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凝り固まったベテラン達が、頼れる先導者になっていく組織には、ある「場」が存在する

SPECIAL

チェーン企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

 「POPは自宅で作成して来てます」

 「幼い子供と一緒に楽しんで作ってますよ」

担当分類の前年比160%以上をキープし、他のスタッフの模範となっているスタッフに秘訣を聞いてみた際の返答でした。

 

しかしその会社の社長が最も評価したのは、スタッフの工夫でもなく、数値結果でもなく、店長のマネジメントだったのです。

実はそのスタッフは、歴代の店長達のリタイヤにも関連がある、我が道を行くベテランでした。

店長はそんな人を、会社の方針に則って他のスタッフをも導ける「頼れる人」に変えることができていたのです。

 

組織のリーダーとなる人には、大きく2つのルートがあります。

 ・新しく組織を立ち上げる

 ・既存の組織に着任する

メリット、デメリットは

 ・前者は、自分色に染められるが、結果を出せるまで時間が必要

 ・後者は、ベースができているから早く結果を出せるが、既存の人達の意識改革が必要

 

どちらのリーダーの方が多いのか。それは後者でしょう。

「新たな組織を任された」というご経験は、貴方もあるのではないでしょうか?

そんな既存の組織に新しくリーダーとして着任した方であれば、既存メンバー達には今までの方針にとらわれることなく、新たな方針に則って動いてもらいたいところです。

 

しかし、そう簡単にいくものではありません。

その理由の1つは「新たな方針に則って動く」ということは、それまで積み重ねてきたことがリセットされてしまうからです。

ありがちなのは、表面上は「ハイ」と言ってくれているのに、実は陰では「何で今までのやり方を変えなければならないの?」と疑問を抱えられている状態です。

これは組織への在籍期間が浅い人達より、深いベテラン勢に多く見られる傾向です。

 

「どうすれば結果を出せるか?」はベテランはよくわかっています。

しかし、その逆の「どうすれば楽ができるのか?」も。

新たなリーダーは、そんな一筋縄ではいかないベテラン勢をうまくマネジメントすることができなければ、組織の業績を上げていくことは困難です。

 

ところが、そんな難しいマネジメントの壁を乗り越え、凝り固まっていたベテラン達が一転し、リーダーの掲げる方針に深く賛同してくれて、皆の扇動者となって一緒に引っ張ってくれるようになった企業があります。

 

何をしたのか?

 

その1つに挙げられるのは

 「この人にこそ、ついて行きたい」という場を用意した、です。

 

「本気を出したくなったぞ!」となるスイッチは人それぞれです。

 ・看板(会社の知名度、ブランド力)

によってスイッチが入る人もいるでしょう。

 ・扱っているサービス、商品

に魅力を感じてくれる人も。

 ・会社、お店の雰囲気

が好きだからという人もいれば

 ・職場が近いから

 ・稼ぐため

など様々です。

いくつか挙げましたが、実はこの中にとても重要なスイッチが抜けています。

そのスイッチは何なのか?

気が付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

それは

 ・リーダーの実力

です。

 

そもそも組織とは、リーダーに実力があってこそです。

これが無くては結成自体も難しく、皆が本気を出してくれるなどまず無いでしょう。

そんな組織は、長く存続、繁栄していくことなどできません。

 

なぜそう言い切れるのか?

 

それは「群れを成す動物」を見れば一目瞭然です。

地球上のどこに「弱々しいリーダーが率いている群れ」など存在するでしょうか?

 

組織とは、リーダーに実力があり、「この人にこそ、ついて行きたい」という場が存在しているからこそ、皆にその実力を伝えられているのです。

逆に実力が無ければ、その「場」で勝負を挑まれて、即交代です。

それは厳しい自然の掟なのです。

 

ここまで「伊東さん、当たり前の事じゃないですか」と言われるかもしれません。

しかし、貴方の組織はいかがでしょうか?

「この人にこそ、ついて行きたい」という場、は各リーダーごとに存在していますか?

 

問題なのは、組織に存在していなければならないその「場」が、現代の多店舗型ビジネスを営んでいるほとんどの企業に存在していないということです。

しかもそれが問題視さえされず、長い間その「場」が存在しないままの企業が多いのです。

 

では、組織に「この人にこそ、ついて行きたい」という場が無いと、どうなるのか?

 

まず、メンバーの誰かが(特にベテラン勢は)こんな意識を抱くようになるでしょう。 

 「あの人より、私の方がリーダーに向いているのでは?」

 

 ・さて、そう思い始めた人はその後、現リーダーにどう接し始めるでしょうか?

 ・その人は、他の従業員達に、自分をどうアピールしだすでしょうか?

 

更に問題なのは、現リーダーです。

「この人にこそ、ついて行きたい」という場が無いということは、競技で例えると、現チャンピオンに挑戦するチャンスが誰にも無いということです。

つまり現チャンピオンは、あわよくばいつまでも防衛線に立つことなく、コソコソ逃げ続けることもできるということです。

果たして、そんなリーダーは

 「このままでは座を奪われてしまう」

 「まだだ、もっと実力を磨かねば!」

と日々、必死になってくれるのでしょうか?

 

確実に言える事は

 そんなリーダーだらけの会社が、業績を上げていけるわけがない

ということです。

 

では逆に「この人にこそ、ついて行きたい」という場が存在するとどうなるのか?

 

一番の違いは

 「リーダーは、常に牙を磨こうと努力を怠らないようになる」です。

その結果「さすが〇〇さんだ、この人についていきたい」という想いを多くのメンバーに伝える事が可能です。

 

これは、よくマンガに表現される「滅多に本気を出さないトップが『かかってきなさい』状態」に似ています。

 「え? いいんですか? 本気を出しちゃいますよ?」

それまで誰よりも自分の力が優れていると思っている人が自信満々でトップに挑んだところ、全く歯が立たず降参。

圧倒的な力の差を見せつけられた本人は

 「レベルが違う・・・」

そして、まわりの誰もが

 「なんて力の差なんだ・・」

 

ある企業では、その「場」を上手につくったところ、それまで凝り固まっていたベテラン達が、まるでオセロで端を取って一気にひっくり返したかのごとく、次々と会社の重要な先導者達へと変わってくれたのです。

 

 

もし、御社に凝り固まったベテランが多く、経営者が「思った程スピードが出せないな」となっていたとしたら?

 

その原因は「この人にこそ、ついて行きたい」という場、が存在していないから

かもしれません。

 

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