透明資産経営|〝いい会議〟をやめた会社から業績が伸び始める理由とは?

こんにちは!企業の空気をおカネに変える専門家、透明資産コンサルタントの勝田耕司です。
透明資産とは、業績に影響する空気感を意図的に設計し運用する仕組みのこと。透明資産を取り入れた透明資産経営は、社長が細部に張り付かなくても現場が動き、判断が連鎖し、利益が積み上がっていく経営構造をつくります。
業績が伸び始めた会社を振り返ると、ある共通点があります。
それは、「会議の質が上がった」ことではありません。
「いい会議」をやめたことです。
この話をすると、多くの社長は一瞬、違和感を覚えます。会議は大事だ。対話は必要だ。議論を尽くさなければ、良い判断はできない。どれも正しい。しかし、業績が停滞している会社ほど、この正しさに縛られています。
いい会議とは何でしょうか。
全員が発言している。
議論が活発で、雰囲気が良い。
結論も出て、納得感もある。
一見すると、理想的です。しかし、その会議のあと、何が起きているでしょうか。現場はどれだけ動いているか。決まったことは、どれだけ実行されているか。数字は、どれだけ変わっているか。実は多くのケースで、答えは芳しくありません。
会議は良かった。
空気も悪くなかった。
しかし、売上は変わらない。
なぜか。それは、「いい会議」が空気を消費する装置になっているからです。いい会議が続いている会社では、会議そのものが目的化しています。話し合ったことで、何かをやった気になる。合意したことで、前に進んだ気になる。しかし実際には、行動はほとんど変わっていない。これは怠慢ではありません。会議の空気がそうさせているのです。
行動科学の視点で見ると、人は「納得」すると、行動量が一時的に下がる傾向があります。納得は安心を生み、安心は緊張を下げる。緊張が下がると、行動の初速が鈍ります。つまり、いい会議ほど、人を落ち着かせ、動きを止めてしまう危険をはらんでいます。一方、業績が伸び始めた会社で起きているのは、真逆の現象です。
会議の回数が減る。
時間が短くなる。
そして、会議中の「気持ちよさ」は減ります。
その代わり、会議の外での動きが増えます。判断が分散し、現場で決まることが増え、試行錯誤の回転数が一気に上がります。結果として、売上の改善スピードが速くなる。ここで重要なのは、「会議をなくした」のではない、という点です。そう、いい会議をやめたのです。いい会議をやめた会社では、会議の役割が根本から変わります。
意見を出し合う場ではなく、前提を揃える場になる。
合意形成の場ではなく、判断基準を確認する場になる。
安心をつくる場ではなく、次の行動を切り出す場になる。
この変化が、空気を一変させます。いい会議が支配している会社では、こんな空気が流れています。
会議で言ったことが正解。
会議で決まらなければ動かない。
会議に参加していない人は、判断できない。
この空気は、非常に高くつきます。なぜなら、社内の判断が「会議の開催頻度」に縛られるからです。意思決定のスピードは、カレンダーに支配され、支出や投資のタイミングを逃しやすくなります。これは、そのまま機会損失です。一方、いい会議をやめた会社では、こうなります。
会議で話す前に、現場が動いている。
会議は、結果の共有と微調整の場になる。
会議に出ていない人も、判断できる。
なぜ、こんなことが可能になるのか。それは、判断の基準が空気として共有されているからです。社長が毎回結論を出さなくてもいい。会議で全員が納得しなくてもいい。重要なのは、「この会社では、どういう考え方で決めるのか」が、空気として染み込んでいることです。いい会議に依存している会社ほど、この基準が曖昧です。だから、会議で毎回ゼロから話し合う。結果として、会議が増え、社長の時間が削られ、現場の判断力が育たない。
経営的に見ると、これは極めて不利です。
社長の時間は有限です。
会議に時間を取られるほど、外を見る時間、未来を考える時間が奪われます。
そして何より、会議が増えるほど、会社は社長依存になります。
いい会議をやめた会社では、社長の役割が変わります。
話をまとめる人ではなく、基準を示す人になる。
全員の意見を聞く人ではなく、考え方を残す人になる。
その結果、社長がいなくても回る判断が増え、会社は「動く組織」へと変わっていきます。ここで誤解してはいけないのは、対話を軽視することではありません。むしろ逆です。いい会議をやめた会社ほど、対話は増えています。ただし、それは会議室の中ではありません。現場で、少人数で、具体的な行動に直結する形で行われています。つまり、会議という形式が、空気を鈍らせていたのです。
もし今、会議は多いが、行動が少ないと感じているなら、それは人の問題ではありません。会議が「いい空気」をつくりすぎているのです。その空気が、緊張を奪い、判断を遅らせ、挑戦を鈍らせています。
業績が伸び始める前、会社は必ずこの転換点を通ります。
会議が減り、ざわつきが増え、未完成な動きが増える。
一見すると、管理が甘くなったように見えますが、実際にはその逆です。
組織の自走力が立ち上がり始めているのです。
いい会議をやめるという決断は、勇気がいります。なぜなら、、、
合意が減る。
不安が増える。
摩擦も起きる。
しかし、その摩擦こそが、会社が再び動き始めた証拠です。会議がうまくいっているのに、業績が伸びないのであれば、その違和感を感じたときが、やめ時です。会社を前に進めるのは、居心地の良さではありません。判断が回り、行動が連鎖する空気です。
いい会議をやめた会社から、業績が伸び始める。
これは偶然ではなく、構造です。
ー勝田耕司
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