ビジネスをしているときが一番楽しい
「細井さん、あなたは定年がないでしょ!いいねえ」
「う~ん、でもね、定年がないということは、自分で定年を決めなきゃいけないんですよ」
これは、ある趣味の集まりでの会話です。趣味といっても玄人はだしの方ばかりで、その道何十年とモノの見方や技術を磨いてきた人達です。
その集まりのメンバーは30年以上の付き合いの方が多く、当然、それなりに年齢を重ねています。要するに、老人に近い人たちが集まっているということです。会社を退職して「毎日が日曜日」という方もいますし、「来年定年なんだ」という方もいます。
そういう年頃の人達ですので、自然と話題は定年後の生活や年金、健康の話になります。もちろん趣味の話もそこには混じってきますが。
「毎日が日曜日で、やることがなくて困る」という状態になったことがありませんので、それが楽しいことなのか困ったことなのか、よく分かりません。しかし、これだけは言えるでしょう。そうなってしまうと社会との接点が少しずつ薄くなり、老化が進むということです。
サラリーマン時代に会社で活躍し、どんなに実績を残したとしても、やがて定年がやってきます。定年になってしまえば、会社にとってみれば不用品です。
定年延長をしたとしても、窓際に追いやられるか、以前の部下が上司になって指示を受ける立場になるか。なんと淋しいことでしょう。
その点、もしあなたがオーナー経営者なら、自分が納得するまで経営者としてビジネスを続けられます。どんな小さな会社であっても、そこがサラリーマンとの違いと言っていいでしょう。
中小企業は一般的に、経営資源に乏しい会社が多いです。特に、人とお金に苦労されている会社が多いです。そのほか、さまざまな問題が発生し、東奔西走している経営者の方もいるでしょう。
そのような苦労はあったとしても、自分が納得するまで経営者として立ち振る舞うことができます。これは幸せなことであると考えています。なぜなら、ビジネスをしているときが一番楽しいからです。社会と接点を持っていることが大切だと考えているからです。
ただし、注意すべき点があります。「老人の跋扈」状態にならないことです。老人の跋扈とは「魚籠の中で、捕らえた魚が暴れるさまを、傍若無人にふるまう老人にたとえた表現」です。
経営者寿命が尽きて、正しい判断・決断ができなくなっているにもかかわらず、部下に高圧的な態度で命令する。うまくいかなければ部下に八つ当たりする。気に入らない人を遠ざける…。
このような様を実際に経験し、見たりしてきました。それは、とても見苦しいということを本人は分かっていません。要するに、裸の大様だということです。
経営者は苦労が多いとしても、ビジネスをやっているときが一番楽しいと思います。また、そうでなくてはいけません。
当社は小さな会社ですが、どこにも依存しない「独立中小企業」です。したがって、すべては自分の責任です。成功するのも失敗するのも、すべて自分です。それが楽しいのです。
「DMの反応率が落ちてきているから、あて先の業種を変えてみよう」
「もっとわかりやすいセミナーのやり方や構成はないものだろうか」
「あのクライアントは、ちょっとサポートが必要かもしれない」
こんなことを考えながらビジネスをやっています。たぶんそれは、自分が定年を決めるまで永遠に続くものだと考えています。
以前、親交のあるコンサルタント仲間と一つ約束をしました。それは…、
「どちらが早くコンサルタントを引退するか」
「どちらか早く引退した方が、相手に一杯おごる」
というものです。このコンサル仲間は同い年ですので、年齢の差はありません。体力・気力の差でしょうか。それとも、ビジネスを楽しめるかどうかでしょうか。
いずれにしても、ビジネスは楽しくやりたいものです。楽しくなければ続きません。楽しくやるためにはチャレンジすることです。
チャレンジは理屈ではありません。成功確率を一生懸命計算しても、やってみなければわかりません。そこは経営者としての感だったり、思い切りだったりが必要です。何もチャレンジせずに、いつも安全運転では面白くないですね。
危険な運転とかではいけませんが、事業を大きくするには、思い切ったチャレンジも必要ですよ。
コラムの更新をお知らせします!
コラムはいかがでしたか? 下記よりメールアドレスをご登録いただくと、更新時にご案内をお届けします(解除は随時可能です)。ぜひ、ご登録ください。

