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「真の退職理由」から逃げないことが、社員定着化と戦力化の第一歩

SPECIAL

組織風土改革コンサルタント

株式会社C&Mコンサルティング

代表取締役 

組織風土改革コンサルタント。会社の人事部員およびコンサルタントとして合わせて25年間、一貫して会社のビジョン・戦略実現のために、組織人事の仕組みの構築に携わってきた専門家。人材獲得がますます困難となる中、今いる人材の能力を最大限に引き出し、全員を戦力化させ、定着させる「組織風土とマネジメントの仕組み」づくりに定評。
株式会社C&Mコンサルティング代表取締役。

「真の退職理由」から逃げないことが、社員定着化と戦力化の第一歩

 

4月、真新しいスーツ姿の新入社員を、街で見かけます。
会社にとっては、新しい仲間を迎える希望の季節。

しかし、入社間もない段階で退職を決意する人も、少なくありません。

退職代行「ガーディアン」では、4月1日~3日までの3日間で、
新入社員からの依頼が、早くも11件あったといいます。

 

「最近の若者は我慢が足りない」という思考停止では、経営にはなりません。

経営者が直視すべきなのは、なぜそこまで早く、
「会社との対話」を諦めてしまったのか、という重たい現実です。

これは、退職代行を使ったかどうかとは、全く関係ありません。

社員定着化/戦力化の出発点は、表面的な処遇改善ではありません。
まずは、辞めていく人の「真の退職理由」を捉えることです。

 

1.退職理由の「建前」と「本音」は違う

「家庭の事情です」
「新しい挑戦がしたい」

退職時に語られる理由は、たいてい角の立たない表現になります。
しかし、その言葉を額面通りに受け取っても、本当の問題は見えません

本音はもっと日常の中にあります。
毎朝の気の重さ、上司との会話のしづらさ、評価への不信感、将来への不安。

退職届に書かれる理由は、最後に整えられた表現にすぎず、
それまでに積み重なっていた感情のほうが、はるかに重要です。

 

2.本当の原因は、上司・評価・将来不安・組織風土に潜む

人が辞める理由を、給料や待遇に帰着させると、本質を見失います。

もちろん処遇は重要です。
しかし、退職の引き金は、もっと日常的なものです。

「この上司の下では、これ以上働けない」
「何を頑張っても正当に見てもらえない」
「この会社にいても、先の姿が見えない」

こうした感覚は、ある日突然生まれるのではなく、
毎日の小さな違和感の積み重ねで、強くなっていきます。

社長からは見えにくい部分ほど、実は退職理由の核心に近いのです。

 

3.「本人の問題」で片づけると、同じ退職が繰り返される

経営者や管理者の立場からは、辞めた社員を、
「あの人は少し特殊だった」「本人に問題があった」
と整理したくなることがあります。

しかし、そんな整理をした会社ほど、また似たような退職が起きます。

なぜなら、個人の問題に見える背後には、組織のクセが潜んでいるからです。
上司の対話力、曖昧な期待水準、納得感の低い評価、相談しても変わらない空気。

こうした構造が残ったままだと、辞める人が入れ替わるだけで、
問題は再生産され続けます。

「退職=例外」として処理する会社の退職者は減りません。

 

4.退職面談は、犯人探しではなく、構造把握の場である

退職面談で大切なのは、誰が悪かったのかを特定することではありません。

必要なのは、辞めたくなる理由を生み出したのは、
会社のどういった「風土」「仕組み」に起因するかを、見抜くことです。

そのためには、本人の言葉を否定的に聞かないことです。

言い訳をはさまない。
反論しない。
引き止めのための説得に走らない。

まずは、何が本人をそう感じさせたのかを、丁寧に聞いて、逃げずに受け止める。

退職面談は、会社にとっては貴重な、組織診断のチャンスです。
ここで正面から向き合えない会社は、社員定着/戦力化への道が遠のくばかりです。

 

5.退職代行サービスの台頭は、会社への「最終通告」

本人が会社に直接退職を伝えず、第三者を通じて辞める。
これは単なる流行ではありません。

そこには、会社と対話すること自体を諦めた、社員の心理が表れています。

「言っても無駄だろう」
「どうせ理解されない」
「直接話すと消耗するだけだ」

そう思わせてしまった時点で、組織はかなり深いところで信頼を失っています。
退職代行サービスの存在は、会社にとっての最終通告です。

だからこそ、経営者/管理者が見るべきは、

なぜ、本人が、会社と向き合わずに去るしかなかったのか。
なぜ、本当の理由を話してくれなかったのか。

そこに向き合うことが、次の離職を防ぎ、社員の戦力化を進める第一歩です。

 

退職者の声は、氷山の一角です。

たまたま顕在化した声は、水面下で多くの社員が感じていることです。

そういった社員の集団では、社員の戦力化が遠のくのは自明の理です。

 

真の退職理由を把握したとき、経営者は初めて、
自社の組織が抱える、本当の課題に触れられます。

そこから先にしか、社員が定着して、
活躍してくれる会社づくりは始まりません。

 

経営者として、社員のネガティブな声を正しく把握できていますか?

 

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