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第511号 反対派を増やそうとする人の弱点とは

SPECIAL

多店舗型ビジネス企業のマネジメントの仕組み構築コンサルタント

株式会社ピアーズ

代表取締役 

マネジメントの仕組み構築のスペシャリスト。
これまで20年以上チェーン事業に身を置き、実際に15の組織のリーダーを務め、200以上の経営に関わり売上、利益を上げてきた経験を持つ。チェーン事業の売上が兆単位の企業や創業40年以上の歴史を持つ企業にさえマネジメント面の仕組みが1つも存在していない事に疑問を持ったことから、チェーン事業に共通するマネジメント面の仕組み構築方法を体系化。その効果は大きく、マネジメントの半ば自動化と質の向上により、クライアント企業は利益2~3倍増、業種によっては仕組み実装の初月から数値を跳ね上げさせる指導を展開している。

第511号 反対派を増やそうとする人の弱点とは

 「伊東さん、なぜ反対派を増やそうとする人が現れるんでしょうか」

ある社長から質問でした。

 

反対派を増やそうとする人とは、会社や店舗の批判を掲げ、反対派を増やそうと陰で動く人のことです。

 

社長がご心配されていたのは、各店の店長。

社内の問題は私が何とかできるが、各店長も同じようにこういった困難を乗り越えられるのか。

 

店舗運営はただでさえ大変なのに、更に店長達を苦しんでしまいギブアップされては困る。

何か会社として事前に有効な手をうっておきたいとのお考えでした。

 

 

この反対派を増やそうとする人。

不思議なのは、どの組織にも、どの店舗にも現れてしまうことです。

 

一体なぜなのか。

 

私が推測する原因を1つ挙げますと、それは学校教育の環境にあると見ています。

 

学校の存在自体が悪いと言ってるわけではありません。

皆一律に教育を受けられる場で、日本という国において良い仕組みだと思っています。

 

ただ、問題なのは学校生活における生徒達の環境です。

 

そこでは「逸脱した行為をすると非難される」という面があるからです。

 

これによって生徒達には

 「皆と同じ事をしなければ」

 「違った事をしてはいけない」

 

 「多数派が正しい」

 

 「あいつはおかしなやつだ」

 「仲間外れにしよう」

などの考え方が根付きやすくなっています。

 

反対派を増やそうとする人がどういったことをするのかといいますと、よくあるのは

 「おかしいと思わない?」

 「だよね」

などと組織の否定意見を掲げては、どんどん仲間を増やそうとしていくこと。
とても立派な社会人のする行為とは言えません。

 

しかしそうはいっても、こういった行為は組織のリーダーをじわじわと苦しめてきます。

 

そして厄介なことに、この扇動をピッタリと止められる手段はありません。

 

その理由の1つとなるのが「私が反対派の代表者だ」と認めてくれない点です。

 

社長や店長が、組織のリーダーとして「反対派を増やしていくことをやめてほしい」思っていたとしても、それを誰に話したらいいかわかりません。

 

誰が陰で反対派を扇動しているのか。

大体目星はついていることでしょう。

 

しかし、もしその人がわかって、うまく言いたいことを言えたとしても解決に至ることは困難です。

 

なぜなら「そもそも私は反対派じゃないから知りません」などと言われてしまったらお手上げだからです。

 
それ以上どうすることもできません。

 

だからといって何も手を打たずに放って置いても問題は解決しません。

その間、また着々と反対派を増やされていくだけです。

対策は早めにうつべきです。

 

 

ではこの厄介な問題。

反対派を増やす人に対してどう向き合うべきなのか。

 

 

ここで私のお薦めがあります。

 

それは

 一貫性のある主張で立ち向かうこと。

 

理由はシンプルで

反対派が好むのはリーダーの一貫性の無い主張だから

です。

 

彼らが仲間を増やしていける理由は、

 ・リーダーが掲げている主張がおかしいから

また

 ・矛盾があるから

 ・整合性が無いから

 ・つじつまが合っていないから

などで、その不備を突くことにあるからです。

 

また、その効果は反対派の行動をストップできるだけにとどまりません。

立ち向かった結果、会社の業績を上げられる形になった企業もあるからです。

 

 

ある企業の事例です。

その会社では本部も各店も、反対派を増やす人達に悩まされていました

 

原因は、社内に社長や店長の主張はあったものの、それがうまく伝わる形になっていなかったから。

 

その後、社長が苦労して一貫した主張を立てて、それが全員にうまく伝わる仕組みをつくって実装したところ一転。 
本部も各店でもそれまで反対派のリーダーと思しき人物が一番働くようになったことです。

 

ある店舗の事例を紹介しますと、今まで元気の無かった直営店がおすすめ販売ができるモデル店へと変わった事。

 

嬉しいことに、まだ仕事に慣れていない学生達でも積極的に売ろうとする店舗になったのです。

 

それができたのは、今まで店長の反対派だったある女性スタッフ。

 

店長がやってもらいたかった

 「ただ待って売るだけではダメ」

お客様にどうやって声を掛けたらいいのか、どう言えば恥ずかしさを抑えられ、喜んでもらえるのか。

 
彼女の指導は、時に残業してまで学生を変えてくれるようになったのです。

 

この内容については弊社のセミナーに( https://pearze.jp/seminar_lp/ )にて紹介していますので、ぜひご参加ください。

 

 

会社や店舗などの組織にも、なぜ反対派を増やそうとする人が生まれてしまうのか。

 

彼らは一見「嫌がらせをしたいから」と見えますが、私はそうは思いません。

 

多くのケースは

 「もっとバリバリ仕事がしたい」

 「だけど、それを発揮できる場が無い」
だから仕方なく、行き場の無いエネルギーの矛先を社長や店長の否定という方向に向けているだけだと見ています。

 

なぜなら、そもそも仕事に熱心さが無い人は反対派にもなろうとしないからです。

 

店舗型のビジネスの経営者にとって大事なのは、

 「皆がそれぞれもっている働きたいというエネルギーを、正しい方向に向けてあげられるかどうか」

 

反対派を増やそうとする人に対して、弱点を見つけ、そこをついて成敗するのではなく

どうしたら彼らの熱心なそのエネルギーを社長の思いに沿って発揮してもらえるか?

その環境づくりと言えるのではないでしょうか。

 

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