないよね」
 「今期も前年対比で120%いったら、上等でしょう」

と新商品を売る本質的な意味を営業マンは見いだせていなかったのです

これが「新商品が売れない真の原因」でした。

そこで、まず社長自身が「なぜ、この新商品を売ろうと思ったのか?」、そう思った背景そして新商品を拡販すべく真の狙いを営業マンに伝えました。

社員と社長の目線は全く違います。

ある状態に置けるモノゴトの受け止め方が変われば、対処も180℃違ったものになります。

業績も好調。

営業現場では、お客様から支持されて仕事も充実。

営業マンとしては、何も焦らなくても良いのではないか?と思ってしまうのはアタリマエの状況でした。

 

でも、社長の目線は違います。

新規獲得件数は、ここ数年ほぼゼロの状態。

たまの新規も、ウェブサイトの問い合わせのみ。

 

既存顧客からの売上は、上がってはいるものの、単価は下がっている。

販売数量が上がっているのは、競合の倒産が理由。

 

つまり、同社が意図的・意識的にとった行動によって売上が上がっていたのではありませんでした。外部環境の変化でたまたまの数字だったのです。

もし、ウェブサイトからの集客状況に異変が起きてしまったら…。

もし、競合他社が倒産していなかったら…

 コントロールしにくい環境に不安を抱くよりも、コントロールできる環境を自らつくり出すのが事業運営というものです。

 

そもそも、社員は、現状を見て最適化するのが仕事です。

なので、新商品を売ると売上が下がる可能性がある場合は、売らない方がマシ…と捉えるのが正解です。

しかし、社長の仕事は「現状を正しく捉えて、10年先、30年先まで会社が勝ち残れるような事業方針を打ち出していく」ことです。

今の状態が一見良く見えたとしても、事業スタンスに自主性がなければ、状態を変えていかないと行けません。

足元が弱い状態で、厳しい環境変化にさらされたら、それこそ危機的状態に突き落とされるのですから…。

プロジェクト開始によって、これらの目線の擦り合わせをして、営業マンの皆さんにも「状況を正しく理解してもらい、打つべき施策の重要性」を認識してもらいました。

すると、これまで噛み合って動かなかった歯車が、少しずつ噛み合い始めました。

1人、また1人と営業マンが新商品を受注し始めたのです。

しかも、すべて新規顧客の開拓です。

 

何かの方針(新商品発表など)を打ち出すときは、「なぜそれをやるのか?」という意義をセットで現場に説明する必要があります。

それくらいわかるだろ…と現場の解釈に任せてしまうと、意義が見いだせずに行動がストップしてしまう恐れがあるからです。

御社では、会社方針に対する「意義」「背景」「狙い」など…行動をしなければいけない理由付けを、全社員に伝えていますでしょうか?

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