第542号 優秀な社員、スタッフほど嫌われる組織にしないコツとは

「会社を辞めたいと思ってまして。」
「え? 一体何があったの。」
ある社員が打ち明けました。
社長としては「彼は優秀だからきっと幹部になってくれるだろう」と思っていました。
しかしそれとは逆の事が起きたわけです。
ここでうろたえていてはますます彼は不安を抱えてしまう。
社長は気持ちとは裏腹に平静を保ちつつ、落ち着いてその理由を聞いてみました。
そして感じた事は
「やっぱりそういうことか」
一言で言えば、問題があったのは彼自身にではなく、彼の周りにいる人達にあったのです。
実はこの優秀な人が長続きしないという現象。
一見、意外なことに見えますが私の経験上はそうではありません。
店舗型のビジネス企業にとっては結構あるあるです。
この人はきっとすぐに幹部となってくれて、やがてはバリバリ働いてくれるに違いない。
残念ながらそんな人ほど周囲からの「圧殺」を受け続け、ギブアップしてしまうことは多いです。
しかしすべての企業がそうなってしまうのかと問われますと、そうではありません。
なかには優秀な人ほどバリバリ働ける環境が整えられていて、社員やスタッフ達のエネルギーを武器にどんどん他社と差をつけて成長していける会社もあります。
社長としてはそんな幹部が増えていく度に、陣頭指揮を取れる頭脳セクションに一点集中ができるようになっていくわけですから、会社はますますスピードアップが図れる善循環がなされ、強固な組織が形成されていきます。
では優秀な人が離脱していってしまう会社と、定着して活躍し続けてくれる会社の違いは何なのか?
それは向き合い方にあります。
「優秀な人がギブアップしてしまう原因は、働く社員やスタッフ自身にある」と見ている会社は伸びていきません。
そうではなく
「問題の根底は人ではなく、何か別にあるのではないか?」
会社としてその問題がどこにあるのか追求し、そもそもどうやったらそんな問題自体が起こらない対策をうつことができ、いくつも重ねていけるのか。
そんな視点を持つ会社だけが伸びていけます。
ただ、だからといって「じゃあうちも今日からそうしよう」としても「ハイうまくいきました」とスムーズに実現できるわけではありません。
その過程には多くの障害があるからです。
その一番のネックとなるのは「他人から尊敬されたい」という人の欲望です。
前者の「優秀な人がギブアップしてしまう原因は働く社員やスタッフ達自身にある」と見ている会社は、誰かが問題を解決する度に「さすが◯◯さんだ」「私も◯◯さんのようになりたい」と見られます。
これは問題を解決する本人にとってはとても励みになり、次なる解決につなげられる原動力にもなります。
しかし問題の根本が人にあると見ているわけですから、必ずそういった解決の度に誰かが傷つき、処分されてしまうことになります。
はたしてその人は本当に「悪」だったといえるのでしょうか。
こういったことを続けていては円満な会社組織は築けません。
やがては◯◯派といった派閥や■■組などのグループが社内に乱立してしまい、お互いに協力しあって結果を出そうという団結はなくなっていきます。
そしていかに敵対派閥、グループを蹴落としてやるか。
おかしな方向にばかり会社の貴重な人エネルギーを使い続け、組織が乱れていきます。
一方、後者の「問題の根底は人ではなく何か別にあるのではないか?」と見ている会社は、いくら問題を解決できても、その人はいつまでも陰の功労者です。
誰にも評価されません。
誰にも感謝されません。
一番わかってくれるのは社長だけです。
「君が頑張ってくれるから会社がうまくいってるんだ」
「ありがとう」
そんな一言がとても重要となります。
また、そんな人が会社内にいないのであれば、社長自身がやるしかありません。
もちろん、そんな社長は誰にも感謝されません。
しかし私ははっきり言います。
そんな誰からも感謝されずとも、陰に潜む問題を解決し続けている人が頑張っている会社が伸びていかないわけがない。
店舗型のビジネスにおいて、人の力で業績をあげていける組織を確立したいのであれば
・なぜ優秀な社員、スタッフほど周囲に嫌われてしまうのか。
・その問題点がどこにあり、どう向き合うのか
そして
・誰がその問題を解決するのか
ということに目を向けなければなりません。
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