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いまの事業モデルのまま進んでいいのか? それは1件あたりの単価をチェック

SPECIAL

年商10億事業構築コンサルタント

株式会社ワイズサービス・コンサルティング

代表取締役 

指導暦18年、これまでに200社以上の実務コンサルティング実績を持つ経営コンサルタント。「10億円事業構築」に強みを持ち、直近5年では、導入後数年で年商数億が10億越えをした企業は20社以上と驚くべき成果を出している。

集客サービス事業を展開するK社のコンサルティングが始まりました。
K社長は不安を隠さず言います。
「先生、こんな状態でコンサルを受けていいものなのでしょうか。」
 
 K社長自身がバリバリの『職人』として働いています。
昨晩も夜中まで仕事をしていました。
 
 私は御聞きしました。
「このままの状態で良いと思いますか?」
 
 少しの間があります。K社長は答えました。
「いいはずがありません、こんな状態は続けられません。それ以上に私が嫌です。」


「どのように稼ぐのか」という事業モデルは、単価とその回転率で決まります。
 
 単価が高いものを扱えば、回転率は低くなります。
逆に、単価が低いものを扱えば、回転率は高くなります。
 
 例えば、
客単価の高い飲食店は、回転率が低くなります。
お客様の滞在時間は長くなるため、一晩で1回転または2回転しかできません。
そして、その席と席の間はゆったりと空間があります。
 
 それに対し、客単価の低い飲食店は、回転率が高くなります。
お客様は食べるとソソクサと店を出ていきます。
そして、その席と席の間は狭く、座席のその形も表皮も機能的なものになっています。
 
 また、服やバックを扱う店も同じ法則になります。
単価の高い物を扱う店は、物がゆったり置かれています。
それに対し、単価の低い物を扱う店は、テーブルの上に物がびっしり置かれています。
 
 我々は無意識のうちに、その『単価』から『ゆったり具合』を予測しています。
また、その『ゆったり具合』から、『価格』がどれぐらいなのかを予測しています。
それらにより『事前期待』を形成しているのです。
 
 その自分の中に形成された『事前期待』が、合わない時に大きな違和感を持つことになります。また、その抱いた『事前期待』に比べ、実際が低かった時に不満足となります。
 
 店に行く前にコース料理を予約しました。店に行ってみると座席が窮屈に感じられます。
そして、その料理が出るペースが速いのです。
その空間も料理のペースもその価格に見合っていないように感じます。
 
 外観がゴージャスな店を見つけました。外から店内を覗くと「ゆったり」しています。
店に入り、その服を手にとります。そして、値札を見るとびっくりしました。
思っていた価格の半分ほどです。
 
 このような事業はやはり成り立ちません。
単価の高い店だけど、その空間やそのサービスが見合っていない。そうであれば、リピートはなく、徐々に顧客は減っていくことになります。
 
 店の外観や内装に金をかけ、店内もゆったりである。そうであるのに、「安い物」を扱えば、その経費を賄いきれなくなります。
 
 このようなバランスを崩した状態は長くは続きません。
それは、『赤字』という形で現れてきます。それは「警告」です。
「このビジネスはダメだぞ」という警告なのです。
 
 その時には、「価格を見直す」か「サービスをふさわしいものにする」、または「経費を削る」のどれかの対策が必要になります。それをしなければ、徐々に体力を削られることになります。
 
 その状態に焦り、更にその『度』を増す判断をすることがあります。
ある顧客の「価格にサービスが見合っていない」と言葉を取り違い、価格を下げてしまいます。
その服の安さが評判になり、客層が変わってきました。安い物を求める人達です。その状況に今までの顧客が来なくなります。そして、益々経費が合わなくなります。
 
 その行きつくところが「倒産」となります。
 
 単価と回転率こそが事業モデルであり、その最適な組み合わせが良いビジネスなのです。
そのバランスを見つけること、そして、崩さないことです。


私は、集客サービス業のK社の「今」の単価をお聴きしました。
K社長は、「単価は400~1000万円とばらつきがある」と答えました。
 
 私は、それではと顧客の種類を確認します。
K社長は、「法人」と答えました。
 
 私は、続けてK社長に理解して頂けるようにいくつか質問をしました。
その結果、K社には顧客は「二人」いることが解りました。
それは、「中小企業」と「大企業」です。
 
 これは良くあることです。
多くの年商数億の社長が、「自社の顧客が誰なのか」を正しく理解していないのです。
 
 そして、私は改めて訊きました。
「御社の単価はいくらですか?」
K社長は天を仰ぎ考えます。その時、K社長の中で繋がったようです。
「中小企業が400万円で、大企業が1000万円です。」
 
 これがK社の扱っている単価です。
一見ばらつきのある単価も「分解してみるといくつかのグループに分けられること」はよくあることです。
そして、これは事業が複数あることを意味します。
 
 私は敢えて、ストレートに訊きました。
「どちらの事業を伸ばしたいですか?」
通常しっかり分析するところです。しかし、K社長の頭の良さを見込んでの質問をします。
 
 すると予想どおりに、すぐに答えが返ってきました。
「大手企業です。大手企業から仕事を受けたいです。」
 
 K社長は、続けてその理由も出しました。
・大きい会社ほど、このサービスからの利益は大きくなる。
・ある程度の予算が必要になり、中小企業では割高になる。
 
 そして、K社長は考え、次の言葉を言いました。
「400万円を10件やれば4000万円です。
1000万円を10件やれば1億円になります。」
 
 K社長は、しっかり『年商=単価×数』の法則を理解されていました。
ご自身の目標である年商に行くためには、「一年間にどれだけの単価でどれだけの件数をこなせばよいのか」を考えていたのです。
 
 多くの事業では、単価が変わってもその手間は殆ど変わりません。
営業し見積もりし、材料を手配し書類を作成する、その工数は変わらないのです。
そのため単価が大きいほど、その効率は良くなります。
 
 それどころか「大きい単価のほうが手間が減る」ことが多いのです。
K社にもそれが当てはまりました。
 
 顧客である中小企業のその担当は社長になります。社長には大きなこだわりを持った方が多くいます。またそれほどこの分野の専門知識を保有していないのです。そのため、どうしてもその進行に手間と時間がかかるのです。
そして、どうしても「K社長」に声がかかることになります。
 
 それに対し大手企業のその担当者は「受け持ち部署の社員」になります。すべてが、彼らには前提となる知識があり、組織としてロジックに進んでいきます。また、メールのやり取りもスムーズなのです。
そして、こちらの担当は社員で十分です。社員同士で仕事を進めてくれます。
 
 自社の目標年商を考えた時、
また、手間と単価を考えた時、
そして、社員化(社長が現場を離れること)を考えた時に、自ずと『大手企業』を重点にしようという答えになったのです。
 
 当然そこにも課題があります。
どのように集客するのか。長期にわたる営業はどう管理するか、求められる与信をどうするか。
それらを解決する必要があります。しかし、それには明確な答えがあります。
それをお伝えして構築するだけです。
 
 K社長は、笑顔で答えました。
「いやー、事業モデルの問題がクリアされていれば、それらの苦労はたいしたことありませんよ。」
気のせいかK社長の目の下のクマが薄くなったように感じられます。
 
 年商とは、単価×数の関係になります。
ぜひ、一度計算してみてください。
 
 年商10億円行くためには、今の単価を何件やればよいのか。
その件数は現実的でしょうか。
「それだけの市場の大きさがあるのか」や「それだけの件数をこなせるのか」
そして、「それだけの件数をこなすためにはどれだけのスタッフ数が必要になるだろうか」
 
 そこに問題が無ければ、今の事業モデルで頑張るだけです。
見えているところまで、最速で行きましょう。
 
 もし問題があるのであれば、このまま進むことはできません。
事業モデルの変革が必要になります。
新たな単価と数の関係を獲得しなければなりません。

 

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