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芸能から考える海外ビジネス ~音楽とお笑いと海外ビジネス~ 

SPECIAL

東南アジア進出コンサルタント

KJグローカル経営事務所

代表 

国内企業向けの、東南アジア市場進出の戦略・実務コンサルタント。大学卒業後20年以上の間、メーカー・商社・公的機関にて海外ビジネス(主に東南アジア・中国)に従事。東南アジア市場におけるマーケティング・拡販業務を成し遂げた後、大手自動車関連メーカーにて同社中国初の販売会社(ディストリビュータ)を立ち上げ、人事・財務・企画等の管理部門の統括などを歴任。その後、食品/アルコール・伝統工芸品・医薬品/医療機器など多岐に亘る業種のアジア市場開拓支援を経て、2018年にKJグローカル経営事務所を設立。現在同社代表。

ピアノ、ジャズベース、ドラム。この3つからなるジャズ「ピアノトリオ」を愛好して約30年になります。ビル・エバンストリオ、キース・ジャレットトリオ、ブラッド・メルドートリオなど多種多様のピアノトリオがありますが、その魅力は、異なる音を奏でる各楽器が美しいハーモニーを紡ぎ出すという点でしょうか?

小規模ライブハウスなどに行きますと、各プレーヤー通しが視線を合わせ、他の2人がどのようなテンポや音色を奏でるか?に全力集中。微妙なアレンジも敏感に感じ取り、即座に反応してハーモニーを保っているのがよく分かります。クラシックには指揮者が存在しますが、一般的なジャズには指揮者は存在しません。(どちらが優れているかという訳ではありませんが) ジャズではプレーヤーそれぞれが、予定調和とは程遠い「臨場感ある掛け合い」を演じ合うのです。

お笑いの世界でも同じようなことがあります。長年活躍している漫才師のネタは、同じ題目でも日によってセリフや言い回しが全く違います。ひと昔前の人気漫才師:やすし・きよしにおいては、毎回相方が繰り出す異なるボケや突っ込みに対して、(数時間後の)次の出番までに「どのように相方を上回る返しをするか?に全神経を注いでいた」と言います。ステージは漫才師自身にとっても「極めて臨場感が高い真剣勝負の場」なのです。

一方、コントは基本的に台本通りに行う演芸です。コントには数々のセット(机や備品)が事前に準備されているため、突然のアドリブに対応するのには制限があるのでしょう。その点は「さんぱちマイク(中央に設置されるマイク)1本」で行う漫才とは大きく異なります。

当事務所には多くの「海外ビジネス相談」が舞い込みますが、「海外ビジネス」にジャズや漫才と共通する要素があります。それは、国内ビジネスのように「指揮者や不変的な台本」がないのです。国内ビジネスであれば、自らの商習慣や価値観から相手がどのような考えを持っているのか容易に想像することが可能です。しかしながら、商習慣や価値観が全く異なる海外企業と商談・ビジネスする際には、自らの知見・経験をそのまま使うことができないのです。これまでのご支援の経験上、この「当たり前のこと」を認識していないがゆえに、先方との交渉が上手く行かなかった例がいくつかあります。

つまり、海外ビジネス成功のためには【ジャズ・漫才的な柔軟発想】が必要です。しかしながら、ジャズの演奏者や漫才師も基礎となる「Standard(標準)となる演奏やセリフ回し」ができた上で、敢えてアレンジを加えている点を忘れてはいけません。守・破・離の「守(型)」は確実に習得した上で、応用を加えているのです。海外ビジネスに従事されているものの、思うような成果が見られない事業者の方は、改めて「海外ビジネスの基本ノウハウ」を習得されてみては如何でしょうか? 基本に立ち返ることによって、これまで見えなかった「新たな世界」が見えるに違いありません。

 

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