「感じのいい会社は意図的につくれる」──イメージ4本柱がつくる空気の設計図

「感じのいい会社は意図的につくれる」──イメージ4本柱がつくる空気の設計図
こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する「空気感」を意図的に設計し運用する仕組みのこと。
透明資産を取り入れた透明資産経営は、お客様との絆が深まり、従業同士の信頼関係が築きあげられ、商品・サービスの独自性が強化されます。そして、持続的成長につながる経営の仕組です。
「うちは、広告にお金をかけてないのに、なぜか応募が多いんですよ」
「うちの店舗は、説明しなくても“感じがいい”って言われるんです」
こんな企業に共通しているのは、単なるデザインの巧さではありません。
彼らは空気をデザインしているのです。
それを私は透明資産経営と呼んでいます。
つまり、目には見えないけれど確実に価値を生む、企業の空気感を意図的に設計・運用している状態のことです。
この透明資産の仕組は5つの構造でつくられています。その構造の1つが、「イメージの4本柱」ロゴ、コーポレートカラー、キャッチコピー、キャラクターです。
―なぜイメージが空気を左右するのか?
経営とは「意思の連鎖づくり」です。
社長の想いや価値観が、社員、顧客、地域社会へと伝わる流れ。
ところがこの流れは、言葉よりも非言語によって左右されることが、心理学的にも明らかになっています。
メラビアンの法則によると、人が他者から受ける印象のうち、言語情報(話の内容)はたった7%。
残りの93%は、声のトーンや表情、雰囲気といった非言語要素によって決まるといわれています。
企業も同じです。
ロゴの形、色の印象、キャッチコピーの響き、、、これらが醸す空気感が、無意識のうちに人の脳を動かすのです。
たとえば青色を基調とするコーポレートカラーは「誠実・信頼」を象徴し、銀行や医療機関に多く採用されています。
一方、オレンジや黄色は「親しみ・活力」を感じさせ、飲食やサービス業が多用します。
これらの印象は単なる感覚ではなく、神経科学的にも裏付けがあります。
脳の扁桃体は「色と感情」を強く結びつけており、視覚刺激によって安心・信頼・興味といった情動反応を瞬時に生み出すのです。
だからこそ、イメージ戦略とはデザインではなく経営なのです。
―ロゴは「理念の象徴」、カラーは「空気の温度」
ロゴは企業の顔ではなく、理念の結晶です。
たとえばアップルのロゴ。あのシンプルなリンゴマークを見ただけで、「創造性」「自由」「美意識」というブランド哲学が瞬時に伝わる。
重要なのは、デザイン的にカッコいいとかステキとかではなく、理念が形になっているかということ。
日本企業の多くは、ロゴを制作会社任せにしてしまいます。
しかし、ロゴは経営者の意思決定そのもの。
どんなフォントにするか、丸いか角ばっているか、それだけで組織の気質が透けて見えるのです。
次に、コーポレートカラー。
これは会社の「空気の温度」を表します。
冷たい青か、温かい赤か、落ち着いたグレーか。
実は、社員の服装、オフィスの照明、SNSの配色、、、これらがバラバラな会社ほど、社内の方向性もバラバラになりやすいんです。
脳は色の統一を「秩序」として認識します。
その結果、お客様は安心し、社員は帰属感を持つ。
つまり、色の一貫性は無意識の中に秩序と信頼をつくる経営ツールなのです。
―キャッチコピーは「行動の指針」、キャラクターは「空気の人格」
言葉は、空気を形にします。
キャッチコピーとは、企業理念の音声化です。
たとえばスターバックスの「人々の心を豊かで活力あるものにする」。
短い一文が、全社員の行動指針となり、店舗の雰囲気、顧客対応、商品企画すべてに空気の共通言語を生んでいます。
キャッチコピーを決めるとは、経営の方向を音で固定すること。
心理学では「言語的ラベリング効果」と呼ばれます。
人は、言葉にした瞬間に思考が整理され、行動が定まる。
つまり、社員がその言葉を“唱えるだけで”空気が整うのです。
そして、最後の一本柱は、キャラクター。
キャラクターとは、単なるマスコットではなく「空気の人格化」です。
企業がどんな感情を持ち、どんな距離感でお客様と関わりたいか、どんなストーリーでそんな世界に生きているか、を具現化する存在。
たとえば「くまモン」。
彼は熊本の魅力を全国に広めただけでなく、県庁職員や市民の誇りを引き出し、組織文化そのものを変えました。
脳科学的には、キャラクターは擬人化によってミラーニューロンを刺激し、「親近感」「愛着」「共感」を引き出します。
つまり、キャラクター=共感の装置なのです。会社とお客様をつなぐ。会社の代理人として商品サービス、ときには会社の魅力を伝える存在です。
―感じのいい会社の正体は、無意識の一貫性にある
「なぜか感じがいい」このなんとなくの正体は、無意識の一貫性です。
ロゴ・色・言葉・キャラが、見えないレベルで整っていると、人は安心を感じます。
心理学では処理流暢性(fluency)と呼ばれる現象です。
人間の脳は「理解しやすいもの=正しい・好ましい」と感じる傾向があります。
つまり、デザインの統一感=信頼感なのです。
経営とは、社員・顧客・地域社会の「認知の統一」を図る営みといえます。
だからこそ、イメージの4本柱を整えることは、経営理念を視覚・言語・感情の3軸で一致させる行為なのです。
―空気をデザインできる社長は、未来をデザインできる
「うちはそんなにデザインに力を入れる会社じゃないから」
そう言う社長ほど、実は空気感の影響力を見落としています。
ロゴや色や言葉やキャラは、おしゃれのためにあるのではありません。
それらは、経営の意思を可視化し、空気を意図的に設計するためのツールなのです。
ロゴは、社員が誇りを感じ、お客様はあなたの会社や商品サービスを思い出す、
コーポレートカラーは、社員が会社のメッセージを無意識に感じ、お客様は安心して信頼を抱く、
キャッチコピーは、社員の判断基準となり、お客様は商品サービスを手にする動機となり、
キャラクターは、社員に癒しと業務の軸を思い出させ、お客様には社員の分身として活動する。
そして、透明資産の5つの構造、「社長のストーリー」「商品サービスNO1&オンリーワン」「情報局」「社長塾&社内学校」「イメージ4本柱」が相互に関係し合って、あなたの会社ならではの『空気感』が意図的にデザイン設計されるのです。
この状態こそ、理想の空気が循環して、社長の想いが息吹いている企業の姿なのです。
まさに、透明資産経営で目指すところです。
―最後に、経営者に問いたい
あなたの会社のロゴは、「今の理念」を映していますか?
コーポレートカラーは、「社員が誇れる空気」を出していますか?
キャッチコピーは、「判断の基準」になっていますか?
キャラクターは、「お客様に愛される人格」を持っていますか?
イメージの4本柱は、経営の無言の指揮棒です。
それが揃っている会社は、指示をしなくても社員が動き、広告を打たなくてもお客様が寄ってくる。
つまり、空気が経営している状態です。
経営とは、数字を動かすために、理想の空気を動かすこと。
そして空気を動かすとは、見えないものを意図的に設計する力です。
それこそが、これからの時代の経営者に最も求められる透明資産経営なのです。
―勝田耕司
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