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「変化できる人」と「変化できない人」の違い

SPECIAL

ストック型営業戦略コンサルタント

株式会社南澤コンサルティング

代表取締役 

売上増と安定を同時に手にできる「ストック型営業」の仕組みづくりコンサルタント。
26年間にわたるカーディーラーでの営業経験(その中で店長として5店舗を15年間にわたり統括)から得た知見と実践を通じて、「ストック型営業」の仕組みを独自に構築。「人」を最も重要な資源と位置づけながら、限られたリソースを最大限に活用し、機動的な戦略を決定し、実現するための仕組みづくりを推進することで定評。

 

「変化できる人」と「変化できない人」の違い

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「南澤さん、何度言っても変わらない従業員がいて本当に困っています。」ーーーこれは、ご支援先の社長と飲んでいた時の言葉です。

 実際に、これまで従業員の行動を変えようと、社長は色々と手を尽したそうです。しかしながら、一向に変わらない従業員に対して、いら立ちさえ感じている様子でした。

私自身も店長時代、スタッフの行動を変えようと様々なアプローチを試みました。また、自ら進んで「今年こそは」とか、「来年こそは」とか、自発的に目標を立て変化を望むスタッフも数多く見てきました。

しかし、現実は厳しく「変化できる人」がいる一方で、「変化できない人」がいたことも事実です。そして、「変化できない人」を、「変化できる人」に変える方法を学ぶために、かなりの時間を要しました。

そのような経験の中で、「変化できる人」と「変化できない人」には多くの共通点がありました。そして、最も重要なのは、根本的な考え方の違いでした。これを理解する上で、心理学者キャロル・ドゥエックのマインドセットの概念が非常に有効です。

彼女は、変化できる考え方として、成長的な「しなやかマインドセット=growth mindset」と変化できない考え方である、固定的な「硬直マインドセット=fixed mindset」という概念を提唱しました。

しなやかマインドセットを持つ人は、人間の基本的な資質は努力次第で伸ばすことができるという信念があり、努力と経験を重ねることで、誰でもみな大きく伸びていけるという考えを持っています。

この考えを持つ人は、新たな挑戦を受け入れ、失敗を成長の機会として捉え、柔軟に対応する能力を持っています。そして、うまくいかない時こそ、粘り強い頑張りを見せます。このような人の関心は、自分を向上させることです。

これに対し、硬直マインドセットを持つ人は、能力や才能は変えられないと信じ、新しい挑戦を避け、失敗を自身の能力の限界と捉えがちです。このような人の関心は、自分が他人からどう評価されるかであり、他人からどう見られるかです。

しなやかマインドセットを持つ人は、常に新しい学びを追求し、自己を成長させることに積極的です。失敗から学び、自己改善に励みます。これに対して、硬直マインドセットを持つ人々は、自己の現状に満足し、変化を恐れる傾向があります。

こうしたマインドセットは、個人の行動や結果に対する責任感と密接に関連しています。「変化できる人」は、自己の行動や結果に対して責任を持ち、自己改善に励みます。一方で、「変化できない人」は、外的要因や他人のせいにして、自分の成長の機会を逃してしまうのです。

私自身の経験からも、「変化できる人」は、自己責任を認識しているかどうかが最も重要であると考えています。自己責任意識が強い人ほど、挑戦を恐れずに新しい試みにチャレンジし、自分自身を成長させる機会と捉える傾向があると感じています。

また、たとえ失敗しても、そこから学び、どうすればそれを成長に結びつけることができるか?と常に考える習慣を身につけています。そのような前向きな姿勢によって、失敗をストレスとして感じません。

失敗を学びの機会とも捉え、常に前向きな姿勢を持って挑み、「やればできる!」を具現化します。そして、たとえ苦境に追い込まれても失敗を恐れずに試練に立ち向かいコツコツと努力を積み重ねていくことができます。

これに対し、「変化できない人」は、失敗を恐れ、しばしば過去の成功体験に固執し、新しいアイデアや方法を試そうとしない傾向がると感じています。そして、最も問題なのは、環境や他人など周りのせいにすることで、自分自身を正当化することです。

そして、「変化できない人」は、自己責任意識が低いため、自己反省の欠如が目立ちます。自分の行動や結果に対して他人や外的要因のせいにします。

四書の一つ「中庸」に、「射は君子に似たること有り。諸れを正鵠に失すれば、反って諸れをその身に求む」とありますが、君子は弓の儀礼で的を外しても、決して弓や矢、風などの外的要因のせいにしてはならないとしています。これは、君子だけでなく誰にも当てはまります。

つまり、他人や環境を責める前に、自分が至っていないと、自己を反省することが重要であるということです。

外的要因のせいにしていては、いつまでも成長することができず、成果も出せません。このような態度のままでは、組織全体にも大きな影響を及ぼす可能性があり、経営者や管理者にとっては大きな課題となります。

変化を受け入れることができる人は、周囲にポジティブな影響を与え、チーム全体のモチベーションと生産性を高めます。一方で、変化を避ける人々は、チームのエネルギーを低下させ、全体のパフォーマンスに悪影響を与えることがあります。

リーダーシップにおいても、変化を受け入れる能力は重要な要素です。リーダーが変化を恐れず、常に学び続ける姿勢を示すことで、部下にも同じ姿勢を促すことができます。リーダーが率先して変化を受け入れ、新しい挑戦に積極的に取り組むことで、チームや組織の成長に貢献することができます。店舗においては、店長の与える影響は特に大きなものです。

結果として、組織が成功するためには、柔軟で成長的な考え方の育成が不可欠であり、自己責任意識を高める必要があります。個々の従業員が自己の能力を最大限に発揮し、変化を恐れずに新しい挑戦に取り組むことで、組織全体が成長し、目標達成に近づくことができます。

変化を促すためには、個々の従業員だけでなく組織全体の文化が重要です。組織文化が柔軟で開放的であれば、従業員も新しい考え方を受け入れやすくなります。組織が柔軟で新たな思考と行動を奨励することで、個人の変化を促進します。

変化を受け入れる能力は、現代の急速に変化する環境においては特に重要となります。技術の進歩や変転する市場環境に迅速に対応し、新しいトレンドを取り入れて事業を再構築することが、企業や組織の持続的な成長には不可欠です。

最終的に、組織が変化に対応するためには、単に個人レベルでのマインドセットの問題ではなく、組織全体として、変化をどのように取り入れ、促進するかにかかっています。

変化を恐れずに、柔軟で成長的な考え方を持つ組織、組織文化を醸成することが、組織の持続的な成長と成功の鍵を握っています。貴社では変化を受け入れ、柔軟に対応する体制が整っていますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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