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その場しのぎの売上に走る恐怖

SPECIAL

ブランディング営業体制コンサルタント

H&Cブランディングマネジメント株式会社

代表取締役 

中小企業のための、「ブランディング営業体制」を構築するコンサルタント。営業スタッフのみならず、全社をあげて、企業価値をしっかり守り、価格競争をせずに確実に売れていく体制づくりを指導する。

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「先生、今度ウチの会社にコンサルが入ることになったんですよ」

先日、ある会社の事業部長様からご連絡をいただきました。以前から集客に悩んでいらっしゃる飲食関係の会社さんで、好立地でおしゃれな店づくり、美味しいお料理など「良いところ」がなかなか活かせずにいて売上が思わしくないご様子でしたので、遂に社長様が重い腰を上げられたのかと思い、「良かったですね」とお応えしましたがどうも様子がおかしいのです。

お聞きすると、そのコンサルタントは以前その業界で働いていたことがあり、豊富な経験と、かなりの実績がある方のようです。しかし、コンサルティング契約が決まった途端に、事業部長以下社員全員に、命令口調(いわゆる上から目線)の横柄な態度で会議に出席したり、一方的なメールを送りつけて来たりするのだそうです。

「いや~参りましたよ・・・。不満に思う社員がほとんどですし、第一、私自身もイライラとストレスで仕事に身が入りません・・・。」と。

そのコンサルタント先生は、メニューの内容や価格設定、季節限定のイベントやキャンペーンなどの提案に加えて、店内の清掃や従業員の接客態度、上司への報告の仕方や連絡のタイミングにまで口を出すのだそうです。

そして、これまでの高級志向なお店ではなく、最近増えている外国人観光客を取り込むために、もっと手頃な価格で多国籍なメニューに変えて行こうというお考えらしいのですが、その事で社員とぶつかった時にも、「今のままではダメだ!現に売上が上がっていないじゃないか!」と、頭ごなしに叱ったとかで、社員のやる気が失せていく状況が手に取るように伝わってきます。

何ともお気の毒としか言いようがありませんが、この会社は、店舗はほとんどその部長が回していて、社長はたまにやって来て売上だけチェックしていくそうですが、売上が順調な時には黙ってニコニコ帰って行ったこの社長も、この一年間ずっと売上が伸び悩んでいることから、社員の面接や定休日、ホームページなど、現場の意向を無視して自分の気が向いたところだけ口を挟んでくるそうです。私ならお断りしたいタイプの社長様ですが、このような経営体制で10年近く続けているそうですから世の中には色々な会社があるものだとつくづく思います。

私も長年多くの経営者にお会いしてきましたが、先ほどのような「売上重視」の経営者は非常に多いのは事実です。しかし、その売上の出処(根拠)をしっかりと意識して把握し、戦略的にそれを積み上げている経営者はそう多くないように思います。

たまたまお店を開いたらお客様が来てくれた・・・

たまたま会社をつくったら、前職時代の付合いの延長で仕事があった・・・

たまたま去年と同じように経営していたら同じだけの仕事が来た・・・

もしかすると今回も、「たまたまコンサルタントが入ったら業績が良くなった」・・・となるかもしれませんが、あまりにも安易過ぎる考え方ではないでしょうか。価格を下げて、メニューを増やし、その場しのぎのキャンペーンを打つ。これくらいの事なら大金を支払って外から第三者を呼んでくる必要など全くありません。大切なのは、いかに戦略的に仕掛けていって、こちらが意図した売上を積み上げていくか、そして、勝手に見込客が増えるような仕組みが出来上がっているかです。その采配を振るのはもちろん経営者で、最終の判断を下し責任を持つのも経営者自身です。

そのために、まずは自分の目で現実を見てそれを知り、自分の会社の立ち位置とその事業の将来性を冷静に見ることが必要です。そして、仮にコンサルティングを導入する場合には、自分の事業のどこに何が必要で、何に対して力を貸して欲しいのか、くらいは明確に伝えることができなければ、ただ振り回されて迷惑するのは社員です。

仮にその場しのぎであっても、経営者にとって「売上」とは喉から手が出るほど欲しいものかもしれませんが、来年も再来年も安定的な売上を出し続けるには本物の戦略が必要です。

経営者の皆さま。その戦略はその場しのぎですか?それとも生き残りをかけた本物ですか?

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