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第69号:売上目標を与えても、社員が数字を追わない会社の共通点

SPECIAL

1人粗利最大化事業づくりコンサルタント

株式会社ポリフォニアコンサルティング

代表取締役 

経営の最重要指標である「1人粗利」を極限まで高める手法の指導に特化した専門コンサルタント。徹底的に“数字”で先導する事業/組織設計による、1人粗利が「増えるべくして増える仕組み」を導入指導する専門機関。事業活動、組織活動をダイレクトに数字に接続していく「BLACKメソッド」を独自開発し、“勘やセンス”ではなく“科学と論理”による再現可能な1人粗利最大化構造を体系化。氏が関わった経営者からは「本当に1人粗利とお金が増えた」「実務感が半端ではない」「勇気ある意思決定ができるようになり経営が楽になった」「あくせくしないゆとりある経営を手に入れた」と絶大な反響が寄せられている。

「シライ先生、いま、我が社では、売上目標を誰も本気で追おうとしません」

こう仰るのは年商6億円の会社を経営するA社長です。毎年事業計画は作っている、そこで全社売上目標、粗利目標も設定している。そして部門別や個人別の売上粗利目標も設定している。しかし、誰もそれを普段意識して仕事をしていない・・

そのせいか、今でも会社のトップセールスはA社長と1人の古参社員。販売を担当している15名の社員がいるにもかかわらず、この2名で5割の売上粗利を稼いでいます。

私は、毎年作成しているという事業計画を拝見します。すごいことに、直接顧客から売上を貰わない製造や修理メンテ部門にも「売上目標」が与えられています。

これは部門別採算管理をやっている会社の特徴で、販売部門が販売した売上粗利を、製販部門で「折半」し、それぞれに売上粗利責任を持たせるために行われています。

にも拘らず、A社の販売部門も製造部門も、この「売上目標」を毎日意識して追っている人が殆どいない、という状態になっています。販売部門だけではありません。製造部門も同様です。

全社そういう雰囲気になっているのです。目標が形骸化しているどころか、追っても達成できないことが当たり前になってしまっています。

目標が大切であることに変わりありません。しかし、目標だけあれば社員が数字に繋がる動きを取れるか?と言えば、それは全く別の話です。この問題は「事業と組織が構造的に分断していること」にあります。

そもそも「事業」とは、顧客に対して自社独自の価値を提供していくことです。ですから事業とは「外部」が享受する独自価値の大きさや性質で定義されます。

一方の「組織」とは、外部が受け取る独自価値を実現するための、自社内の業務と資源の体系です。つまり自社「内部」の業務や人材のあり方で定義されます。

当たり前ですが、「外部」が享受する独自価値を生み出す「内部」の業務活動が組織の活動、ということになります。

ここで、多くの会社がやってしまう誤りがあります。それは、事業の成果そのものを「業務」だと勘違いしてしまうことです

「売上・粗利」これらは事業の成果です。しかし、それ自体は誰かの「業務」ではありません。事業と業務は、概念そのものが違うのです。事業とは顧客側が享受する独自価値であり、業務はその独自価値を生み出すために「業務担当者がなすべきこと」です。

語弊を恐れず言えば、事業の成果目標である「売上粗利」を決めるのは「顧客」です。事業成果は、組織の外部側にある顧客の指標だからです。

これが理解できれば、売上粗利目標が形骸化し、誰も本気で追わず、未達が当たり前になっている理由は明快になります。外部にある顧客側の指標は、厳密な意味で内部にいる社員がコントロールすることは不可能だからです。

「そんなことはない!俺はずっと売上を目標として上げ続けてきた!」という声が聞こえてきそうです。また、難しい技術や技能職といった立場においても同様に「自分は仕事に一生懸命向き合ってこの技術を手に入れたんだ」と仰る方もいるでしょう。

それは立派なことです。しかし、個人として立派なことと、会社が立派になることは違う次元の話です。

個人として優れているゆえに、組織の1人粗利を扱う場において、その根本的ズレ、即ち、事業成果と業務成果の構造的違いに気が付くことができないことは往々にして起こり得ます。

営業職には、「売上を上げる」という「業務内容そのもの」は存在しません。営業職どころか、企画にもマーケティングにも販売促進にも開発にも、「売上を上げる」という業務内容そのものは存在しません。業務上存在しないことを意識させたり追いかけさせるなど、できない相談です。

営業職にある業務は「アポイントを取る、訪問する、説明する・・・」といった専門的仕事です。マーケティングにある業務は「コピーを考える、コンテンツをつくる、導線を敷く・・・」といった専門的仕事です。

売上粗利を営業職にあげさせたいのなら、売上粗利目標に直接的に繋がっていく、営業職務上のコントロール可能な目標数値が設定されなければなりません。

自社の職務を分解し、関連を明らかにし、なすべき仕事を定義し、仕事ごとに測定可能な指標を設定するのです。そうした業務上の指標は、決算書には出てきません。自社で作るしかないのです。

売上粗利目標は必要です。それが事業の成果であり、業務の目的だからです。しかし、社員が日々遂行しているのは、あくまで「業務」です。この事業成果と業務成果の構造的違いと繋がりを理解しないままでは、売上粗利を追える組織にはなっていきません。

一部の優秀社員以外、誰も「事業成果」を追おうとしない・・・それは、事業成果に繋がらない業務の回し方を、ずっと繰り返し続けている、ということです。

あなたの会社全体の「業務の質」は、10年前と比べて変わりましたか?それとも、人数が増えただけ、社員の顔ぶれが変わっただけ、業務量が増えただけですか?

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