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挨拶のかたちが変わるということ

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循環経済ビジネスコンサルタント

合同会社オフィス西田

チーフコンサルタント 

循環経済ビジネスコンサルタント。カーボンニュートラル、SDGs、サステナビリティ、サーキュラーエコノミー、社会的インパクト評価などへの対応を通じた現状打破と成長のための対案の構築と実践(オルタナティブ経営)を指導する。主な実績は、増客、技術開発、人財獲得、海外展開に関する戦略の構築と実現など。

「明けましておめでとうございます。そろそろはがきの年賀状を止めることにしました。」ここ数年、そんな書き出しの年賀状を受け取ることが増えてきました。

 

 理由をうかがうと、「もう歳だから」「退職したのを機に」といった声がある一方で、SNSや電子メールに切り替えます、という説明を添えてくださる方も少なくありません。年賀状を止める、というとどこか寂しい響きがありますが、挨拶そのものを止めるわけではなく、手段を変えているだけなのだと感じます。

 

 最近では、HTML形式でとてもきれいに作られた年賀メールを頂くことも増えてきました。写真やデザインが洗練されていて、「なるほど、これはこれで良いものだな」と感心させられます。若い世代になると、動画を送り合うという人も珍しくないようです。短い動画の中に、その人らしさや近況が自然に盛り込まれていて、従来の年賀状とは違った温かみを感じることもあります。

 

 考えてみれば、年始の挨拶は欠かしたくない、でもわざわざ年賀状を買ってきて印刷し、宛名を書き、一言添えるという作業は、確かにそれなりの手間がかかります。その手間をどう減らすか、あるいはどう別の形に置き換えるか。そうした悩みに応えるサービスや仕組みが、さまざまな形で登場してきたということなのでしょう。

 

 これは年賀状に限った話ではありません。日常生活全体を見渡してみても、「印刷する」という行為そのものが、ずいぶん少なくなってきたように思います。以前は書類を綴じたファイルやバインダーが棚を占領し、収納場所に頭を悩ませていたものですが、今や書棚には大きな隙間ができている、というご家庭や職場も多いのではないでしょうか。

 

 その分、電子データの整理が進みました。わざわざ印刷しなくても、さらには自分の端末にダウンロードしなくても、クラウド上に必要なデータがあり、いつでも取り出せる。そんな状態が、すっかり当たり前になってきた感じがします。中身を見るならタブレットやスマートフォンで十分ですし、いつでもどこでも確認できる利便性を考えると、印刷する意味が薄れてきている、と言ってもよいのかもしれません。

 

 こうした変化を見ていると、もうあと何年かすれば、紙の年賀状は「かつてはこんな習慣があった」と語られる、過去の遺物のような扱いを受けるようになる可能性もあるのだろう、と思わされます。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、技術の進歩と生活様式の変化は、それくらいのスピードで私たちの身の回りを塗り替えてきました。

 

 ただ、ここで大切なのは、形式が変わっても「挨拶を大切にする気持ち」そのものが失われるわけではない、という点です。むしろ手段が多様化したことで、それぞれの人に合った形で気持ちを伝えられるようになった、と前向きに捉えることもできるのではないでしょうか。

 

 時代とともに、挨拶の形式もまた変わってゆきます。その変化を嘆くのではなく、「今の時代らしいやり方とは何だろうか」と考えてみる。そんな柔らかな姿勢こそが、これからの社会やビジネスにおいても、きっと大切になっていくのだろうと、年の始まりにあらためて感じています。

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